症状から原因をたどる
山芋の不調は地上に出るまで時間がかかります。葉やつるの症状を見て、地下で何が起きているかを推し量るのが基本の見方になります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が急にしおれて戻らない | 地下の芋が腐っている | 掘って確かめる。腐った株は畑から出す |
| 葉に黒い斑点が広がる | 炭そ病などの病気 | 傷んだ葉を取り、風通しをよくする |
| 葉が食われて穴だらけ | ヤマイモコガなどの幼虫 | 見つけて取る。数が多ければ薬を検討 |
| 掘った芋が曲がる、分かれる | 土の中の石やかたい層 | 翌年は深く耕して障害物を取り除く |
地下の腐りを防ぐ
山芋で最も痛い失敗は、収穫直前に芋が腐っていることです。原因のほとんどは水はけの悪さと、種芋の切り口の処理不足で、どちらも植え付けのときにしか対策できません。
梅雨や秋の長雨のあとに畝の間へ水が残る畑は要注意です。掘り上げてみると芋の表面が茶色くにじみ、触ると崩れます。こうなった株は元に戻せないので、翌年の作り方を変えるしかありません。
- 高畝と排水の溝
- 植え付け前に二十センチの高畝を立て、畝の間に水を抜く溝を切ります。これだけで腐りは大きく減ります。
- 切り口を必ず乾かす
- 種芋は切り口に灰を付けて三日以上乾かします。生のまま植えると土の中の菌が入り込みます。
- しおれた株は掘る
- 急にしおれた株は放置せず掘り上げます。腐った芋を土に残すと、周りの株へ菌が広がって被害が増えます。
腐った芋を出した場所には、翌年は山芋を植えないでください。土に菌が残り、同じことを繰り返します。
葉を食べる虫への対処
夏になるとヤマイモコガの幼虫が葉を巻いて食べ、ハムシの仲間が葉に穴をあけます。山芋は葉が多いので、多少食われても収穫にはほとんど響きません。慌てて薬に頼る必要はありません。
ただし八月に葉の半分以上を失うと、芋の太りが目に見えて落ちます。この時期だけは被害の広がりを見て、必要なら野菜用の殺虫剤を一度使う判断もあります。
- 巻いた葉を開いて取る
- 糸で巻かれた葉の中に幼虫がいます。葉ごと切り取って畑の外に出せば、その場で処理できます。
- 被害の割合で決める
- 葉の三割までは放っておきます。半分を超え、まだ広がっているなら薬の使用を検討します。
- 使うなら日数を守る
- 野菜用の殺虫剤は、収穫までの日数の表示を必ず確かめて使います。山芋は収穫が遅いので余裕はあります。
形がゆがむのは土の問題
掘ってみたら芋が二股に分かれていた、途中で直角に曲がっていた、という結果は、病気ではなく土の中の障害物が原因です。石、かたい粘土の層、未熟な堆肥のかたまりなどに当たると、そこで進路を変えます。
味は変わらないので食べるぶんには問題ありませんが、皮をむく手間が増えます。翌年の対策は、深く耕して障害物を取ることと、波板を使って芋の伸びる道をあらかじめ作ることです。
- 掘るときに原因を探す
- 曲がった位置の土を手で探ると、石や固い層が見つかります。原因が分かれば翌年の対策が決まります。
- 未熟な堆肥を避ける
- 発酵の足りない堆肥は塊のまま残り、そこで芋が曲がります。完熟したものを使い、植える一か月前に入れます。
- 翌年は波板を使う
- 石の多い畑では、波板やパイプで道を作るのがいちばん確実です。掘る手間も同時に減ります。
つるが登らない、伸びない
つるが途中で止まる、細いまま伸びないという症状は、種芋が小さすぎたか、地温が上がる前に植えて傷んだ場合に多く見られます。夏を越しても回復しないので、その年は小さな芋で終わります。
翌年に向けては、七十グラム以上の種芋を使い、地温が十五度を超えてから植えることが対策になります。この二点を守るだけで立ち上がりがそろいます。
立ち上がりの悪かった株は、掘っても小さな芋しか付いていません。その芋は捨てずに、翌年の種芋として使えば無駄になりません。
- 種芋の大きさを見直す
- 五十グラムを切る種芋は立ち上がりが遅れます。翌年は七十グラムを目安に切り分け、そろった大きさで植えます。
- 植え付けを遅らせる
- 四月上旬の寒い年に植えると傷みます。桜が散ってからを目安にすると失敗が減ります。
病害虫でつまずいたときの切り分け
山芋の異変は、地上だけを見ていると判断を誤ります。葉だけの症状か、株全体の症状かで原因の場所が分かれるので、まずそこを見分けてから手当てを決めてください。
- 葉だけの症状
- 斑点や食われた穴は葉の問題です。傷んだ葉を取り除き、風通しを確保すれば広がりは止まります。
- 株全体がしおれる
- 地下の問題です。株元を掘り、芋が柔らかくなっていればその株はあきらめて畑から出します。
- 隣の株にも広がる
- 土の中の病気の可能性が高いです。周りの株の株元にも水がたまらないよう溝を切り、翌年は場所を替えます。
- 毎年同じ症状が出る
- 畑そのものに原因があります。四年は山芋を作らず、水はけを直してから戻すのが確実です。
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