半年の流れをつかむ
冬瓜は四月下旬の種まきから始まり、九月から十月の収穫で畑での作業が終わります。名前のとおり、穫ったあとは冬まで置いておけるので、実際に食べる期間はさらに長くなります。
受粉から収穫までは三十五日から四十五日です。受粉した日を札に書いて結んでおくと、収穫の時期を日数で判断できるようになります。
| 時期 | 株の様子 | やること |
|---|---|---|
| 4月下旬〜5月 | 育苗、植え付け | 保温して発芽させる |
| 6月 | つるが伸び始める | 摘心、子づるの整理 |
| 7月 | 花が咲き実が着く | 人工受粉、追肥開始 |
| 8月〜9月 | 実が太る | 水やり、敷き物、葉の整理 |
| 9月〜10月 | 実が熟す | 収穫と保存 |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地を目安にした一覧です。冬瓜は六月と七月に手をかける作業が集まっていて、そこを乗り切れば、あとは水やりと見回りが中心になります。
受粉した日と収穫した日を残しておくと、翌年の判断がぐっと楽になります。同じ畑でも年によって二週間はずれるので、記録が何よりの目安になります。
| 月 | 作業 | 要点 |
|---|---|---|
| 4月 | 種まき、畑の準備 | 25度前後で発芽させる |
| 5月 | 植え付け、風よけ | 遅霜が過ぎてから |
| 6月 | 摘心、子づるを3本に、わら敷き | つるを重ねない |
| 7月 | 人工受粉、追肥開始 | 朝8時までに受粉 |
| 8月 | 水やり、敷き物、葉の整理 | 乾かすと実が止まる |
| 9月 | 収穫はじめ | 受粉から35〜45日 |
| 10月 | 収穫の終わり、片付け | 霜が降りる前に穫り切る |
六月と七月に作業が集まる
六月はつるの仕立ての月です。摘心して子づるを三本に絞り、方向をそろえて這わせ、わらを敷きます。ここを済ませておくと、七月以降の管理がずいぶん楽になります。
七月は受粉と追肥(育ちの途中で足す肥料)の月です。朝の受粉は毎日の作業になりますが、必要なのは二週間ほどです。実が着いたら追肥を始めます。
- 六月上旬に摘心
- 本葉が五枚から六枚になったら親づるの先を摘みます。切り口から病気が入らないよう、晴れた日の午前に行います。
- 六月中旬につるを整理
- 子づるを太い三本に絞り、扇形に広げて這わせます。先にわらを敷いてから、針金や小石で留めていきます。
- 七月は朝に受粉
- その日咲いた雄花を摘み、花びらを取って雌花の中心にこすりつけます。日付を書いた札を結んでおきます。
- 実が着いたら追肥
- 最初の実が卵ほどになったのを確かめてから、つるの先が伸びているあたりへ化成肥料をひと握り施します。
六月の作業を飛ばすと、つるが四方に伸びて手が付けられなくなります。伸びる前に方向を決めておくのが、あとあと効いてきます。
八月は水やりと見回りに絞る
八月は実が最も太る時期です。やることは水やりと、敷き物と葉の整理、それに病気の見回りだけになります。つるをいじる作業はもうありません。
この時期に水を切らすと、実の太りがそこで止まります。朝にたっぷり与え、敷きわらで乾きを抑えます。長雨の年は逆に、実の接地面を確かめて向きを変えます。
- 朝の水やりを欠かさない
- 土を触って乾いていたら、朝のうちに広い範囲へたっぷり与えます。昼の水やりは避けます。
- 週に一度は実を見る
- 接地面と表面の色を確かめます。傷みが出ていたら向きを変え、敷き物を乾いたものに替えます。
- 白くなった葉を取る
- うどんこ病の葉は見つけしだい取り除きます。放っておくと一気に広がって葉が枯れます。
- 敷きわらを足す
- わらが薄くなっていたら足します。土の乾きが抑えられ、実の接地面も守られて一石二鳥になります。
地域で変わる時期の目安
冬瓜は暑さを好む作物なので、暖地ほど作りやすく、寒冷地では育つ期間が足りなくなりがちです。植え付けを早めるには保温が要ります。
| 地域 | 種まき | 植え付け | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 5月上旬(保温) | 6月上旬 | 9月中旬〜10月上旬 |
| 関東平野部 | 4月下旬〜5月上旬 | 5月中旬〜6月上旬 | 9月〜10月 |
| 暖地 | 4月中旬 | 5月上旬 | 8月下旬〜10月 |
寒冷地では育つ期間が足りなくなりがちです。着ける実を二個か三個に絞ると、霜が来る前に熟させられます。
予定がずれたときの立て直し
種まきが遅れた、梅雨で受粉できなかった、つるが伸びすぎた。冬瓜は生育が早いので、ある程度の遅れは取り返せます。ただし秋の霜だけは待ってくれません。
- 植え付けが六月中旬になった
- そのまま植えて構いません。着ける実を三個までに絞り込めば、十月までにきちんと穫り切れます。
- 梅雨で受粉できない
- 晴れ間の朝を狙って受粉します。二週間ほど遅れても、九月から十月の収穫に間に合います。
- つるが伸びて絡まった
- 無理にほどかず、重なった葉と孫づるを切って風を通します。つるを動かすと付け根が裂けます。
- 十月になっても実が若い
- 霜に当たると傷みます。未熟でも穫って早めに食べ切ります。保存には向かないので使い切ります。
冬瓜の栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
冬瓜の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は冬瓜の育て方にまとめています。
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