掘る時期は枯れ方で決める
山芋はつるが完全に枯れて茶色くなったころが掘りどきです。関東なら十一月以降で、霜が二三回降りたあとが目安になります。青いうちに掘ると太りきっておらず、粘りも弱くなります。
| 状態 | 掘ってよいか | 対応 |
|---|---|---|
| 葉が緑でつるも青い | まだ早い | そのまま置く。十月までは太り続ける |
| 葉が黄色く落ち始めた | もうすぐ | 水と肥料を止めて二週間待つ |
| つるが完全に茶色 | 掘りどき | 晴れが続いた日を選んで掘る |
| 冬の間ずっと置いた | 問題なし | 凍らない地域なら春まで畑で保存できる |
折らずに掘る手順
山芋の掘り取りでいちばん多い失敗は、途中でスコップを当てて折ってしまうことです。折れた芋は日持ちしないので、その日のうちに食べることになります。芋の真上を掘らないのが基本です。
つるの跡から二十センチほど離した場所を、まず縦に深く掘り下げて穴を作ります。そこから横に土を崩していけば、芋の側面が見えてくるので、あとは手で土をどけて引き抜けます。
- つるを地際で切る
- 支柱を外し、つるを地際で切って片づけます。足元を広く空けてから掘り始めると作業が早くなります。
- 二十センチ離して縦に掘る
- 芋の真上ではなく、横に二十センチ離した位置を深く掘り下げます。ここが作業用の穴になります。
- 横から土を崩す
- 掘った穴の壁を手やスコップで崩し、芋の側面を出します。芋が見えたら道具は置いて手で掘ります。
- 根元を持って引く
- 先端まで土をどけたら、上のほうを持ってまっすぐ引き上げます。斜めに引くと途中で折れます。
波板やパイプを使って植えた場合は、板の上端を探して持ち上げるだけで芋が現れます。掘る時間は三分の一以下で済みます。
掘ったあとの扱い
掘り上げた芋は洗わず、土が付いたまま扱います。水で洗うとそこから傷みが始まるので、食べる直前に洗うのが原則です。日に当てると表面が青くなり味も落ちるため、すぐ日陰へ移します。
折れた芋や傷の付いた芋は保存が利きません。よけておいて先に食べ、無傷のものだけを保存に回すと、最後まで無駄なく使えます。
掘り上げた日にすべてを片づけようとすると、傷を見落とします。日陰に半日並べておくと、表面が乾いて傷やしみが分かりやすくなります。
- 洗わずに日陰へ
- 土を軽く払うだけにして、風の通る日陰に並べます。半日ほど置いて表面の湿りを飛ばしてから片づけます。
- 傷ものを選り分ける
- 折れた芋、スコップを当てた芋は別にして先に食べます。保存に混ぜると周りまで傷みます。
保存は土か新聞紙で
山芋は乾燥と低温に弱く、冷蔵庫にそのまま入れると水分が抜けて縮みます。土の中がいちばん良い保存場所なので、必要な分だけ掘って残りは畑に置いておくのが最も確実な方法です。
掘り上げた分は、新聞紙で包んで段ボールに入れ、五度から十度の暗い場所に置きます。玄関や北側の物置が向いています。切って使った残りは切り口をラップで覆い、冷蔵庫の野菜室に入れます。
| 場面 | 保存の仕方 | もつ期間 |
|---|---|---|
| 畑に置いておく | 掘らずにそのまま。目印を立てる | 翌春3月まで。凍る地域は不可 |
| 家で丸ごと | 新聞紙に包んで暗く涼しい場所 | 1〜2か月 |
| 切ったあと | 切り口を覆って野菜室 | 1週間ほど |
| すりおろした | 小分けにして冷凍する | 1か月。解凍後は加熱向き |
翌年の種芋を残す
収穫した芋のうち、形のよい中くらいのものを何本か種芋用に取っておけば、毎年買わずに済みます。頭に近い部分は芽が出やすく、種芋として最も確実です。
保存中に凍らせると芽が出なくなります。冬の間は室内の暖房の当たらない場所で、新聞紙に包んで箱に入れておき、四月に切り分けて使います。
- 頭側を種にする
- 芽の出る頭側を十センチほど残して種芋にします。残りは食用に回せるので無駄がありません。
- 凍らせずに越冬させる
- 新聞紙に包み、五度から十度を保てる場所に置きます。屋外の物置は凍る夜があるので注意します。
- 四月に切り分ける
- 植える三日から一週間前に七十グラムほどに切り分け、切り口に灰を付けて日陰で乾かしてから畑に持ち出します。
収穫でつまずいたときの切り分け
掘ってみたら思ったような芋でなかったときは、原因が育て方のどこにあったかをたどると、翌年の手当てがはっきり決まります。症状ごとに見直す場所が違います。
- 芋が小さい
- 種芋が小さかったか、夏に水が切れています。翌年は七十グラムの種芋を使い、八月の水やりを欠かしません。
- 芋が曲がっている
- 土の中の石やかたい層が原因です。翌年は深く耕して障害物を取り除くか、波板で伸びる道を作ってから植えます。
- 掘る途中で折れた
- 芋の真上を掘っています。横に二十センチ離した穴を先に作り、そこから土を崩す手順に変えれば折れは減ります。
- 表面が茶色くにじむ
- 腐りが始まっています。その芋は食べずに処分し、翌年は高畝にして畝の間に溝を切り、水はけを直します。
山芋の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
山芋の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は山芋の育て方にまとめています。
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