水やりは土を触って決める
ゼンマイの水やりは日数で決めるより、土の湿り気を手で確かめて決めるほうが確実です。表土から二センチほど指を入れて、ひんやり湿っていれば足りています。さらさらして指に付かなければ与えどきです。
特に注意したいのが梅雨明けから八月です。この時期に一度でも根まで乾かすと、その年の葉が傷み、翌春に出る芽が細くなります。旅行などで留守にするときは、前もって敷き草を厚くしておきます。
雨が降った日は水やりを休んでよいと思いがちですが、葉が茂ると雨が地面まで届かないことがあります。降ったあとでも敷き草をめくって土を触り、乾いていれば与えると決めておくと確実です。
- 朝のうちに与える
- 夏は日中に与えると土の中が蒸れます。朝の涼しいうちに、株元へゆっくり流し込むように与えると根まで届きます。
- 葉にも軽くかける
- 自生地は霧が流れる沢沿いです。夕方に葉水を軽くかけると葉先の乾きが和らぎ、縮れが出にくくなります。
- 敷き草の下を確かめる
- 落ち葉や敷きわらの下は湿っていることが多く、表面だけ見ると乾いて見えます。持ち上げて土を触ってから判断します。
夏の日ざしを和らげる
ゼンマイの葉は薄く、真夏の直射日光に半日あたると茶色い斑点が出て、そこから枯れ上がります。木漏れ日程度の明るさが理想で、寒冷紗を使うなら日ざしを半分ほど遮るものがちょうどよい強さです。
覆いを外す時期の見きわめも大切です。九月になっても遮ったままだと、葉が薄いまま終わって蓄えが増えません。朝夕が涼しくなり、日ざしの角度が低くなったころに外すと判断してください。
| 時期 | 日ざしの強さ | 覆いの目安 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 弱い | 覆いは不要。芽に日をあてる |
| 5月〜6月 | 強くなり始める | 午後だけ遮る |
| 7月〜8月 | もっとも強い | 一日を通して半分遮る |
| 9月〜10月 | 弱まる | 覆いを外して葉に日をあてる |
肥料は薄く少なく与える
山菜は痩せた土でも育つので、肥料は与えすぎないほうが失敗しません。濃い肥料は根を傷め、葉ばかり軟らかくなって夏の暑さに負けます。落ち葉の腐ったものが少しずつ効くくらいが、この植物には合っています。
- 元肥は腐葉土だけ
- 植え付けのときに腐葉土を混ぜておけば十分です。化成肥料を穴に入れると、根が直接触れて傷むことがあります。
- 追肥は葉が開いてから
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は、葉がすべて開いた五月に一度だけにします。油かすをひとつかみ、株から離してまきます。
- 秋に落ち葉を足す
- 十一月に落ち葉か腐葉土を五センチ足しておくと、翌春までにゆっくり分解して穏やかに効きます。
葉の色が濃い緑で厚みがあるなら肥料は足りています。黄緑色で薄く、背も伸びないときだけ足すと判断してください。
敷き草を切らさない
ゼンマイの管理でいちばん効くのが、株元を覆う敷き草です。土の乾きを抑え、地温の上がりすぎを防ぎ、雨が土をたたいて固めるのも防ぎます。落ち葉、腐葉土、刈った草、もみ殻のどれでも構いません。
- 厚さ五センチを保つ
- 薄くなると効果がありません。分解して減るので、春と秋の年二回、上から足すつもりで補います。
- 芽の出る場所は空ける
- 三月に芽が動くころ、株の真上だけ少しどけます。厚い敷き草を突き破れずに芽が曲がることがあるためです。
- 梅雨前に足しておく
- 六月のうちに厚くしておくと、真夏の乾きに間に合います。乾いてから足しても、水が土まで届きにくくなります。
葉は秋まで刈らずに残す
春に伸びた葉は、夏のあいだ養分を作って地下の根に送ります。この蓄えがそのまま翌春の芽の太さになるので、見た目が乱れても秋まで刈らないでください。葉を早く刈った株は、翌年、細い芽しか出ません。
葉を残すか刈るかで迷ったら、緑が残っているかどうかで決めます。少しでも緑の部分があれば、その葉はまだ養分を作っています。全体が茶色く倒れてから刈れば、株の力を取りこぼしません。
| 時期 | 葉の状態 | 扱い |
|---|---|---|
| 5月〜9月 | 濃い緑で立っている | そのまま残す |
| 10月 | 先から黄色くなる | まだ残す |
| 11月〜12月 | 茶色く倒れる | 地際で切って株元に敷く |
葉が茶色くなるときの見分け
夏に葉が茶色くなる原因は、乾き、日焼け、根の傷みのどれかがほとんどです。どこから茶色くなっているかを見ると切り分けられます。葉先からなら乾き、葉の面に斑点が出ているなら日焼けです。
手当てをしたあとは、新しく開く葉の色を見て効いたかどうかを判断します。次に出た葉が濃い緑で厚みがあれば持ち直しています。同じように傷むなら、原因の見立てが違っていたということです。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉先だけが茶色い | 水切れ | 朝の水やりを増やし、敷き草を厚くする |
| 葉面に白茶けた斑点 | 強い日ざしによる葉焼け | 寒冷紗で半分遮る |
| 株全体が急にしおれる | 根が水に浸かって傷んだ | 水はけを直し、土を盛って植え直す |
| 十月に黄色くなる | 自然な落葉 | 手当ては要らない |
ゼンマイの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
ゼンマイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼンマイの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。