まく日は定植日から35日前に逆算する
スイカの苗は、種をまいてから本葉4枚から5枚の植え頃になるまでに30日から35日かかります。まく日は暦で決めず、畑に植えたい日から逆算します。関東の露地で5月上旬から中旬に植えるなら、まくのは4月上旬から中旬で、夜はまだ5℃前後まで冷える時期です。
つまり家庭でスイカを種から育てるなら、加温か夜の取り込みが前提になります。暖かくなる5月まで待ってまくと手間は減りますが、植え付けが6月にずれ、収穫が9月の気温の下がる時期にかかって甘さが乗りにくくなります。
| 地域・作型 | 種まき | 定植 | 育苗中の温度管理 |
|---|---|---|---|
| 暖地 | 3月下旬〜4月上旬 | 4月下旬〜5月上旬 | 夜の加温か取り込みが必要 |
| 中間地 | 4月上旬〜中旬 | 5月上旬〜中旬 | 夜の加温か取り込みが必要 |
| 寒冷地 | 4月下旬〜5月上旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 夜に加え、曇りの日は昼も保温 |
| 中間地の遅まき(小玉) | 5月上旬 | 6月上旬 | 加温はほぼ不要。収穫は8月下旬 |
種から育てた苗は接ぎ木をしていない自根の苗です。つる割病を避けるため、ウリ科を4年から5年作っていない場所か、新しい土のプランターに植えます。
ポットに直接まいて根を切らない
スイカはウリ科の中でも根が切られるのを特に嫌い、箱にまいてから鉢上げすると、植え替えた後しばらく生育が止まります。最初から植え付けまで過ごす9センチのポットに直接まき、根鉢を崩さずに畑へ出すのが基本です。
種は平たい形をしています。とがった側から根が出るので、向きをそろえるか、平らに寝かせて置きます。立てて深く挿すと、双葉が種の皮をかぶったまま出てくる失敗が増えます。
- 用土とポットを選ぶ
- 市販の種まき用土か、肥料分の少ない野菜用の培養土を9センチのポットに詰めます。畑の土は病原菌を持ち込みやすく、水はけも悪いので使いません。
- 2粒から3粒を寝かせて置く
- ポットの中央に指で深さ1センチのくぼみを作り、種を2粒から3粒、2センチほど離して平らに置きます。あとで1本に間引く前提の粒数です。
- 覆土1センチで押さえる
- 上から1センチほど土をかけ、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。覆土が薄いと種の皮をかぶったまま芽が出て、双葉が開けなくなります。
- たっぷり水をやって保温へ
- ポットの底から水が流れ出るまで与え、そのまま温度を保てる場所に移します。発芽するまでは表面が乾いたときだけ水を足し、与えすぎて種を腐らせないようにします。
温度管理は発芽まで28℃、発芽後は昼夜で差をつける
スイカの発芽に向く地温は25℃から30℃で、28℃前後なら4日から6日で芽がそろいます。20℃を下回ると発芽まで10日以上かかり、15℃前後では土の中で種が腐ります。4月の室温では地温が足りないので、まいたポットは加温して温めます。
芽が出たら、昼は25℃から28℃、夜は15℃から18℃に下げて昼と夜の差をつけます。苗が耐えられる夜の最低温度は12℃で、10℃を下回ると根の伸びが止まり、葉の色が抜けたり紫がかったりします。逆に夜まで暖かいままだと徒長(光に比べて温度が高く、茎だけ細長く伸びること)します。
家庭でできる加温は、育苗用のヒーターマットを敷く方法が最も確実です。マットがなければ、発泡スチロール箱にお湯を入れたペットボトルとポットを並べてふたをすれば、一晩はおよそ20℃以上を保てます。芽が出た後は、昼は南向きの明るい窓辺か屋外の日なたに置き、夕方に室内へ取り込みます。
- 発芽までの加温
- まいたポットをヒーターマットか箱に入れ、地温を28℃前後に保ちます。土に挿した温度計で朝晩確かめ、芽が半分ほど出たらすぐ加温を弱めます。
- 発芽したら温度を下げる
- 芽が出たのに地温28℃のままにしておくと、2日ほどで胚軸がひょろりと伸びます。発芽を見たらマットの設定を下げ、昼は日に当てます。
- 夜の最低12℃を守る
- 天気予報の最低気温が12℃を下回る夜は、夕方のうちにポットを室内か保温箱に入れます。窓際は夜に冷えるので、部屋の中ほどに置きます。
- 晴れた日の蒸れに注意
- ふたをした箱や簡易温室は、晴れると昼に35℃を超えます。日が差したらふたを開け、手を入れて暑いと感じたら日陰に移して葉焼けを防ぎます。
| 時期 | 昼の目安 | 夜の目安 | 家庭でのやり方 |
|---|---|---|---|
| まいてから発芽まで | 28〜30℃ | 25℃以上 | ヒーターマットか、湯入りペットボトルと箱 |
| 発芽から本葉1枚 | 25〜28℃ | 15〜18℃ | 昼は日なた、夜は室内か箱の中 |
| 本葉2〜3枚 | 23〜28℃ | 13〜15℃ | 加温は冷える夜だけに減らす |
| 定植前の1週間 | 外の気温 | 12℃以上 | 昼は外、12℃を下回る夜は取り込む |
発芽後は日に当てて1本に絞る
芽が出てからの苗作りは、光に当てる時間と水の量で決まります。スイカは強い光を好み、曇りや窓越しの弱い光だけだと茎が細く伸びます。暖かい日中はできるだけ屋外の日なたに出し、葉が触れ合うほど混んできたらポットの間隔を広げます。
- 朝に日なたへ出す
- 晴れた日は朝のうちに外の日なたへ出し、夕方の冷え込む前に取り込みます。風の強い日は双葉が折れるので、箱の中か窓辺で日に当てます。
- 水は朝、乾いてから
- ポットの土を指で触って乾いていたら、朝に底から流れるまで与えます。夕方の水やりは夜の地温を下げ、徒長の原因にもなるので避けます。
- 本葉1枚で1本に間引く
- 本葉が1枚開いたころ、双葉の形が良く茎の太い1本を残し、ほかは地際をはさみで切ります。引き抜くと残す株の根まで動いてしまいます。
- 肥料は葉色を見て
- 培養土なら植え頃までは追肥(育ちの途中で足す肥料)なしで足ります。本葉3枚のころ葉色が薄く黄ばんできたら、薄めた液体肥料を週に1回与えます。
植え頃は本葉4枚から5枚、外気に慣らしてから
植え頃の目安は、本葉4枚から5枚、まいてから30日から35日です。ポットから抜いてみて、白い根が土の周りを覆っていれば十分です。本葉が6枚を超えたり40日を過ぎたりすると、根がポットの底で巻いて老化苗になり、植えても動き出しが遅れます。
暖かい場所で育った苗をいきなり畑に出すと、風と夜の冷えで葉が傷みます。植える7日から10日前から外に出す時間を延ばし、外の環境に慣らしてから植えます。
- 外気に慣らす
- 定植の7日から10日前から、昼は外に出しっぱなしにし、夜だけ取り込みます。最後の3日は、最低気温が12℃以上の夜なら外に置いたままにします。
- 植え時の見極め
- 本葉4枚から5枚で、地温が15℃を超え、朝の冷え込みが終わったころが植え時です。苗がそろっていても、寒の戻りが予報に出ている週は植え付けを延ばします。
- 植え付け前日の水
- 植える前日の夕方にポットへたっぷり水をやっておくと、当日に根鉢が崩れずにするりと抜けます。乾いた根鉢のまま植えると活着が遅れます。
| 苗の姿 | 判断 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 本葉4〜5枚、茎が太く節が詰まる | 植え頃 | 外気に慣らして植える |
| 本葉3枚で畑の準備が整った | やや若い | 地温が十分なら植えてよい |
| 本葉6枚以上、根が底で巻く | 老化苗 | 根鉢を崩さず早めに植える |
育苗でつまずいたときの原因と手当て
スイカの育苗の失敗は、ほとんどが温度の上げすぎか下げすぎです。苗の姿を見て、どちらに振れたのかを先に判断してから手を打ちます。まき直しが間に合うのは、中間地なら4月下旬までが目安です。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 1週間たっても芽が出ない | 地温が20℃に届いていない | 加温して28℃前後に上げ、さらに5日待つ |
| 掘ると種が白く腐っている | 低温のまま水が多すぎた | 新しい土にまき直し、発芽まで水を控える |
| 胚軸がひょろ長く倒れる | 発芽後も高温で光が不足 | 日なたに出し、夜の温度を15℃前後に下げる |
| 葉が紫がかり育たない | 夜に10℃を下回った | 夜は室内か保温箱に入れ、日中は日に当てる |
| 双葉が種の皮をかぶったまま | 覆土が薄く乾いていた | 皮を湿らせ、ピンセットでそっと外す |
徒長した苗は節の間が伸びた分が戻りません。植えるときに接ぎ木部のない自根苗なので、双葉の下まで深めに植えて株元を安定させます。
種まきの手順
スイカは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
スイカの種まきでよくある質問
スイカの種はいつまく?
暖地: 3月下旬〜4月上旬。中間地: 4月上旬〜中旬。寒冷地: 4月下旬〜5月上旬。中間地の遅まき(小玉): 5月上旬。
スイカの種はどうやってまく?
家庭でできる加温は、育苗用のヒーターマットを敷く方法が最も確実です。
スイカの種は何cmの深さにまく?
ポットの中央に指で深さ1センチのくぼみを作り、種を2粒から3粒、2センチほど離して平らに置きます。
スイカの種まき後の水やりは?
発芽するまでは表面が乾いたときだけ水を足し、与えすぎて種を腐らせないようにします。
スイカは何日で発芽する?
スイカの発芽に向く地温は25℃から30℃で、28℃前後なら4日から6日で芽がそろいます。
スイカの間引きはいつする?
あとで1本に間引く前提の粒数です。
スイカの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
スイカの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスイカの育て方にまとめています。
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