花がらは子房の下で切る
花弁が散り始めたら、花の下のふくらんだ部分ごと切り取ります。ここは種を作る子房で、残すと種づくりに養分を取られ、球根の肥大が目に見えて悪くなります。
- 切る位置
- ふくらみのすぐ下、茎の上端で切ります。茎そのものは光合成をしているので、緑のうちは根元から切り落とさずに残します。
- 切る時期
- 花弁が全部散るのを待つ必要はありません。色があせて開ききったら切ってかまいません。早いほど球根へ回る養分が増えます。
- 株を揺らさない
- 手で折り取ってもよいのですが、片手で茎を支えて行います。株ごと揺さぶると根が動き、そこで肥大が止まってしまいます。
原種系を群植して自然な姿を楽しむ場合は花がらを残すこともありますが、翌年も球根を使うつもりなら必ず切ります。
葉は黄色くなるまで残す
花が終わってから葉が枯れるまでのおよそ一か月半が、球根が太る唯一の期間です。このあいだの光合成でできた養分が新しい球根に蓄えられるため、緑の葉を早く切ると翌年は咲きません。
見た目が悪いからと葉を結んだり折り曲げたりするのもよくありません。光を受ける面積が減るうえ、折った部分から傷んで枯れが早まります。手前に別の草花を植えて隠すほうが確実です。
- 枯れの見きわめ
- 葉の三分の二以上が黄色くなり、軽く引くと抜ける状態になれば養分の移動は終わっています。ここまで待ってから掘ります。
- 隠し方
- 前列にマリーゴールドやサルビアなど初夏に育つ草花を植えると、枯れていく葉を隠しながら花壇を夏へ切り替えられます。
- 鉢の場合
- 鉢は目立つ場所から下ろし、日の当たる邪魔にならない場所へ移します。葉が枯れるまでは水やりを続けます。
花後の追肥と水やり
花後に肥料と水を切らさないことが、翌年の球根の大きさに直結します。花が終わった時点で世話をやめてしまう人が多いのですが、球根が実際に太るのはこれからです。
- 液体肥料を続ける
- 葉が緑のあいだは2週に1回ほど薄い液体肥料を与えます。リン酸とカリを多く含むものが球根の充実に向きます。
- 水は葉が枯れるまで
- 土が乾いたら与えます。ただし葉が黄変し始めたら徐々に減らし、掘り上げの直前は乾かし気味にして皮を締めます。
- 排水を確かめる
- 花後の雨そのものは問題ありませんが、水がたまる花壇では球根が腐ります。排水の悪い場所では掘り上げを早めに切り上げます。
- 分球を待つ
- 親球の周りには新しい球根が数個できます。この数と大きさが決まるのも花後なので、途中で世話をやめると小球ばかりになります。
花後に肥料を与えても、その年の花は大きくなりません。効いているのは翌年の花で、成果が見えるのは一年後だと考えます。
掘り上げの時期と手順
掘り上げは葉が黄色く枯れた頃、おおむね5月下旬から6月中旬です。梅雨に入ってからでは土が濡れて球根が腐りやすく、遅れるほど地中で傷む球根が増えます。
- 晴天の日に掘る
- 土が乾いた晴れの日に、株から10センチ以上離してスコップを入れます。球根を傷つけると、保存中にそこから腐りが入ります。
- 土は手で落とす
- 軽くもんで土を落とし、水では洗いません。洗うと外皮が湿り、乾燥の途中でかびが出て保存がきかなくなります。
- 茎と根を切る
- 枯れた茎を球根の際で切り、根は短く切りそろえます。分球した小さな球根は親球と分けて別に扱います。
| 地域 | 掘り上げの目安 | 判断のしかた |
|---|---|---|
| 暖地 | 5月下旬〜6月上旬 | 梅雨入り前に済ませる |
| 中間地 | 6月上旬〜中旬 | 葉の三分の二が黄変したら |
| 寒冷地 | 6月中旬〜7月上旬 | 葉が完全に倒れてから |
乾燥と夏の保存
掘った球根は風通しの良い日陰で一週間ほど乾かします。直射日光に当てると外皮の下が傷み、密閉すると蒸れてかびます。乾いたら汚れた外皮と古い根を取り除きます。
- 吊るして乾かす
- 網袋に入れて軒下に吊るすのが確実です。地面に直接置くと下面が乾かず、接している部分だけかびが出ます。
- 保存の場所
- 乾燥後は網袋のまま風通しの良い日陰で秋まで置きます。夏の高温多湿が最大の敵なので、締め切った物置や車内は避けます。
- 冷蔵庫に入れない
- 保存目的で夏じゅう冷蔵庫に入れると、花芽の形成に必要な高温が得られません。低温を与えるのは秋の植え付け前だけです。
球根の中で翌年の花芽が作られるのは夏の保存期間です。この時期の置き場所が悪いと、秋にどれだけ丁寧に植えても咲きません。
翌年使える球根の見分け
掘り上げた球根がすべて使えるわけではありません。日本の平地は花のあとすぐ高温になるため球根が太りきらず、市販の新球と同じ大きさまで戻る株はそう多くありません。
| 球根の状態 | 翌年の見込み | 扱い |
|---|---|---|
| 球周12センチ以上で硬い | 花が咲く | 秋にそのまま植える |
| 球周8〜11センチ | 咲かないか小輪 | 花壇の奥や畑で育てる |
| 8センチ未満の小球 | 葉だけで終わる | 太らせる目的で密植する |
| 軟らかい、かびている | 望みなし | 処分する |
毎年同じ景色を作りたいなら、掘り上げた球根は太らせる用に回し、見せる場所には新しい球根を植えるのが現実的です。
チューリップの花が終わったあとに使うもの
来年も咲かせるかどうかは、この時期の手当てで決まります。切ることと、球根をしまうことです。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。硬くなった茎を切るので、花がら摘み用より丈夫なもの。
花後の切り戻しは、次の芽を出させる作業です。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- お礼肥用の緩効性肥料探す言葉「緩効性肥料 お礼肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10g 前後、花壇 1 ㎡ あたり 30〜50g。
咲かせるのに使った養分を戻す肥料です。ここを飛ばすと、翌年の花数が目に見えて減ります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。品種を書いたラベルを付けられるもの。
掘り上げた球根は、風の通るところに吊るして乾かします。密閉すると中から腐ります。
- 掘り上げずに植えっぱなしでよい球根も多く、その場合は保存の資材は要りません。
- 花後すぐに葉まで切らないでください。葉が来年ぶんの養分を作ります。
チューリップの長く咲かせるコツは作物ページに
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