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ワサビの苗の植え付け

ワサビの苗の植え付け|家庭では畑ワサビとして葉を穫る

ワサビの栽培イメージ

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家庭のワサビは、根茎を太らせるより葉と葉柄を穫る畑ワサビとして作ります。苗の選び方と植え方をまとめました。

沢ではなく畑で作ると決める

ワサビには、きれいな冷たい流水で根茎を太らせる沢ワサビと、林の下のような涼しい日陰の土で育てる畑ワサビの二つの作り方があります。家庭で流水を用意するのは難しいので、畑ワサビとして育てます。

畑ワサビでは、すりおろす太い根茎はほとんどできません。穫るのは葉と葉柄、それに春の花芽です。しょうゆ漬けやおひたしにすると辛みと香りがしっかり立ち、家庭で楽しむには十分です。

タイプ育てる場所穫れるもの
沢ワサビ冷たい流水のある沢太い根茎、葉、花芽
畑ワサビ涼しく湿った日陰の土葉、葉柄、花芽、細い根茎
鉢での畑ワサビ北側の軒下やベランダの日陰葉、葉柄、花芽

苗は葉の締まったものを選ぶ

ワサビはたねから育てるのが難しく、市販のたねもほとんど出回りません。園芸店や通信販売で苗を買うのが現実的です。春の三月から四月、または秋の九月から十月に出回ります。

選ぶときは、葉の緑が濃く、葉柄が太くて短いものにします。葉柄が細長く伸びた苗は、暗い場所で育てられていて弱く、植えてから夏を越せないことがあります。

葉柄の太さを見る
葉柄が短く太い苗は光を十分に受けて育っています。細長く伸びた苗は弱いので、植えたあとの夏に消えやすくなります。
株元の色を確かめる
株元が黒ずんでいたり、ぶよぶよしていたりする苗は避けます。根茎の腐りが始まっていると回復しません。
植えるまで乾かさない
買ってきた苗は乾燥に弱いので、日陰に置いて土を湿らせたまま待ちます。数日以内に植え付けます。
植え付けは春か秋に
三月から四月、または九月から十月が適期です。真夏と真冬の植え付けは根が動かず、そのまま枯れます。

場所選びが半分を決める

ワサビが好むのは、夏でも涼しく、一日中直射日光の当たらない湿った場所です。家の北側、落葉樹の下、建物の陰になる壁際などが向いています。西日の当たる場所は避けます。

地温が二十五度を超え続けると株が弱り、腐りが出ます。畑よりも、動かせる鉢で作って夏に涼しい場所へ移すほうが、家庭では成功しやすくなります。

北側か落葉樹の下を選ぶ
午前中に弱い光が入り、午後は日陰になる場所が理想です。西日の当たる場所は夏に株が焼けます。
風の通る場所にする
涼しさは風でも作れます。壁で囲まれて熱がこもる場所より、風が抜ける日陰を選びます。
動かせる鉢も検討する
地植えは夏の暑さから逃げられません。鉢なら真夏だけ涼しい場所へ移せるので、初めてなら鉢が無難です。

夏に地温が上がると根茎が腐って一気に枯れます。よしずや遮光の布で日をさえぎり、株元に敷きわらを厚くして地温を下げておきます。

土は水はけと保水を両立させる

ワサビは常に湿っている土を好みますが、水がたまる土では根茎が腐ります。相反するようですが、腐葉土をたっぷり混ぜた、ふかふかで水が通り抜ける土が答えになります。

元肥(植える前に入れておく肥料)は控えめにします。肥料が多いと葉ばかり柔らかく茂り、暑さと病気に弱くなります。堆肥を主体にして、化成肥料は少量にとどめます。

腐葉土を三割混ぜる
畑の土に腐葉土を三割ほど混ぜ、二十センチの深さまで耕します。ふかふかにすることが水はけと保水の両立につながります。
鉢は山野草の土に
鉢なら山野草用の土か、赤玉土と腐葉土を半々にしたものを使います。深さは二十五センチ以上を選びます。
元肥は少なめに
化成肥料はひと握りの半分ほどにとどめます。多く入れると葉が柔らかくなり、夏に腐りやすくなります。

浅く植えて株元を埋めない

ワサビの根茎は地際で立ち上がるように育ちます。植えるときは根だけを土に入れ、根茎の部分は土から出しておきます。埋めてしまうと蒸れて腐りが入ります。

株間は二十センチから三十センチとります。葉が思いのほか大きく広がるので、詰めて植えると株元に風が通らず、梅雨から夏にかけて一斉に傷みます。少ない株数をゆったり植えるほうが、結果として長く楽しめます。

根だけを土に入れる
根の付いている部分だけを埋め、根茎と株元は地面の上に出したままにします。深植えは腐りの直接の原因です。
株間は二十センチ以上
葉が大きく広がるので二十センチから三十センチあけます。風が抜けるだけで夏の傷みが減ります。
植えたらたっぷり水を
植え付け後は株元に静かに水を与え、土と根を密着させます。以後も土を乾かさないようにします。
敷きわらで地面を覆う
株の周りにわらか落ち葉を厚めに敷きます。乾きを防ぎ、地温の上がりすぎも抑えられます。

植え付けでつまずいたときの切り分け

植えてから一か月ほどの間に起きる不調は、乾き・日射し・深植えのどれかです。株元を見れば、どれが起きているかはすぐに分かります。

葉がしおれて戻らない
乾きです。株元に水を与え、遮光してしばらく休ませます。土が乾き切っていたなら数日で戻ります。
葉の縁が茶色く焼けた
直射日光か西日です。遮光の布やよしずで日をさえぎるか、鉢ならもっと暗い場所へ移します。
株元が黒くぶよぶよ
深植えか水のたまりすぎです。掘り上げて傷んだ部分を切り、新しい土に浅く植え直します。
葉が黄色く小さいまま
肥料切れか根が動いていません。薄めた液体肥料を一度与え、土を湿らせて二週間ほど様子を見ます。

ワサビの植え付けに使うもの

植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
    規格の目安
    幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
    数量の目安
    畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。

    地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。

  • マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
    規格の目安
    長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
    数量の目安
    畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。

    マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。

  • 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
    規格の目安
    目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
    数量の目安
    ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。

    1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。

    出典: 農研機構「0.6mm 目合いネットによるアブラナ科野菜害虫の侵入阻止効果」

  • 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
    規格の目安
    幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。

    根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
  • 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。

ワサビの収穫までのコツは作物ページに

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