部位ごとに穫りごろが違う
畑ワサビで穫れるのは、葉、葉柄、花芽、そして数年育てた細い根茎です。それぞれ穫りごろの時期と見分け方が違うので、はじめに整理しておきます。
| 種類 | 時期 | 穫りごろの見分け |
|---|---|---|
| 花芽(花ワサビ) | 3月〜4月 | つぼみが固く、花が開く前 |
| 葉柄(葉ワサビ) | 4月〜6月、10月〜11月 | 葉柄が太く、長さ15センチ以上 |
| 葉 | 春と秋の生育期 | 緑が濃く、傷みのないもの |
| 根茎 | 植えて2〜3年目の秋 | 太さが親指ほどになったころ |
花ワサビはつぼみのうちに
三月になると中心から花茎が立ち上がります。白い花が開く前、つぼみが固く締まっているうちに根元から抜き取ります。開いてしまうと筋張り、辛みも弱くなります。
花茎を摘むことは、株にとってもよいことです。放っておくと花と実に力を取られ、葉が細くなります。食べる予定がなくても、見つけたら抜き取ります。
- つぼみの固さで判断
- つぼみを指で触って固ければ穫りごろです。白い花びらが見え始めていたら遅いので、早めに摘みます。
- 根元から抜き取る
- 株元を押さえ、花茎を真上にゆっくり引き抜きます。はさみで切るより株に残る力が大きくなります。
- 食べない分も抜く
- 使う予定がなくても抜きます。花を咲かせると株の力が実に取られ、その年の葉が細くなります。
葉柄は外側から順に
葉ワサビとして使うのは、葉と葉柄をつないだ部分です。外側の太く伸びた葉柄から順に、株元で折り取るように収穫します。中心の若い葉を残せば次々に新しい葉が出ます。
一度に取るのは株の葉の三分の一までにします。取りすぎると光を受ける葉が足りなくなり、株が弱って夏を越せなくなります。特に六月以降の収穫は控えめにします。
- 外側の太い葉柄から
- 長さ十五センチ以上に伸びた外側の葉柄を選び、株元で横に倒すようにして折り取ります。無理に引くと株ごと浮きます。
- 三分の一までにとどめる
- 一度に取るのは葉の三分の一までです。取りすぎると株が弱り、夏越しに耐えられなくなります。
- 朝のうちに収穫する
- 気温の上がらない朝に穫ると、葉柄がしゃきっとしていて日持ちします。昼の収穫はしおれやすくなります。
辛みは刻んで温めて引き出す
ワサビの葉や葉柄は、そのままではあまり辛くありません。細かく刻んで組織を壊し、五十度ほどの湯にさっと通してから密閉すると、辛みがはっきり立ちます。
湯に長く入れると辛みが飛ぶので、通すのは数秒です。そのあとすぐに水気を切り、熱いうちに容器に入れてふたをして冷ますのが、家庭でよく行われるやり方です。
- 三センチほどに刻む
- 葉と葉柄を三センチほどの長さに切ります。細かいほど辛みが立ちますが、食感も残したいので切りすぎません。
- 熱い湯にさっと通す
- 沸かしてから少し冷ました湯に数秒くぐらせ、すぐ引き上げます。長く入れると辛みが飛びます。
- 熱いうちに密閉する
- 水気を切り、熱いうちに保存容器へ入れてふたをします。そのまま冷ますと辛みが閉じ込められます。
- しょうゆ漬けにする
- 冷めたらしょうゆとみりんを合わせた調味液に漬けます。半日置けば食べられ、冷蔵で一週間ほどもちます。
保存は乾かさないことが基本
収穫した葉と葉柄は水分が抜けやすく、そのまま置くと半日でしおれます。使うまでは濡らした紙で包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて入れます。
その日のうちに下ごしらえまで済ませてしまうのがいちばん確実です。しょうゆ漬けにすれば一週間、冷凍すれば一か月ほど楽しめます。
- 濡れた紙で包む
- 収穫したらすぐ濡らした紙で包み、袋に入れて野菜室へ立てて入れます。二日から三日が限度です。
- 刻んで冷凍もできる
- 下ごしらえをしたものを小分けにして冷凍します。使うぶんだけ取り出せて、辛みもある程度残ります。
- その日に仕込むのが確実
- しおれる前に湯通しと漬け込みまで済ませます。仕込んでしまえば冷蔵で一週間もちます。
根茎を穫るかどうかの見分け
畑ワサビでも、二年から三年育てると親指ほどの根茎ができることがあります。ただし掘れば株は終わります。葉を穫り続けるか、根茎を穫るかを決めてから動きます。
根茎を穫るなら、涼しくなった秋に掘ります。そのとき株元から出ている小さな子株を切り離して植え直せば、翌年からまた葉が穫れるようになります。
- 太さを触って確かめる
- 株元の根茎に触れ、親指ほどの太さがあれば掘る価値があります。細ければもう一年育てます。
- 掘るのは秋にする
- 十月から十一月に掘ります。夏や真冬に掘ると、切り離した子株が根付かずに枯れます。
- 子株を分けて植え直す
- 株元から出た小さな株を切り離し、新しい土に浅く植えます。これで次の年の株がつながります。
- すりおろすなら直前に
- 細い根茎でも、使う直前におろせば香りが立ちます。おろしてから時間を置くと辛みが抜けます。
ワサビの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ワサビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はワサビの育て方にまとめています。
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