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山芋の種芋と植え付け

山芋の種芋と植え付け|切り芋とむかごから始める

山芋の栽培イメージ

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山芋は四月に種芋を植えます。ナガイモとジネンジョでは掘る手間がまるで違うので、最初の選び方が肝心です。

系統によって作りやすさが違う

山芋と呼ばれる仲間には、まっすぐ長く伸びるナガイモ、太く短いイチョウイモやヤマトイモ、そして野生に近いジネンジョがあります。家庭菜園でどれを選ぶかで、掘るときの深さと手間が大きく変わります。

初めてなら、粘りが強くて短く育つイチョウイモかヤマトイモが向いています。ジネンジョは味も香りも別格ですが、一メートル以上まっすぐ掘り下げる必要があり、体力と場所を選びます。

ヤマイモの種いもを畝へ植え付ける様子
ヤマイモは根が伸びる深さを確保して植え付けます。
系統形と味掘る深さの目安
ナガイモ細長く水分が多い。すりおろしがさらり60〜100センチ。畑向き
イチョウイモ扇形で粘りが強い。家庭菜園に向く40〜60センチ。掘りやすい
ヤマトイモこぶし形で粘りが最も強い30〜50センチ。最も掘りやすい
ジネンジョ細く長く、香りが強い100センチ以上。波板やパイプが要る

種芋は切って乾かしてから植える

山芋は芋を切り分けたものを種芋にします。市販の種芋は五十グラムから百グラムに切られていますが、自分で切るときは一片が七十グラムほどになるよう分けます。小さすぎると育ちが遅く、収穫の芋も小さくなります。

切り口をそのまま土に入れると腐ります。切ったあとは草木灰か石灰を切り口に付け、風通しのよい日陰で三日から一週間乾かして、切り口が白くかさぶたのようになってから植えます。

頭と尾を分けて切る
芽の出る頭側は育ちが早く、尾側は遅れます。植える場所をまとめておくと、育ちのそろわない列ができません。
切り口に灰を付ける
切ったらすぐ草木灰や石灰の粉をまぶします。腐りを防ぐ処置で、これを飛ばすと畑で溶ける芋が出ます。
日陰で三日乾かす
新聞紙の上に並べ、風の通る日陰に置きます。切り口が乾いて色が変わったら植えられます。
むかごを使う手もある
秋に採ったむかごを翌春にまくと、一年目に小さな芋、二年目に食べられる芋になります。時間はかかりますが種芋代が要りません。

市販の種芋は切り口が処理済みのものが多く、そのまま植えられます。袋の表示を見て、処理済みなら乾かす手間は不要です。

植えるのは四月、深さ十センチ

植え付けは桜が散るころ、地温が十五度を超える四月中旬から五月上旬が目安です。早く植えても地温が低いと動かず、逆に腐る危険が増えます。遅れると秋までに芋が太りきりません。

深さは十センチ前後、株間は三十センチ、条間は七十センチが標準です。芽の向きは横向きか上向きにし、芋を寝かせて置きます。深く植えるほど掘り出しが大変になるので、必要以上に深くしません。

深く耕しておく
植える前に深さ五十センチまで耕し、石やかたい層を取り除きます。ここで手を抜くと芋が曲がって商品にならない形になります。
溝を切って寝かせる
深さ十センチの溝を切り、種芋を三十センチ間隔で横に寝かせて並べます。切り口を下にしないほうが腐りにくくなります。
土をかけて印を立てる
十センチほど土をかけます。芽が出るまで一か月近くかかるので、位置に支柱を挿して目印にしておきます。

掘る手間を減らす植え方

ナガイモやジネンジョは深く潜るので、収穫が一日仕事になります。これを避けるために、斜めに置いた波板やパイプの上に種芋を植え、芋を横に伸ばす方法が広く使われています。

波板を使うと、掘るのは三十センチほどで済み、まっすぐきれいな芋が穫れます。用意する手間はかかりますが、一度作れば毎年同じ場所で使い回せるのが利点です。

斜めに波板を埋める
深さ三十センチの溝を掘り、波板を十度から二十度の傾きで底に敷きます。板の高いほうの端に種芋を置きます。
芋を板の上に乗せる
板の上端から五センチほど内側に種芋を寝かせます。芋は板に沿って下へ伸びていきます。
パイプでも代用できる
縦に割った塩化ビニルの管に土を詰めて埋める方法もあります。掘るときは管ごと引き上げられます。

土づくりは深さがすべて

山芋は根ではなく地下の茎が太ったものなので、土がかたいとそこで曲がったり分かれたりします。石や粘土の層があると、その形のまま芋が変形します。深く耕して障害物を取ることが、形のよい芋への近道です。

肥料は元肥(植える前に入れる肥料)を溝の底より下に入れ、種芋に直接触れないようにします。芋が肥料に当たると、そこで傷んだり枝分かれしたりします。

五十センチ掘り返す
スコップで一段ずつ掘り上げ、石と根を取り除いて戻します。手間はかかりますが形の良し悪しを決める作業です。
肥料は下に入れる
堆肥と化成肥料を溝の底に入れ、その上に五センチ土をかぶせてから種芋を置きます。直接触れさせません。
高い畝を立てる
水はけの悪い畑では二十センチの高畝にします。芋が水に浸かると腐りが一気に広がります。

山芋は連作を比較的よく我慢しますが、二三年続けると芋の太りが落ちます。四年に一度は場所を替えるのが安全です。

植え付けでつまずいたときは

山芋は芽が出るまでが長く、五月に入っても地上に何も見えないと不安になります。掘って種芋の状態を確かめれば、待つべきか植え直すべきかが判断できます。

芽が出ない
植えてから一か月は動きません。そっと掘って芋が固ければ健全なので、埋め戻して待ちます。
種芋が黒く崩れた
切り口の乾かし不足か水はけ不足です。畝を高くし、乾かした種芋を植え直せば七月上旬までは間に合います。
芽が一本も見えない列
深く植えすぎている場合があります。十センチを超えて埋めていたら、上の土を少しどけて地温を上げます。
芽が複数出た
一つの種芋から二三本出たら、太い一本を残して他を地際で切ります。残すほど芋が分かれて小さくなります。

山芋の植え付けに使うもの

植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
    規格の目安
    幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
    数量の目安
    畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。

    地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。

  • マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
    規格の目安
    長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
    数量の目安
    畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。

    マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。

  • 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
    規格の目安
    目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
    数量の目安
    ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。

    1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。

    出典: 農研機構「0.6mm 目合いネットによるアブラナ科野菜害虫の侵入阻止効果」

  • 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
    規格の目安
    幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。

    根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
  • 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。

山芋の収穫までのコツは作物ページに

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