症状から原因を見分ける
小麦の不調は、葉に出るものと穂に出るもので対処が変わります。葉に出る病気は四月から五月にかけて、穂に出る病気は開花期の雨がきっかけです。まず症状がどこに出ているかを確かめて、原因を絞ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉に白い粉 | うどんこ病 | 込んだ株を抜いて風を通す |
| 葉にさび色の粉 | さび病 | 傷んだ葉を取る。窒素を控える |
| 穂が桃色〜赤くなる | 赤かび病 | その穂は食べない。抜いて処分 |
| 穂や葉先に黒い虫の群れ | アブラムシ | 水で流す。野菜用の殺虫剤 |
| 株が根元から倒れる | 倒伏。肥料過多・麦踏み不足 | 束ねて起こす |
赤かび病は開花期の雨で決まる
赤かび病は四月下旬の開花期に雨が続くと穂に入り、実が桃色から赤褐色に変わります。かびが作る毒が粒に残るため、家庭菜園でも罹った穂は食べずに処分します。防ぐ手段は、開花期に雨が当たりにくい高畝と風通し、そして前年の麦わらを畑に残さないことです。
- 開花期の天気を見る
- 穂が出て一週間ほどの時期に雨が三日以上続いたら、その後二週間は穂を毎日のように見ます。桃色の粒が出たら早めに抜きます。
- 罹った穂は畑に残さない
- 赤く変色した穂は根元から抜いて袋に入れて捨てます。刈った麦わらも畑にすき込まず、堆肥にもしません。翌年の伝染源になります。
- 収穫後に選別する
- 脱穀した粒のうち、しわが寄って白っぽい軽い粒は病気の粒です。水に浮くものと一緒に取り除いてから食べます。
赤かび病の穂は見た目が少しでも怪しければ食べないでください。家庭用の量なら捨てる判断を優先します。
うどんこ病とさび病
うどんこ病は三月下旬から四月、株が込んで風が通らないと葉に白い粉が広がります。さび病は五月の暖かい雨のあとに葉にさび色の粉が出ます。どちらも窒素肥料が多い株ほど出やすく、株を薄く保つことが一番の予防です。
特に二月の追肥(育ちの途中で足す肥料)を多く入れた年は、三月の葉が濃く柔らかくなって病気が広がりやすくなります。葉の色が黒っぽいほど濃いなら、その年の追肥は打ち切ります。
- 込んだ条を間引く
- 白い粉が出た部分の周りで、茎が密集している株を数本抜いて風の通り道を作ります。抜いた株は畑の外へ出します。
- 下の葉を落とす
- 地面に近い古い葉に粉が付いていたら、手でむしり取ります。穂に近い上の葉が守れれば収量にはほとんど響きません。
- 追肥を止める
- 病気が出た年は三月以降の追肥をやめます。葉が柔らかく茂るほど病気が広がるためです。
アブラムシと鳥
四月から五月、穂や葉の先に黒や緑のアブラムシが群がることがあります。数が少なければ水で流すだけで済み、増えたときは野菜用の殺虫剤を収穫までの日数を守って使います。六月に穂が熟すとスズメが群れで来るので、面積が小さいなら防鳥網をかぶせます。
| 時期 | 困りごと | 対策 |
|---|---|---|
| 11月 | まいた種を鳥が拾う | 不織布のべた掛け |
| 4〜5月 | 穂にアブラムシ | 水で流す。増えたら殺虫剤 |
| 6月 | 熟した穂をスズメが食べる | 防鳥網。早めに刈る |
アブラムシは穂に付いてもすぐには収量に響きません。てんとう虫がいるなら任せて、葉が縮れたり黒いすす状の汚れが出たときだけ手を出します。
病気ではない不調の見分け
葉が黄色くなる、穂が小さいといった不調は、病気ではなく土や天候が原因のことが多いです。冬に葉先が枯れるのは霜の当たりで、春に新しい葉が出れば問題ありません。三月に株全体が黄ばんで細いなら肥料切れか水はけ不良で、穂が出ているのに粒が入らないのは開花期の低温や強い雨で受粉できなかった障害です。
| 見た目 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 冬に葉先が枯れる | 霜の当たり | そのまま。春に回復する |
| 3月に株全体が黄色く細い | 肥料切れ・水はけ不良 | 追肥と排水の確認 |
| 穂はあるのに粒が入らない | 開花期の低温・雨 | 来季はまき時を少し早める |
判断に迷ったら、同じ症状が畑全体に均一に出ているかを見ます。全体なら天候や土の原因、一部の株だけなら病気や虫を疑います。
翌年に持ち越さないための片付け
小麦の病気の多くは麦わらと落ちた粒で畑に残ります。収穫後は根を掘り上げ、わらは畑の外で乾かしてから処分し、こぼれた粒から出た芽も抜いておきます。同じ場所で毎年小麦を作ると赤かび病が増えるので、二年に一度は場所を変えるか、夏にサツマイモや枝豆を挟みます。
- 根ごと片付ける
- 刈り株はスコップで根から掘り上げ、土を落として乾かします。病気が出た年のわらは堆肥にせず、燃えるごみとして出します。
- こぼれ麦を抜く
- 夏に畑に出た小麦の芽は病気と虫の避難場所になります。見つけたら小さいうちに抜きます。
- 場所を替える
- 翌年は同じ畝を避けて、できれば畑の反対側にまきます。狭い畑なら夏の間に別の作物を一度作って土を休ませます。
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