一年で一巡する育て方
ワケギは八月下旬に球を植え、秋から春にかけて葉を何度も刈り、五月から六月に球を掘り上げて夏を越させます。同じ球を毎年使い回せるので、一度始めると種球を買わずに続けられます。
植え付けから最初の収穫までは四十日から五十日です。二週間ずらして二列に植えると、刈り取りの間隔がちょうどよくなり、細い葉ばかりになるのを防げます。
| 時期 | 作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 8月下旬〜9月中旬 | 種球の植え付け | 涼しくなってから根を出させる |
| 10月〜4月 | 刈り取りと追肥 | 刈るたびに肥料を足して再生させる |
| 5月〜6月 | 掘り上げと乾燥 | 翌年の種球にする |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を目安にした一覧です。ワケギは真夏だけが休みで、それ以外はどこかで手をかけている作物ですが、一回ごとの作業はどれも短時間で終わります。
刈った日と、次に穫れる太さに戻った日を記録しておくと、自分の畑での再生の速さが分かります。翌年からは刈る間隔を迷わず決められるようになります。
| 月 | 作業 | 要点 |
|---|---|---|
| 8月 | 畑の準備、種球の選別 | 石灰と堆肥は2週間前に |
| 9月 | 植え付け、芽出しの確認 | 浅植えで頭を出す |
| 10月 | 1回目の刈り取り、追肥 | 地際3〜4センチ残す |
| 11月〜12月 | 刈り取りと追肥 | 刈る量は必要な分だけ |
| 1月〜2月 | 冬越し、霜柱の手当て | 浮いた株は押さえ直す |
| 3月〜4月 | 最盛期の刈り取り | 2〜3回穫れる |
| 5月 | 収穫の終わり、水を止める | 葉の黄ばみが合図 |
| 6月 | 掘り上げと乾燥 | 梅雨入り前に済ませる |
秋は刈り取りの立ち上げ
十月に入ると葉が三十センチほどに伸び、最初の刈り取りができるようになります。この一回目をていねいにやると、その後の再生の速さが決まります。地際から三センチから四センチを必ず残します。
刈った翌日には条間へ肥料を施します。この時期はまだ暖かいので、二週間から三週間で次の刈り取りができる太さまで戻ります。刈る位置さえ守れば、秋のうちに二回から三回は穫れます。
- 十月中旬に一回目
- 葉が三十センチ、指の太さほどになったら刈ります。細いうちに刈ると再生が遅れます。
- 刈った翌日に追肥
- 条間に化成肥料をひと握りの半分をまき、土と軽く混ぜてから水を与えます。株元に直接まくと球を傷めるので避けます。
- 二週間で戻るか確かめる
- 二週間後に新しい葉の太さを見ます。細ければ肥料が足りていないので、量を少し増やします。
秋の刈り取りは株を強くするための作業でもあります。使い切れない分は刻んで冷凍しておくと、無駄になりません。
冬は無理に刈らず春に備える
十二月から二月は気温が下がり、刈っても再生に一か月以上かかります。この時期は必要な分だけを外側の葉から抜き取るように収穫し、株全体を刈り込むのは避けます。
霜柱で球が持ち上がると根が切れます。朝に浮いている株を見つけたら、暖かい時間に押さえ直して薄く土をかけます。二月下旬になったら追肥(育ちの途中で足す肥料)を再開して春に備えます。
- 外葉を抜き取る収穫にする
- 刈らずに、外側の葉を根元から一本ずつ抜き取ります。株の中心が残るので寒さに耐えます。
- 浮いた株を押さえる
- 霜柱で持ち上がった株は、日中の暖かい時間に押さえ直して土を薄くかけ、切れた根を落ち着かせます。朝の凍った時間は触りません。
- 二月下旬に追肥
- 条間へ化成肥料をひと握りの半分施します。気温が上がると同時に葉が立ち上がります。
冬の間に葉が凍って白くなることがありますが、株は生きています。溶けた葉だけを取り除けば、春には新しい葉が出てきます。
地域で変わる時期の目安
植え付けの適期は、残暑がどれだけ長いかで決まります。暖地ほど遅く植え、寒冷地ほど早く植えると覚えると分かりやすくなります。
| 地域 | 植え付け | 収穫の中心 | 掘り上げ |
|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 8月中旬〜9月上旬 | 10月〜11月、4月〜5月 | 6月中旬〜7月 |
| 関東平野部 | 8月下旬〜9月中旬 | 10月〜12月、3月〜4月 | 5月下旬〜6月 |
| 暖地 | 9月中旬〜10月上旬 | 11月〜4月 | 5月 |
予定がずれたときの立て直し
種球が手に入らなかった、残暑が長引いた、掘り上げが遅れた。ずれ方によって取れる手は違います。ワケギは丈夫なので、たいていの遅れは取り返せます。
- 植え付けが十月になった
- そのまま植えて構いません。初回の収穫は春にずれ込みますが、球は無事に育ち、翌年の種球もきちんと採れます。
- 残暑が長く植えられない
- 無理に植えず、球を涼しい日陰に置いて待ちます。地温が下がってからのほうが結果はよくなります。
- 掘り上げが梅雨に入った
- 晴れ間を待って掘り、風通しのよい軒下で十分に乾かします。濡れたまましまうと夏の間に腐ります。
- 春に刈り遅れて花が出た
- 花芽が出ると葉が固くなります。花茎を根元から抜き取り、残りの葉を刈って早めに使い切ると無駄になりません。
ワケギの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ワケギの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワケギの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。