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ゆずのエカキムシ

ゆずのエカキムシ対策|ミカンハモグリガの生態と手間別の防ぎ方

ゆずの栽培イメージ

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柑橘の絵描き虫は蛾の幼虫です。新芽を出させすぎない管理が最大の防除になります。

柑橘に付くのは蛾の幼虫

葉に白い曲がりくねった線を描くのはミカンハモグリガという小さな蛾の幼虫です。野菜に付くハモグリバエとは別の虫なので、ハエ向けの対策をそのまま持ち込んでも効きません。

成虫が産卵するのは開いたばかりのやわらかい新葉だけで、硬くなった葉には産みません。つまり被害の量は、木がいつどれだけ新芽を出したかでほぼ決まります。

時期新梢被害の出方
4〜5月春枝被害は少ない。暖地で5月下旬に出ることがある
6〜7月夏枝増え始める。幼木で目立つ
7〜9月夏秋枝発生の山。放置すると新葉がほぼ全滅する
10月以降伸びない新葉がないので被害も止まる

温暖な地域では年に8回から10回発生します。1回叩いても次の世代が来るので、新芽の管理と組み合わせます。

夏秋梢を伸ばしすぎない

この虫の対策の中心は殺すことではなく、餌になる新芽を減らすことです。夏から秋にだらだらと枝を伸ばす木ほど被害が大きく、被害が大きい木ほどまた枝を伸ばします。

夏の強剪定をしない
7月以降に太枝を落とすと、木は失った葉を取り戻そうと夏秋枝を噴き出します。剪定は3月に済ませておきます。
窒素肥料を夏に効かせない
夏肥は6月に控えめに与えます。8月以降に窒素が効くと新梢が止まらず、産卵の的を作り続けることになります。
水と肥料を切らないのも問題
逆に春に肥料が足りないと春枝が弱く、夏に遅れて伸びます。春にしっかり伸ばして夏に止めるのが理想です。
成木は放任でよい
葉が十分ある成木は多少もぐられても収量に響きません。手をかけるのは新葉の割合が高い幼木に絞ります。

新芽の摘除と被害葉の扱い

薬剤を使わずに数を減らすなら、産卵の場を物理的になくします。とくに苗木と幼木は葉の総数が少ないため、被害の一枚一枚が生育の遅れに直結します。

白い線が入った葉を見つけると取りたくなりますが、もぐられた葉でも光合成の能力は残っており、落とすほうが木の損失は大きくなります。幼木では特に致命的です。

葉を減らすと木はまた新芽を出し、そこに次の世代が産卵します。むしる作業が発生を増やす方向に働くので、被害葉はそのまま付けておきます。

遅れて出た新芽を摘む
8月以降に不ぞろいに伸び出した芽は、指で先端をつまんで止めます。木全体の芽を同時に出させるほど被害が分散します。
幼木を防虫ネットで覆う
背丈1メートル程度の苗なら、目合い1ミリ以下のネットで7月から9月だけ覆います。成虫が産卵できず被害がほぼ止まります。
ネットは夕方に閉める
成虫は夜に活動します。日中の作業で開けたら、日が暮れる前に必ず閉じます。開けっぱなしの一晩で入られます。
鉢植えは場所を離す
周囲に柑橘があると次々に飛来します。鉢なら発生の山の間だけ他の柑橘から数メートル離すだけでも減ります。

落とすのは葉が縮れて丸まり、緑がほとんど残っていない葉だけです。線が入っただけの葉は残します。

粘着トラップと天敵

成虫は体長3ミリほどの銀白色の小さな蛾で、夜に飛びます。数を完全に抑える手段にはなりませんが、発生の始まりを知る道具としては役に立ちます。

黄色の粘着板を吊るす
木の高さの中ほどに数枚吊るします。捕殺が目的ではなく、いつ成虫が動き出したかを知って対策の開始日を決めるために使います。
天敵を残す管理
寄生蜂やクモがこの虫の幼虫を減らしています。広く効く薬剤を繰り返すと天敵が先に消え、かえって発生が続きます。
下草を刈りすぎない
木の下の草は天敵の住みかになります。通路だけ刈り、株元まわりは低く保つ程度にとどめます。
アリを見たら疑う
アリが多い木はカイガラムシやアブラムシも多く、天敵が減っています。まずそちらを片づけると全体の虫害が落ち着きます。

薬剤を使うなら新梢が動く直前

幼虫は葉の中にもぐっているので、線が見えてから撒いても届きません。薬剤を使うのは新芽が開き始めた時点で、そこから生育に合わせて7日から10日の間隔をとります。

始めるのは芽が開いた日
新梢の発芽直後が唯一の適期です。すでに白い線がある葉に撒いても、その幼虫には効かないと割り切ります。
守る対象を絞る
苗木、幼木、高接ぎした樹だけを対象にします。葉が茂った成木に全面散布する必要はありません。
同じ系統を続けない
年に8回以上世代が回るため、同じ効き方の薬を繰り返すと抵抗性が付きます。系統を替えて回します。
収穫前の日数を守る
果皮ごと使う果実です。登録の内容と収穫前日数を必ず確認し、青ゆずを採る木では特に慎重に扱います。

かいよう病とのつながり

この虫を放置してはいけない本当の理由は、葉が縮れることではなく、食害痕がかいよう病の細菌の入口になることです。とくに台風が来る秋口の傷は危険です。

対策手間効き目
夏秋梢を出させない管理中。剪定と施肥の時期を守るだけ高い。発生源そのものが減る
幼木のネット被覆高い。開け閉めが要る高い。幼木ならほぼ止まる
遅れた新芽の摘除低い。見つけたら摘む中。被害の分散に効く
薬剤散布中。適期の見極めが要る高いが期間限定。抵抗性に注意

防風対策も同じくらい効きます。枝葉が擦れる傷も細菌の入口になるため、風の強い場所では風よけを設けます。

被害が出たあとの切り分けと手当て

白い線が入っていても、成木なら放っておいて構わないことがほとんどです。手を打つかどうかは、木の大きさと被害の割合、そしてかいよう病が出ているかどうかで決めます。

割合で判断する
新芽の3割までなら放置が目安です。半分を超えたら翌年の芽の出方に響くので、防除に切り替えます。
秋の芽を止める
被害が続く木は、8月以降に出る芽を早めに摘みます。産卵する場所が減り、翌年の発生も下がります。
薬に頼る前に見直す
肥料が多い木ほど芽が遅くまで出て被害が増えます。年3回の施肥に戻し、量を見直すほうが効きます。
葉の症状疑うことやること
成木の葉に白い線が少し被害としては軽い何もしない。葉はそのまま残す
幼木の新芽がほぼ全滅産卵が集中しているネットで覆い新芽をそろえて出す
葉が縮れて丸まり落ちる被害が重なり葉が働けない縮れた葉だけ外し夏の芽を止める
傷口が茶色くかさぶた状かいよう病が入った傷んだ葉と枝を切り風よけを立てる

被害が出た年ほど葉を大切にします。線の入った葉を落とすと木は新芽を出し、そこがまた産卵の場所になります。

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