一年を四つに分けて覚える
ウドの一年は、覆いをする早春、収穫の春、茎葉を育てる夏から秋、そして刈り取って休む冬に分かれます。手を動かすのは春と冬に集中していて、夏はほとんど放っておけます。
迷いやすいのは、いつ覆いをするかと、いつ収穫を打ち切るかです。どちらも芽が動く前後の短い期間なので、二月のうちに予定に入れておくと逃しません。
| 時期 | 株の状態 | この時期の仕事 |
|---|---|---|
| 2〜3月 | 休眠から動き出す | 覆いをかける準備と実施 |
| 4〜5月 | 芽が伸びる | 収穫、収穫後の追肥 |
| 6〜9月 | 葉が茂り背が高くなる | 敷き草、草取り、倒れ止め |
| 10〜1月 | 枯れて休む | 刈り取り、堆肥入れ |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を前提にした目安です。植えて三年目以降の株を想定しています。寒冷地は全体に二週間から一か月遅れ、暖地は一、二週間早まります。
| 月 | 作業 | 目安と注意 |
|---|---|---|
| 2月 | 覆いの材料を用意 | 芽が動く前に準備する |
| 3月 | 盛り土か容器で覆う | 芽が動く前にかける |
| 4月 | 収穫の始まり | 30〜40センチ伸びたら掘る |
| 5月 | 収穫の終わり、追肥 | 1株2〜3本で打ち切る |
| 6月 | 覆いを外し敷き草 | 梅雨入り前に敷く |
| 7月 | 支柱で囲う | 台風前に立てておく |
| 8月 | 草取り、乾燥に注意 | 葉が縮れたら水を与える |
| 9月 | 台風のあとの手当て | 折れた茎は切り取る |
| 10月 | そのまま茂らせる | まだ刈らない |
| 11月 | 枯れたら刈り取り | 地際で切り持ち出す |
| 12月 | 堆肥を株の上に | 寒さと乾燥から守る |
| 1月 | 休み | 特に作業はない |
三月の覆いが一年で最も大事
白いウドを作るなら、三月の覆いが勝負です。芽が地上に出てから覆っても、すでに緑になった部分は白く戻りません。芽が動く前、まだ地面が平らなうちにかけるのが鉄則です。
覆いをかける時期は、その年の暖かさによって前後します。二月下旬から株元の土を観察し、ひび割れや小さな芽の膨らみが見えたら、その日のうちに覆います。
- 二月下旬から観察
- 株元の土を週に一度見ます。ひび割れや小さな盛り上がりが出たら、下で芽が動き始めた合図です。
- 動く前にかける
- 芽が地上に出る前に盛り土か容器をかけます。出てからでは、その部分は緑のままになります。
- 光の入り口をふさぐ
- 容器の裾に土を寄せ、上には黒い布や板をのせます。隙間があるとそこだけ色が付きます。
- 外すのは六月
- 収穫が終わったら覆いを外し、残った芽を伸ばして葉を茂らせます。かけたままだと株が弱ります。
四月から五月の収穫は数を抑える
覆いの中で三十センチから四十センチ伸びたら収穫です。四月から五月にかけて何本も出てきますが、全部穫ると株が弱ります。一株から二、三本にとどめ、残りは伸ばして葉にします。
収穫を打ち切ったあとは、覆いを外して残った芽をすべて伸ばします。ここから夏にかけて大きな葉を茂らせるのが、翌年の太さにつながります。
収穫の期間はおよそ三週間です。覆いの中は外から見えないので、十日に一度は開けて伸び具合を確かめる予定を組んでおくと、伸ばしすぎて硬くなる失敗を避けられます。
- 伸び具合を確かめる
- 覆いを少し開けて中を見ます。三十センチから四十センチ伸びていたら収穫のころです。夕方に確かめます。
- 二、三本で打ち切る
- 一株から二、三本穫ったらそこで終わりにします。欲張って穫ると根に養分が戻らず、翌年の芽が細くなります。
- 五月中に覆いを外す
- 収穫を打ち切ったら覆いを外します。残った芽に日を当てて、葉を茂らせる期間に切り替えます。
夏から秋は放っておくのが仕事
収穫後は、伸びた茎葉をそのまま茂らせます。見た目には放置ですが、この期間に根が翌年の分の養分をためています。切ったり折ったりしないことが最も大事な仕事です。
やることは敷き草の補充、草取り、台風のあとの手当てだけです。折れた茎があれば付け根から切り、倒れただけなら起こして支柱で支え直します。
| 場面 | すること | してはいけないこと |
|---|---|---|
| 葉が茂っている | 敷き草を足し草を取る | 茎を切ること |
| 台風で倒れた | 折れた茎を切り残りを支える | 全部刈ってしまうこと |
| 葉が縮れて黄ばむ | 水を与え敷き草を厚くする | 強い肥料を与えること |
作業が遅れたときの戻し方
覆いが間に合わなかった、刈り取りを忘れたといった遅れは起こります。ウドは多年草なので一度の遅れで枯れることはありませんが、取り返し方を知っておくと無駄がありません。
- 覆いが遅れた
- 芽が伸びてしまったら、その年は山ウドとして日に当てて育てます。無理に覆っても白くなりません。
- 穫りすぎた
- 四本も五本も穫ってしまったら、そこで打ち切って残りを全部伸ばします。追肥をして株を回復させます。
- 刈り取りを忘れた
- 冬に刈り忘れたら、芽が動く前の二月中に刈って持ち出します。芽が出てからでは踏み荒らします。
- 追肥を忘れた
- 五月の追肥(育ちの途中で足す肥料)を忘れたら、六月中に与えれば間に合います。真夏の追肥は根を傷めるので避けます。
ウドの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ウドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はウドの育て方にまとめています。
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