干す前に決めておくこと
干しゼンマイは、茹でたゼンマイを天日にあて、乾く途中で何度も揉んでやわらかく仕上げる保存法です。揉まずに干すと棒のように硬くなり、戻しても筋が残ります。晴れの続く日を選んで始めるのが第一歩です。
干しゼンマイは手間がかかりますが、常温で一年もち、戻したときの歯ごたえと香りは生とは別のものになります。まとめて穫れた年に作っておくと、収穫のない季節にも楽しめます。
- 天気を三日分見る
- 干し始めてから二、三日は晴れが続く日を選びます。途中で雨にあたると色が黒ずみ、においも出やすくなります。
- 揉む時間を確保する
- 一日に三回から四回、手を止めて揉む必要があります。家にいられる日から始めると失敗しません。
- 干す場所を用意する
- ござ、すだれ、目の粗いざるなど、風が下から抜けるものを日なたに置きます。金属の板の上は熱くなりすぎます。
茹で加減を見きわめる
干しゼンマイでは、あく抜きではなく先に茹でます。茹ですぎると崩れ、足りないと乾いたときに硬くなります。太い茎を指でつまんで、少し抵抗が残るくらいで上げるのがちょうどよい加減です。
茹でる湯はたっぷり沸かし、一度に入れる量を少なくします。冷たいゼンマイを大量に入れると湯の温度が下がり、茹で上がりにむらが出て、乾いたときの硬さもばらばらになります。
| 状態 | 見た目 | 次の手 |
|---|---|---|
| まだ硬い | 色が生のまま鮮やか | もう一分ほど茹でる |
| ちょうどよい | 色が濃く沈み、曲げるとしなる | すぐ湯から上げる |
| 茹ですぎ | 指でつまむと潰れる | 揉まずに干し、煮物に使う |
茹で湯に重曹を入れると色は残りますが、入れすぎると溶けて形がなくなります。入れるならひとつまみに留めます。
揉みながら干す
干しゼンマイの要は揉む作業です。乾いていく途中で繊維をほぐすと、戻したときにやわらかく、味も染みます。まだ湿っているうちから始め、乾き具合を見て力を加減します。
揉むときに力を入れすぎると、繊維がちぎれてぼろぼろになります。手のひらで挟んで転がすくらいの力で十分です。乾いてくるほど硬くなるので、後半は力ではなく回数で調整すると仕上がりがそろいます。
- 水気を切って広げる
- 茹で上げたら手早く水気を切り、重ならないようにござへ広げます。重なった部分は乾きが遅れ、色むらの元になります。
- 二時間ごとに揉む
- 表面が乾いてきたら、両手のひらでこすり合わせるように揉みます。一日に三回から四回、力を入れすぎずに繰り返します。
- 夕方に取り込む
- 日が傾いたら屋内へ入れます。夜露にあてると水分を吸い戻し、翌日の乾きが遅れて黒ずみやすくなります。
- 縮んで黒くなれば完成
- 全体が細く縮み、黒っぽい茶色になって曲げても折れなくなれば仕上がりです。触って湿り気が残るなら、もう一日干します。
干す日数の目安
乾く早さは天気と季節で変わります。五月の晴天なら二日で仕上がることもあり、曇りがちなら四日かかります。日数で切り上げず、触って湿り気がないことを確かめてから片づけてください。
扇風機を使うときは、風を直接当てるより部屋の空気を回すように置きます。強い風を当て続けると表面だけ乾いて中が湿ったままになり、あとで白いかびが出ることがあります。
| 時期 | 天気 | 干す日数の目安 |
|---|---|---|
| 4月下旬〜5月 | 晴天が続く | 二〜三日 |
| 4月下旬〜5月 | 曇りがち | 四〜五日 |
| 6月 | 湿気が多い | 室内で扇風機を併用する |
戻し方と保存
干しゼンマイは水に浸けるだけでは戻りません。一度沸かした湯に入れて火を止め、そのまま冷ましながら時間をかけて戻します。急ぐと芯が硬いまま残り、煮ても口当たりが悪くなります。
戻したあとは水に浸けて冷蔵し、二日ほどで使い切ります。戻しすぎるとやわらかくなりすぎ、煮物にしたときに形が崩れるので、少し歯ごたえが残るところで止めるのが目安です。
- 湯に入れて冷ます
- 沸かした湯に入れて火を止め、そのまま冷めるまで置きます。四時間ほどでふくらみ、太さが二倍近くになります。
- 水を替えて一晩置く
- 冷めたら水を替えて冷蔵庫で一晩置きます。翌朝、指で押してやわらかければ戻りきっています。
- 乾物は密閉して置く
- 完全に乾いたものを袋に入れ、乾燥剤を添えて冷暗所に置きます。湿気を吸うとかびるので、梅雨どきは冷凍庫が確実です。
黒ずむ、硬くなるときの原因
仕上がりが悪いときは、揉む回数と乾かす環境のどちらかに原因があります。作った日の天気と揉んだ回数を記録しておくと、翌年の調整がしやすくなります。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 棒のように硬い | 揉む回数が足りない | 翌年は二時間ごとに揉む |
| 白っぽく粉をふく | 急に強い日で乾かした | 午後は日陰に移して乾かす |
| においが出る | 雨や夜露にあたった | 夕方に取り込み、雨の日は室内で乾かす |
| 戻しても芯が硬い | 戻す時間が短い | 湯に入れて冷ましたあと一晩置く |
ゼンマイの乾燥・追熟に使うもの
穫ってすぐしまうと傷みます。風を通して乾かす場所と、吊るすものが要ります。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「干し野菜 ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。吊るす場所の高さに合わせて選びます。
網の中なら虫も鳥も入りません。地面に広げるより早く乾き、雨のときはそのまま取り込めます。
- 麻ひも・吊り下げネット探す言葉「玉ねぎ 吊り下げ ネット」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋か、丈夫な麻ひも。
軒下に吊るすのは、風を四方から当てるためです。積んだままだと下のものから傷みます。
- 通気のある保存箱探す言葉「野菜 保存 木箱 通気」
- 規格の目安
- 側面に穴のあるコンテナか木箱。新聞紙を敷いて使います。
乾いたあとの置き場所です。密閉すると内側に水滴が付き、そこからカビます。
- 軒下や風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても足ります。
- 除湿機や乾燥機は、家庭菜園の量では要りません。
ゼンマイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼンマイの育て方にまとめています。
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