球根は買う時点で結果が決まる
チューリップは球根の中に翌春の花芽ができた状態で売られます。だから植えたあとの管理で花を新しく作ることはできず、どの球根を選ぶかがそのまま花の大きさと茎の太さを決めます。
基準は大きさと硬さです。同じ品種なら球周が12センチ以上の大きな球根ほど太い茎と大きな花になり、8センチ前後の小球は葉だけで終わることがあります。手に持って重く、押しても凹まないものを選びます。
- 外皮の破れは可
- 薄茶色の外皮が一部はがれていても花には影響しません。むしろ皮の下の表面が白くつやがあるかを直接確かめられるので、悪い球根ではありません。
- 避けるべき球根
- 押すと柔らかい、底の根盤が黒く崩れている、青緑のかびが吹いているものは避けます。植えても土の中で腐るか、咲かずに終わります。
- 割れかけた球根
- 上部に深い割れ目が入り二つに分かれかけた球根は、咲いても花が小さくなりがちです。花丈をそろえたい花壇の前列には向きません。
植える時期は地温で決める
植え付けの適期は地温が15℃を下回ってからで、10℃を割る前までです。地温が高いうちに植えると球根が腐りやすく、逆に寒くなりすぎてから植えると根を張る前に土が凍み、春の伸びがそろいません。
紅葉が色づく頃が地域共通の目安です。北海道や東北は10月、関東から近畿の平地は11月、九州や南四国の暖地は11月下旬から12月と、南へ行くほど一か月以上遅くなります。
| 地域 | 植え付けの目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 北海道・東北・高冷地 | 10月上旬〜下旬 | 土が凍る前に根を張らせる |
| 関東・中部・近畿の平地 | 11月いっぱい | 地温が15℃を切ってから |
| 九州・南四国などの暖地 | 11月下旬〜12月中旬 | 早植えは腐敗と徒長のもと |
遅れても年内に植えれば間に合います。1月以降にずれ込むと根の量が足りず、茎が短いまま咲くか、蕾が開かずに終わります。
深さと間隔は地植えと鉢で変える
地植えは球根の高さの2〜3倍、およそ5〜10センチの深さに植えます。深めに入れると茎が倒れにくく、球根も夏前の高温から守られます。浅いと霜で持ち上げられ、球根が地表に出てしまいます。
鉢は土の量が限られるので、球根の頭が土の表面から2〜3センチ下に来る程度の浅植えにします。深くすると鉢底までの距離がなくなり、根を伸ばす空間が足りなくなって水切れが早まります。
| 場所 | 植え付けの深さ | 球根どうしの間隔 |
|---|---|---|
| 花壇・地植え | 5〜10センチ | 10センチ前後 |
| プランター | 2〜3センチ | 3〜5センチ |
| 寄せ植えの鉢 | 2〜3センチ | 指一本分あければ可 |
平らな面をそろえて置く
球根の断面は完全な丸ではなく片側が平らです。最初の大きな葉はこの平らな側から出るので、列に沿って平らな面を通路側にそろえると、葉が同じ向きに並んで奥の株が隠れず、風通しも良くなります。
- とがった先を上に
- 根が出るのは平たい底の根盤側、芽が出るのはとがった先端側です。上下を逆に植えると芽が土中で曲がり、出芽が遅れて花丈が不ぞろいになります。
- 押し込まない
- 球根を土に押し込むと下の土が締まり、根盤から根が下へ伸びにくくなります。先に穴を掘って置き、土をかぶせてから水をやります。
- 深さをそろえる
- 一列の中で深さがばらつくと開花が数日ずれ、そろって咲きません。板を渡して溝の底を平らにしてから並べると確実です。
土づくりと元肥
水はけが最優先です。球根は過湿で腐り、いったん腐ると回復しません。植え付けの2週間前までに腐葉土を混ぜて深く耕し、粘土質の場所では10センチ以上高い畝を立てて水が抜ける形にします。
肥料は控えめでかまいません。花はすでに球根の中にできているため、元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)は緩効性の粒状肥料を土に混ぜる程度で足ります。むしろ効かせるべきは花後で、翌年の球根を太らせるための追肥(育てている途中で足す肥料)のほうが効きます。
- 酸度の調整
- 強い酸性を嫌います。雨の当たり続ける花壇では苦土石灰を軽くまいて整えます。ペーハーは6前後が扱いやすい範囲です。
- 鉢の用土
- 赤玉土の小粒を主体に腐葉土とパーライトを混ぜた、軽くて水の抜ける配合が向きます。市販の球根用培養土でもかまいません。
- 連作を避ける
- 同じ場所で毎年植え続けると球根が腐る土壌病害が出やすくなります。花壇は2〜3年あけるか、鉢は毎年新しい土に替えます。
植えたあとの水やり
植え付け直後にたっぷり水をやり、その後も土を完全には乾かしません。地上に芽が出ない冬のあいだも、球根は土の中で根を伸ばし続けているためです。
- 鉢は乾きやすい
- 戸外の鉢は雨がかかっても内部まで濡れません。表土が白く乾いたら鉢底から流れるまで与え、受け皿に水はためないようにします。
- 凍結する地域
- 寒冷地の鉢は土ごと凍ると根が切れます。軒下や北風の当たらない壁ぎわに寄せ、鉢の側面をわらや不織布で覆って温度の急変を防ぎます。
太平洋側で晴天が10日以上続いたら、芽が出ていなくても地植えに水をやります。冬の乾燥は根の伸びを止め、春の草丈を縮めます。
植え方の失敗と翌春への戻し方
植え付けの失敗は春になってから花の姿に出ます。冬のうちに気づけば直せるものもあるので、植えたあと一か月ほどは土の表面と水の乾き方を見ておいてください。
- 深さが足りなかった
- 浅いと霜で球根が持ち上がり、茎が短いまま咲きます。土から頭がのぞいていたら、三センチほど土を足して覆い直します。
- 上下を逆に置いた
- 芽は土の中で回り込んで出るため、遅れて出た芽を無理に起こしてはいけません。そのまま伸ばし、翌年から平らな面を下に置きます。
- 詰めて植えすぎた
- 球根どうしが触れていると腐りが移ります。年内なら掘り上げて間隔をあけ、動かせない時期なら水を控えて過湿を避けます。
- 水を与えすぎた
- 植え付け後に土が乾かないと根が傷みます。表土が乾いてから与えるのを目安にし、鉢なら受け皿の水を必ず捨てます。
春に芽が出なかった球根は掘って確かめます。中が茶色く軟らかければ腐りで、翌年は深さと水やりを先に見直します。
チューリップの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
チューリップの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチューリップの育て方にまとめています。
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