症状から原因を引く
ワサビの不調は、葉に出るものと株元に出るものに分かれます。葉だけなら立て直せますが、株元の腐りは早く手を打たないと株ごと失います。まず見るのは株元です。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 株元が黒くぶよぶよ | 高温多湿による腐り | 傷んだ部分を切り、涼しく乾かす |
| 葉が急にしおれて戻らない | 根の傷み、または水切れ | 土を触って乾湿を確かめる |
| 葉に穴が開く | アオムシ、コナガ | 葉裏を見て手で取る |
| 葉裏に小さな虫が群れる | アブラムシ | 水で流し、傷んだ葉を取る |
| 夜のうちに葉が食われる | ナメクジ | 鉢の底や石の下を探す |
腐りは温度と風で防ぐ
ワサビの株元が腐るのは、地温が高いところに水がたまり、風が通らない状態が続いたときです。薬で止めるものではなく、置き場所と株元の環境を変えることでしか防げません。
梅雨から夏にかけては特に注意します。敷きわらは地温を下げますが、株元に密着させると蒸れるので、株の周りだけ少しあけておきます。
- 株元に土をかぶせない
- 根茎は土から出しておきます。埋まっていたら、周りの土をかき分けて空気に触れさせます。
- 敷きわらは株元をあける
- わらは株から数センチ離して敷きます。密着させると株元が蒸れて腐りの元になります。
- 傷んだ部分は切り取る
- 黒くなった部分を清潔な刃物で切り落とします。固い部分が残っていれば新しい土に植え直します。
- 腐った株は隔離する
- 鉢なら他の株から離します。地植えなら周りの土ごと取り除き、その場所には植え直しません。
虫はアブラナ科共通のものが付く
ワサビはアブラナ科なので、アオムシやコナガといったチョウやガの幼虫が葉を食べます。春と秋に多く、放っておくと葉が穴だらけになります。数が少ないうちに手で取ります。
薬を使うなら、葉物野菜に登録のあるものを選び、収穫までの日数の表示を守ります。葉を食べる植物なので、迷ったら手で取るほうが安心です。
- 葉裏をめくって探す
- 緑の糞が落ちている葉の裏を順に見ます。アオムシは葉脈沿いに、コナガは葉の表側の白い部分の裏にいます。
- 春と秋に見回りを増やす
- 三月から五月と、十月から十一月は週に二回見ます。虫が動く時期に合わせて回数を増やします。
- アブラムシは水で流す
- 新芽に群れていたら、勢いを弱めた水で流します。数が多い葉は取り除いてしまいます。
- 防虫ネットも使える
- 鉢なら簡単な支柱にネットをかけられます。遮光と兼ねられるので、夏は目の細かい黒いネットが便利です。
ナメクジは夜と隠れ場所を狙う
湿った日陰で育てるワサビは、ナメクジにとっても居心地のよい場所です。夜のうちに葉と葉柄が食われ、朝に光る跡が残っていたらナメクジです。
薬に頼る前に、隠れ場所をなくすのが効きます。鉢の下、置きっぱなしの板、積んだ落ち葉の中が住みかになるので、周りを片付けて風を通します。
- 夜に見回る
- 日が落ちて一時間ほどしてから懐中電灯で見ます。葉の裏や鉢の縁にいるので手で取り除きます。
- 鉢の下を片付ける
- 鉢を持ち上げると裏に潜んでいます。台の上に乗せ、下に風が通るようにすると住みつきにくくなります。
- 落ち葉をためない
- 積んだ落ち葉や板は隠れ場所です。株の周りは片付け、敷きわらも厚くしすぎないようにします。
葉焼けと乾きは環境の問題
葉の縁が茶色く枯れ込むのは、病気ではなく日射しか乾きによるものです。虫も菌もいないのに葉が傷むときは、置き場所と水やりを疑います。
いったん焼けた葉は緑に戻りません。傷んだ葉は取り除き、新しい葉が健全に出るように環境を直します。直せば二週間ほどで見違えます。
- 日の入る時間を確かめる
- 一日観察して、直射日光が当たる時間を探します。西日が入っていればよしずでさえぎります。
- 焼けた葉は取り除く
- 茶色くなった葉は付け根から外します。残しても回復せず、株元の蒸れの元になります。
- 水やりの回数を見直す
- 夏に一日一回では足りないことがあります。朝夕の二回に増やし、敷きわらで乾きを抑えます。
手当てをしても戻らないときは
環境を直したのに回復しないときは、根茎そのものが傷んでいます。掘り上げて確かめるのは株にとって負担ですが、放っておくよりは立て直せる見込みがあります。
- 掘り上げて根茎を見る
- 涼しい時期なら掘って確かめます。固い部分が残っていれば、傷んだ部分を切って植え直します。
- 子株があれば分けて残す
- 株元から出た小さな脇の株を切り離して別に植えると、親株が駄目でも系統を残せます。
- 毎年同じ時期に枯れる
- 場所が合っていません。より暗く涼しい場所へ移すか、夏だけ屋内の涼しい部屋に入れます。
- 全体が柔らかくなった
- 回復は望めません。株を処分し、秋に新しい苗から作り直します。使っていた土は再利用せず、新しい土にします。
ワサビの収穫までのコツは作物ページに
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