芋が太る時期を知る
山芋は春から夏にかけてつると葉を伸ばし、八月以降にその養分を地下へ送って芋を太らせます。つまり夏に葉を元気に保てたかどうかが収穫を決めるので、手をかける時期がはっきりしています。
| 時期 | 株の中で起きること | 手のかけ方 |
|---|---|---|
| 4月〜5月 | 芽が出てつるが伸び始める | 水も肥料もほとんど不要 |
| 6月〜7月 | 葉が茂り棚を覆う | 草を取る。乾いたら水をやる |
| 8月〜9月 | 芋が急に太る | 水切れを絶対に避ける。追肥はこの時期まで |
| 10月〜11月 | つるが枯れ上がる | 水も肥料も止めて掘る準備をする |
夏の水切れが最大の敵
山芋は乾燥に強い作物と思われがちですが、芋が太る八月に水が切れると、その時点で太りが止まって小ぶりのまま終わります。畑では雨が十日降らなければ水やりが要ると考えてください。
水をやるときは表面を濡らす程度では届きません。株元を中心に、土が三十センチの深さまで湿るようにたっぷり与えます。夕方に与えると翌朝まで水が残り、根が吸える時間が長くなります。
- 十日雨がなければ与える
- 梅雨明け以降、十日以上まとまった雨がなければ水やりします。曇りの日の夕方が最も無駄が少なくなります。
- 株元に敷き草をする
- 刈った草やもみ殻を株元に厚く敷きます。地温が下がり、水の蒸発も抑えられて水やりの回数が減ります。
- 葉のしおれで確かめる
- 昼にしおれても夕方に戻るなら心配は要りません。翌朝もしおれたままなら、すぐたっぷり与えます。
水はけの悪い畑では逆に水のやりすぎが腐りを招きます。畝の間に水たまりが残る畑なら、水やりより先に排水の溝を切ってください。
追肥は二回で足りる
山芋の追肥(育ちの途中で足す肥料)は、つるが伸び始める六月と、芋が太り始める八月の二回です。それ以降に足しても葉が茂るだけで、芋には回りません。
肥料は株元ではなく、畝の肩から通路寄りに置きます。山芋の根は横に広く張るので、離した位置でも十分に届きます。株元に置くと芋そのものに当たって傷みの原因になります。
- 六月に一回目
- つるが一メートルほどに伸びたころ、株から二十センチ離した位置に化成肥料を一握りまいて土と混ぜます。
- 八月に二回目
- 芋が太り始める時期です。同じように離した位置に与え、そのあと土を薄くかけて肥料を隠します。
- 九月以降は与えない
- 秋の追肥はつるを伸ばすだけで芋にはなりません。九月からは水の管理だけに切り替えます。
草は六月までに片づける
山芋は初期の育ちがゆっくりで、六月までは草に負けます。逆に葉が棚を覆ってからは足元が日陰になり、草はほとんど生えなくなるので、勝負は植え付けから二か月です。
草を抜くときは、地表近くを横に走る山芋の根を切らないよう注意します。深く手を入れず、地際で切るか、浅く削るだけにとどめるのが安全です。
六月までに草を抑えられれば、あとは秋まで草取りの必要はほとんどありません。二か月だけ集中すればよい作物だと考えると気が楽になります。
- 浅く削って取る
- くわを寝かせて地表を薄く削ります。深く入れると横に張った根を切り、芋の太りが落ちます。
- 六月に敷き草へ切り替え
- 取った草はそのまま株元に敷きます。以後の草が生えにくくなるうえ、夏の土の乾きも抑えられて一石二鳥になります。
プランターでも作れる
深さ四十センチ以上の大きな容器があれば、ヤマトイモのような短い系統は育てられます。土の量が限られるため芋は小ぶりになりますが、掘る手間がなく、収穫は容器をひっくり返すだけで済みます。
夏は毎日の水やりが必要になります。プランターは土が少ない分、一日忘れただけで葉がしおれ、それがそのまま芋の大きさに出ます。
- 深い容器を選ぶ
- 深さ四十センチ以上、直径三十センチ以上の容器に野菜用の培養土を入れ、一株だけ植えます。
- 行灯型の支柱を立てる
- 三本の支柱を立てて上を結び、輪になるようひもを渡します。伸び始めたつるを巻き付ければ、あとは自分で登っていきます。
- 夏は毎朝水をやる
- 七月から九月は朝に必ず与えます。日中にしおれるようなら夕方にもう一度足し、受け皿に水を残さないようにします。
水と肥料でつまずいたときの切り分け
山芋は地下の様子が見えないため、地上の変化から判断します。葉の色と伸び方で、水と肥料のどちらが足りていないかは切り分けられます。
- 葉が濃い緑でつるだけ伸びる
- 肥料が多すぎます。以後の追加をやめれば、八月から養分が芋のほうへ回り始めるので、そのまま様子を見て構いません。
- 葉が黄緑で小さい
- 肥料切れです。八月までなら追肥が効きます。九月以降なら来年の課題として記録しておきます。
- 朝もしおれている
- 水切れです。その日のうちに深くまで湿るよう与え、株元に敷き草をして繰り返さないようにします。
- 下葉から順に枯れる
- 水のやりすぎで根が傷んでいる可能性があります。畝の間に溝を切り、しばらく水やりを止めます。
山芋の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
山芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は山芋の育て方にまとめています。
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