地植えと鉢植えで管理を分ける
地植えの梅は根が深く広がるため、活着後は水やりをほとんど必要とせず、肥料も年に二回から三回で足ります。鉢植えは土の量が限られるので、水切れと肥料切れの両方が起きやすく、こまめな管理が要ります。自分の栽培環境がどちらかで、以下の手順を読み分けてください。
| 場面 | 水やり | 肥料 |
|---|---|---|
| 地植え・植え付け一年目 | 乾いたらたっぷり、夏は週一〜二回 | 堆肥のみ。化成肥料は秋から |
| 地植え・二年目以降 | 夏の日照りが続くときだけ | 寒肥・お礼肥・秋肥の年三回 |
| 鉢植え・生育期 | 表土が乾いたら鉢底から出るまで | 月一回の緩効性肥料か二週に一回の液肥 |
| 鉢植え・落葉期 | 三〜五日に一回、乾き具合を見て | 寒肥を一回だけ |
寒肥で一年の土台を作る
十二月から一月に与える寒肥は、春の芽吹きから開花、実の肥大までを支える最も大切な肥料です。ゆっくり効く有機質肥料を株の周りに埋め、春に根が動き出すころに効き始めるようにします。元肥(栽培の初めに入れる肥料)にあたるもので、量は樹の大きさに合わせます。
- 枝先の真下に溝を掘る
- 枝が広がっている先端の真下あたりに、深さ二十センチほどの溝を輪状か数か所に掘ります。根の先端がそのあたりにあり、肥料をよく吸います。
- 有機質肥料と堆肥を入れる
- 樹の高さ二メートルほどの成木で、油かすと骨粉を合わせて五百グラム前後、堆肥をバケツ二杯を目安に溝に入れて土を戻します。
- 若木は量を半分にする
- 植え付けから三年以内の若木は、成木の半分以下にします。窒素が多すぎると枝ばかり伸びて、花芽がつかなくなります。
鉢植えの寒肥は、鉢の縁に沿って有機質の固形肥料を三か所ほど置くだけで足ります。埋め込むと根を傷めます。
お礼肥と秋肥
収穫が終わった六月下旬から七月上旬に、実をつけて消耗した樹を回復させるお礼肥を与えます。速効性の化成肥料をひとつかみ、株の周りにばらまいて軽く土と混ぜます。九月には翌年の花芽を充実させるための秋肥を与えますが、十月以降は枝の伸びが止まらなくなるので与えません。
| 時期 | 肥料の種類 | 成木一本の目安 |
|---|---|---|
| 12月〜1月(寒肥) | 油かす・骨粉・堆肥 | 有機質肥料五百グラム+堆肥バケツ二杯 |
| 6月下旬〜7月上旬(お礼肥) | 化成肥料 | ひとつかみ(百グラム前後) |
| 9月(秋肥) | 化成肥料 | ひとつかみ弱。十月以降は与えない |
水やりの基本
地植えは植え付けから一年ほど、根が広がるまでは土の乾きを見て水をやります。二年目からは夏に十日以上雨が降らないときに、株元へバケツ二杯ほどをゆっくり流す程度で足ります。鉢植えは五月から九月の生育期に乾きが早く、朝に表土を触って乾いていたら鉢底から流れ出るまでやります。
- 表土を指で確かめる
- 鉢の表面の土を指で二センチほど押し、乾いてさらさらしていたら水をやります。湿っているうちにやり続けると根腐れの原因になります。
- 夏は朝に一回
- 七月から八月の鉢植えは朝に一回、猛暑の日は夕方にも様子を見て足します。日中の高温時に水をやると鉢の中が蒸れるので避けます。
- 実の肥大期は切らさない
- 五月から六月の実がふくらむ時期に水切れすると、実が小さいまま落ちます。この時期だけは地植えでも乾きが続けば水をやります。
株元の管理
株元に草が茂ると養分と水を取られ、害虫の隠れ場所にもなります。株元から半径五十センチほどは草を抜き、わらや腐葉土で覆って乾燥と雑草を抑えます。覆いは幹に直接触れさせず、幹の周り五センチほどは空けて蒸れを防ぎます。
- 春と秋に草を抜く
- 三月と九月に株元の草を根から抜きます。根が浅い梅は深く耕すと根を傷めるので、鍬で削るより手で抜くのが安全です。
- 覆いを敷き直す
- わらや腐葉土は一年で分解して薄くなります。寒肥のときに新しいものを五センチほどの厚さで敷き直します。
- 幹の周りは空ける
- 覆いが幹に触れると湿気がこもり、コスカシバの産卵場所にもなります。幹の周り五センチほどは土を出しておき、月に一度、根元に木くずが出ていないか確かめます。
葉の色で肥料の過不足を見分ける
肥料の過不足は葉と枝の様子に出ます。葉が小さく黄色っぽいなら肥料不足、葉が大きく濃い緑で枝が一メートル以上伸びるなら肥料過多です。どちらも一度で直そうとせず、次の肥料の時期に量を調整して二年ほどで戻します。
| 見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が小さく黄ばむ・枝が伸びない | 肥料不足か根の障害 | お礼肥を少し増やし、根元の水はけを確かめる |
| 枝が長く伸びて花芽がつかない | 窒素が多い | 寒肥の油かすを減らし、翌年は骨粉中心にする |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 肥料の根への接触か水切れ | 肥料を幹から離し、水をたっぷりやる |
| 実が小さいまま落ちる | 実の肥大期の水切れか実のつけすぎ | 五月に水を確保し、摘果で実の数を減らす |
梅の育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
梅の上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は梅の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。