植える時期で収穫の始まりが決まる
ワケギはネギとタマネギの仲間が掛け合わさった野菜で、たねができません。夏に休んでいる球を秋に植え、涼しくなってから葉を伸ばします。植え付けは八月下旬から九月中旬が標準です。
早く植えるほど早く穫れますが、残暑の強い時期に植えると球が腐ります。逆に十月に入ってからでは寒くなるまでに葉が育たず、初回の収穫が春までずれ込みます。
| 時期 | 植え付け | 最初の収穫 |
|---|---|---|
| 8月下旬〜9月上旬 | 標準。地温が下がってから | 10月中旬〜11月 |
| 9月中旬〜9月下旬 | やや遅め。無難で腐りにくい | 11月〜12月 |
| 10月以降 | 遅れ植え。葉が伸び切らない | 3月〜4月 |
種球は固く締まったものを選ぶ
売り場に出る種球は、五個から十個がくっついた塊のまま並んでいます。手に取って軽く押し、固く締まっていて、外皮が乾いているものを選びます。柔らかいものや芽が長く伸びたものは避けます。
前の年に自分で作った球を使う場合も同じです。夏の間に湿気で傷んだ球は植えても腐るので、植える前にひと粒ずつ確かめて分けておきます。
- 塊を一球ずつ分ける
- くっついた球は手でていねいに分けます。無理に引きちぎると根元が割れ、そこから腐りが入ります。
- 押して固さを確かめる
- 親指で軽く押し、へこむものは中が傷んでいます。固く締まった球だけを植え、柔らかいものは処分します。
- 先端の枯れ葉を切る
- 先の枯れた部分をはさみで少し切り落とすと、芽が出やすくなります。切りすぎると生長点を傷めます。
- 植える直前まで乾かす
- 分けた球は風通しのよい日陰に置き、植える日まで湿らせません。湿ったまま置くとその場で芽と根が動きます。
畑は水はけを第一に整える
ワケギは湿った土に弱く、水がたまる場所では球が溶けるように腐ります。畝を高めに立て、雨のあとに水が残らない場所を選びます。酸性の土も嫌うので石灰で中和しておきます。
同じ仲間のネギやタマネギを続けて作った畑では、根の病気が出やすくなります。一年から二年あけた場所を選ぶと、腐りや生育不良がぐっと減ります。
- 二週間前に石灰と堆肥
- 苦土石灰を一平方メートルに百グラム、完熟堆肥を二キロ入れて二十センチの深さまで耕します。
- 元肥は控えめに
- 元肥(植える前に入れておく肥料)は化成肥料をひと握りほどにします。多すぎると葉が柔らかくなり、病気を招きます。
- 高さ十センチの畝を立てる
- 幅六十センチ、高さ十センチの畝にします。水はけの悪い畑では十五センチまで高くします。
球が腐る失敗の多くは、残暑の地温と過湿が重なって起きます。植える日を一週間遅らせるだけで防げることが多いので、天気を見て決めます。
浅く植えて頭を出す
ワケギの植え付けでいちばん大事なのが深さです。球の先端が土から少し出るくらいの浅植えにします。すっぽり埋めると腐りやすく、分けつ(一球から何本にも分かれること)も鈍ります。
株間は十五センチ、条間は二十五センチが目安です。一球から五本から十本に増えるので、詰めて植えると風が通らず、さび病が出やすくなります。
- 十五センチ間隔でくぼみを作る
- 指で深さ三センチほどのくぼみを一列に作ります。条間は二十五センチあけ、株が広がる余地を残します。
- 頭を出して置く
- 球の先端が土の表面から少し見える深さに置きます。上下を逆にしないよう、とがったほうを上にします。
- 軽く土を寄せて押さえる
- 周りの土を寄せ、手のひらで軽く押さえて球と土を密着させます。強く押し固めると根が出にくくなります。
- 植えたあとの水は控える
- 残暑の時期は水を与えなくて構いません。土が乾き切っているときだけ、条間へ少し与えます。
プランターでも作れる
ワケギは根が浅いので、深さ二十センチほどのプランターでも十分に育ちます。台所のすぐ近くに置いておけば、必要な分だけ刈って使えるのが利点です。
培養土をそのまま入れ、十五センチ間隔で三球から四球植えます。プランターは土が乾きやすい一方で、受け皿に水をためると腐るので、水の与え方だけ気をつけます。
- 深さ二十センチの容器に
- 六十五センチの標準プランターなら三球から四球です。詰めて植えると分けつしたときに込み合います。
- 土は八分目まで
- 縁から三センチほど下まで土を入れます。上まで入れると水やりのたびに土が流れ出ます。
- 受け皿の水は捨てる
- たまった水は球を腐らせます。鉢底から流れ出た水はそのつど捨て、日当たりのよい場所に置きます。
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えてから三週間ほどの間に起きる不調は、深さ・水・地温のどれかで説明できます。掘り返して球の状態を見れば、次にどうすればよいかがすぐ分かります。
- 三週間たっても芽が出ない
- 球を掘って確かめます。固いままなら地温が高すぎただけで、涼しくなれば動きます。腐っていれば植え直します。
- 球がぬるぬるして溶けた
- 過湿と高温です。その球は捨て、畝を高くして水はけを直してから、新しい球を植え直します。
- 芽は出たが伸びが遅い
- 深植えです。株元の土を指で少しかき分けて球の頭を出してやると、その後の伸びが目に見えて変わります。土は戻しません。
- 葉先が黄色くなる
- 肥料切れか根傷みです。まずは水だけを与えて一週間見て、変わらなければ薄い液体肥料を与えます。
ワケギの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
ワケギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワケギの育て方にまとめています。
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