青ゆずと黄ゆずは同じ実
青ゆずは黄色く色づく前の未熟な実、黄ゆずは完熟した実で、別の品種ではありません。同じ木から時期をずらして2度採れるのがゆずの使いでのよさです。
青いうちは酸味と皮の香りが鋭く、果汁は少なめです。熟すと果汁が増えて香りが甘くなります。どちらを採るかは用途から逆算して決めます。
| 区分 | 収穫時期 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 青ゆず | 8月下旬〜10月 | 皮をすりおろす薬味、青こしょう |
| 色づき始め | 10月下旬〜11月上旬 | 果汁と皮の両方を使う搾り物 |
| 黄ゆず | 11月〜12月 | ぽん酢、ゆず茶、砂糖漬け、ゆず湯 |
青ゆずは摘果と兼ねられます。落とす予定の実を使えば、木の負担を減らしながら香りの強い皮が手に入ります。
青ゆずを採る
青ゆずの旬は8月です。皮の香りの成分がこの時期に最も濃く、緑色も鮮やかです。ただし採りすぎると木に実が残らなくなるので、摘果の計画と合わせて数を決めます。
- 直径3センチを超えてから
- 小さすぎる実は皮が薄く香りも弱いです。ピンポン玉ほどの大きさになってから、形の悪い実を優先して採ります。
- 上向きの実から採る
- 枝の上に乗った実は日焼けして肌が荒れます。どのみち黄ゆずとしての見栄えが劣るので、青いうちに使い切ります。
- 採ったその日に使う
- 青ゆずは日持ちしません。皮をすりおろして冷凍するか、刻んで塩と合わせるなど、当日中に加工へ回します。
- 採りすぎない
- 9月上旬までに、その木に残す予定の数を割り込まないよう確認します。青で採りすぎると黄ゆずが残りません。
青ゆずの皮は冷凍が向きます。すりおろして小分けにしておけば、香りを落とさず1年近く使えます。
黄ゆずを採る
果皮が黄色くなったものから順に採ります。全体が均一に色づくのを待つ必要はなく、色づいた実から採るほうが木の消耗を抑えられます。
- 11月から採り始める
- 暖地は10月下旬から、寒冷地は11月中旬からが目安です。木に置くほど香りは乗りますが、寒害と鳥害の危険も増します。
- 霜が降りる前に採り切る
- 強い霜に当たった実は果皮が傷んで日持ちしません。12月中には残さず採り終えるのが安全です。
- 色づきを待ちすぎない
- 完熟しすぎた実は果皮がぶよつき、香りも抜けます。全体の8割が黄色くなったころが採り時です。
- 全部採り終える
- 実を残したまま冬を越させると木が消耗し、翌年の花が減ります。売り物にならない実も落として片づけます。
鳥は色づいた実をつつきます。数が少ない木や幼木は、色づき始めたら防鳥ネットをかけると確実です。
採り方とトゲ
ゆずの収穫でいちばんの敵は自分の木のトゲです。長いものは数センチあって鋭く、手だけでなく採った実の肌も傷つけます。傷は保存中の腐りの入口になります。
- 二度切りにする
- まず果実の付いた枝ごと切り、手元に持ってからへたの際で切り直します。無理に引っ張るとへたが取れて傷みます。
- 厚手の革手袋を使う
- 軍手ではトゲが貫きます。長袖と保護めがねも合わせ、顔の高さの枝を扱うときは跳ね返りに注意します。
- かごの中で転がさない
- 収穫かごの中で実同士がぶつかると、見えない打ち身ができて後から腐ります。浅いかごに1段で並べます。
- 雨の日を避ける
- 濡れたまま採ると果皮が傷みやすく、収納中にカビが出ます。前日から晴れた日の午前中に採ります。
収穫の前にトゲを落としておくと作業が速くなります。実が下がる位置のトゲだけでも切っておきます。
保存のしかた
ゆずは丸のままでも意外に日持ちしますが、香りは日ごとに抜けます。使い切れない量が採れたら、収穫直後に皮と果汁へ分けて冷凍するのがいちばん無駄になりません。
| 保存法 | 目安の期間 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 新聞紙に包んで冷暗所 | 2週間程度 | 近いうちに使う分 |
| 袋に入れて冷蔵庫の野菜室 | 1か月程度 | 少しずつ使う分 |
| 丸ごと冷凍 | 2〜3か月 | 皮をすりおろして薬味に |
| 果汁を搾って製氷皿で冷凍 | 2〜3か月 | 1回分ずつぽん酢や飲み物に |
冷凍した実は半解凍のうちに皮をおろします。完全に解けると果皮がやわらかくなっておろしにくくなります。
採り遅れと木への影響
収穫の遅れは実の質だけの問題ではありません。果実は最後まで木の養分を使い続けるので、年内に採り終えるかどうかが翌年の花数に直結します。
- 越冬させると裏年になる
- 実を付けたまま冬を越すと、翌春の花のもとを作る余力がなくなります。隔年結果の原因として最も多い形です。
- 寒害を受けた実の扱い
- 凍って果皮が透けた実は保存できません。すぐに果汁だけ搾って冷凍し、皮は状態を見て使うか処分します。
- 落ちた実を放置しない
- 地面で腐った実は病害虫の越冬場所になります。木の下の落果と落ち葉をまとめて片づけてから冬に入ります。
- 採り終えたら礼肥
- 10月の秋肥を控えめにした木は、収穫後に少量の肥料で消耗を補います。翌春の芽出しが違ってきます。
翌年も採るための作業だと考えます。収穫は木にとって年内最後の負担で、その後の手当てが翌春に出ます。
実がうまく採れないときの原因
収穫でつまずく原因は、採り方より前の管理にあることが多いものです。採った実の姿から何が足りなかったかを読み取れば、翌年の作業のどこを直せばよいかが決まります。
- 採り遅れを取り返す
- 採り遅れた実は日持ちしません。すぐ絞って果汁で保存し、木の負担を減らすため残りの実も早めに採り切ります。
- 枝を折ったとき
- 収穫中に枝を裂いてしまったら、裂け目の下で切り直します。ちぎれたまま残すと、そこから枯れ込みが幹へ入ります。
- 道具を替えて傷を減らす
- 手で引き抜くと枝も実も傷みます。はさみで果梗を短く切れば、実どうしが傷つかず保存も長くもちます。
| 実の症状 | 疑う原因 | 翌年に直すこと |
|---|---|---|
| 小さいまま止まる | 実の数が多すぎた | 8月までに摘果して数を減らす |
| 皮に黒い傷が付く | かいよう病か枝との擦れ | 風よけを立て触れる枝を抜く |
| 色づく前に落ちる | 夏の乾燥か肥料切れ | 敷きわらと6月の施肥を見直す |
| 果汁が少なく皮が厚い | 肥料の窒素が多すぎる | 施肥を年3回に戻して量を減らす |
翌年の花芽は前の年の秋に作られます。収穫のときに枝を傷めないことが、翌年の花を減らさない一番の近道です。
ゆずの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ゆずの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゆずの育て方にまとめています。
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