季節ごとに置き場所を変える
ワサビが元気に育つのは八度から十八度のあいだです。二十五度を超えると弱り始め、三十度が続くと根茎が腐ります。季節ごとに置き場所を変えるつもりで考えると、うまく続けられます。
| 時期 | 置き場所 | 遮光の目安 |
|---|---|---|
| 3月〜5月 | 午前中だけ光の入る日陰 | 遮光は薄めでよい |
| 6月〜9月 | 一日中日の当たらない北側 | しっかり遮光し、風を通す |
| 10月〜11月 | 午前中だけ光の入る日陰 | 遮光は薄めでよい |
| 12月〜2月 | 軒下や北側のまま | 遮光は不要、霜だけ避ける |
直射日光は一年を通して避ける
ワサビは沢沿いの木陰に生える植物なので、強い光を受けると葉が焼けます。特に夏の西日は数時間で葉を茶色くします。一日中、直射日光の当たらない場所を基本にします。
とはいえ真っ暗では育ちません。明るい日陰、つまり空が見えるけれども太陽が直接当たらない場所が理想です。建物の北側がそのままこの条件になります。
- 夏に一日観察する
- 置きたい場所を朝から夕方まで一時間おきに見て、日が差す時間があるか確かめます。夏の西日を見落としがちです。
- 西日は必ずさえぎる
- 午後の日が入る場所なら、よしずかすだれを西側に立てます。これだけで葉焼けがほとんどなくなります。
- 暗すぎないかも見る
- 葉柄が細長く伸びるようなら光が足りません。少し明るい場所へずらして様子を見ます。
遮光は布と風の組み合わせで
遮光の布を張るときは、株の上に密着させず、三十センチ以上浮かせて張ります。密着させると熱がこもり、かえって温度が上がります。日をさえぎるのと風を通すのは、必ずひと組で考えます。
遮光率は五割から七割が目安です。市販の遮光ネットには数値が書かれているので、それを見て選びます。冬は外して光を当てたほうが株が締まります。
- 支柱で浮かせて張る
- 株の上三十センチ以上に支柱を立てて張ります。葉に触れる高さでは熱がこもって逆効果になります。
- 遮光率は五割から七割
- 強すぎると徒長(間のびして弱く育つこと)します。夏だけ強め、春と秋は薄めに切り替えます。
- 冬は外して光を当てる
- 十二月から二月は日射しが弱く、遮光は不要です。外すと株が締まり、春の立ち上がりがよくなります。
地温を下げる工夫を重ねる
空気の温度より、根のある土の温度が問題になります。地温を下げる工夫はどれも小さな効果ですが、重ねると真夏を越せるかどうかが変わります。敷きわらと打ち水が基本です。
鉢で育てている場合は、鉢そのものが日に当たって熱くなります。素焼きの鉢を選び、二重鉢にして間に軽石を入れると、鉢の中の温度上昇が和らぎます。
- 敷きわらを厚く敷く
- 株の周りにわらか落ち葉を五センチほど敷きます。土に直接日が当たらなくなり、地温が数度下がります。
- 朝夕に周りへ打ち水
- 夕方に周りのコンクリートや地面へ水をまきます。気化で周囲の温度が下がり、夜の涼しさが保てます。
- 鉢は二重にする
- ひと回り大きな鉢に入れ、すき間に軽石やもみ殻を詰めます。鉢の側面が直接温まらなくなります。
- 地面から離して置く
- 焼けたコンクリートの上に直置きしません。すのこや台に乗せ、下にも風が通るようにします。
冬は寒さより乾きに気をつける
ワサビは寒さに強く、関東の平野部なら屋外で冬を越します。葉は少し減りますが、根茎は生きていて、春になれば新しい葉が出てきます。防寒は基本的に不要です。
冬に困るのは、乾いた北風で土が乾くことです。水やりを忘れがちな季節なので、土の湿りを週に一度は確かめます。霜柱で株が持ち上がったら押さえ直します。
- 週に一度は土を触る
- 冬でも土が乾けば枯れます。表面が白く乾いていたら、暖かい日の午前のうちに水を与えます。夕方は凍るので避けます。
- 霜柱で浮いたら押さえる
- 株が持ち上がっていたら日中の暖かい時間に押さえ直し、敷きわらを足して土の凍結を和らげます。朝の凍った時間は触りません。
- 枯れ葉を取り除く
- 傷んだ葉は付け根から取り除きます。株元にたまったままにすると、春に暖かくなったときに腐りの入り口になります。
夏に枯れ込んだときの手当て
多くの家庭でワサビが消えるのは七月から八月です。ただし、葉が枯れても根茎が生きていれば秋に戻ります。あきらめて捨てる前に株元を確かめます。
- まず根茎を触って確かめる
- 株元の根茎が固ければ生きています。水を控えめにして涼しい場所に置き、秋の芽出しを待ちます。
- ぶよぶよなら切り分ける
- 腐った部分を切り落とし、固い部分が残っていれば新しい土に浅く植え直します。数株残れば立て直せます。
- 葉は全部落としてよい
- 傷んだ葉は付け根から取り除きます。葉がない状態で夏をやり過ごし、秋に新しい葉を出させます。
- 翌年は場所を見直す
- 同じ場所で毎年枯れるなら、その場所が暑すぎます。より暗く風の通る場所へ移すか、鉢に切り替えます。
ワサビの収穫までのコツは作物ページに
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