すじまきで薄く均一にまく
カブの種は小さく、一粒ずつ置くのは手間なので、深さ一センチほどの溝に一センチ間隔で流すようにまく「すじまき」が基本です。厚くまくと間引きが大変になり、薄すぎると欠株ができます。一センチ間隔を意識すると、ちょうどよい密度になります。
覆土(かぶせる土)は五ミリほどの薄さにし、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。押さえないと発芽が揃わず、押さえすぎると土が固まって芽が持ち上げられません。まいたあとはたっぷり水を与え、発芽まで乾かさないようにします。

- まき溝を作る
- 板の縁や支柱を土に押しつけて、深さ一センチのまっすぐな溝を作ります。条間(溝と溝の間)は二十センチから二十五センチにします。
- 一センチ間隔で流す
- 種を親指と人差し指でつまみ、溝に沿ってすり合わせながら落とします。一か所に固まったら指でならします。
- 薄く覆土して押さえる
- 溝の両側の土を指でつまんで寄せ、五ミリほどかぶせます。手のひらで軽く押さえ、たっぷり水を与えます。
- 不織布をかける
- 発芽まで乾きを防ぎ、虫の飛来も防げます。芽が出そろったら外すか、防虫ネットに替えます。
カブの種は光を嫌わないので覆土は薄くて構いませんが、無覆土では乾いて発芽しません。五ミリが目安です。
土は深く耕して石を取る
カブの根は土の中で丸く太るので、石や固い土の塊があると形がゆがみます。まく前に二十センチほどの深さまで耕し、石と土の塊を取り除いておきます。堆肥と元肥(前もって入れる肥料)はまく二週間前に混ぜ込みます。
肥料はやや控えめにします。窒素が多いと葉ばかり茂って根が太らず、割れやすくもなります。前作の肥料が残っている畑なら、元肥は半分で足ります。酸性の土を嫌うので、苦土石灰をまいて中和しておきます。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルに百グラムほどまき、二十センチの深さまで耕して石と塊を取ります。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 一平方メートルあたり完熟堆肥を二キロ、化成肥料をひと握りほど混ぜ込み、幅六十センチ、高さ十センチの畝を立てます。
- 表面を平らにならす
- レーキで表面を平らにし、大きな塊が残っていないかを確かめてからまき溝を作ります。
発芽は三日、そこから三回の間引き
カブは二十度前後なら三日から四日で発芽します。発芽が揃ったら、成長に合わせて三回に分けて間引き(込みすぎた株を抜くこと)をします。一度に広く間引くと、残った株が風で倒れたり、土が乾いて弱ったりします。
間引きのたびに株間を広げ、最終的に小カブなら十センチ、中カブなら十五センチにします。間引いた株は根ごと抜くのではなく、隣の株の根を傷めないように地際で切るか、そっと引き抜きます。
| 回数 | 時期 | 残す株間 |
|---|---|---|
| 1回目 | 発芽が揃ったころ(本葉1枚) | 3センチ |
| 2回目 | 本葉2〜3枚 | 6センチ |
| 3回目 | 本葉4〜5枚 | 小カブ10センチ、中カブ15センチ |
間引きは残す株を先に決める
間引きでは、抜く株ではなく残す株を先に決めます。葉の色が濃く、双葉が左右対称で、茎が太くまっすぐなものを残します。双葉の形が悪い株や、ひょろりと伸びた株は根も曲がりやすいので抜きます。
間引いたあとは株元に土を寄せて、残した株がぐらつかないようにします。間引き菜は柔らかく、味噌汁や炒め物に使えます。三回目の間引き菜は小さなカブが付いていることもあります。
- 残す株を選ぶ
- 双葉が左右対称で、葉の色が濃く、茎が太くまっすぐな株を残します。形の悪い株は根も曲がります。
- 隣の株を押さえて抜く
- 残す株の根元を指で押さえ、抜く株を真上にそっと引きます。引っ張ると隣の根が浮きます。
- 株元に土を寄せる
- 間引いたあとの穴を埋めるように条間の土を株元へ寄せ、残した株がぐらつかないようにします。寄せた土が根の肩も隠します。
- 間引き菜は食べる
- 柔らかい間引き菜は味噌汁や炒め物に向きます。畑に置いておくと虫を呼ぶので持ち帰ります。
秋まきが失敗しにくい
カブは春と秋の二回まけますが、失敗が少ないのは秋まきです。春まきは生育の途中で気温が上がり、とう立ち(花芽が伸びて根が固くなること)や虫の被害が増えます。秋は気温が下がっていく中で育つので、根が締まって甘くなります。
関東の露地なら、九月中旬から十月上旬にまくと十一月に穫れます。小カブなら四十日、中カブで五十日から六十日が目安です。春まきは三月下旬から四月にまき、五月に穫り切ります。
| まき時 | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 5月〜6月上旬 | とう立ちと虫に注意。小カブ向き |
| 9月中旬〜10月上旬 | 10月下旬〜12月 | いちばん失敗が少ない |
| 10月中旬以降 | 12月〜1月 | 寒さで生育が遅い。トンネルが要る |
種まきでつまずいたときの切り分け
発芽しない、発芽が揃わない、芽が切られて消える。種まき直後の悩みは水と虫がほとんどです。まき直しは十分間に合うので、原因を確かめてからまき直します。
- 一週間たっても芽が出ない
- 乾いたか、覆土が厚すぎです。土を掘って種を確かめ、腐っていれば水を控えめにしてまき直します。
- 芽が一か所に固まった
- 種が水で流れました。固まった場所を早めに間引き、欠けた場所には追いまきします。次回はジョウロの口を低くして静かに与えます。
- 芽が根元から切られる
- 夜に活動する虫(ネキリムシ)です。株元の土を掘って見つけ、取り除きます。防虫ネットは効きません。
- 双葉に小さな穴
- 小さな黒い虫(キスジノミハムシ)です。発芽直後から防虫ネットをかけて防ぎます。葉が大きくなれば被害は目立たなくなります。
種まきの手順
カブは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
カブの種まきでよくある質問
カブの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
カブの種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
カブの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
カブの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
カブは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
カブの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
カブの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
カブの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカブの育て方にまとめています。
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