採ってよい芽を姿で見分ける
春に出る芽には二種類あります。丸く太って綿毛をかぶった芽と、頭に粒が詰まった芽です。粒の付いたものは胞子を作る芽で、食用には向かず、株にとっては次の世代を作る大事な部分なので残します。
食べるのは綿毛をかぶった、渦巻きが固く巻いた芽です。開き始めて葉が広がったものは硬く、あくも強くなります。渦がまだきつく巻いているころが摘みどきです。
はじめての年は、どれが食べられる芽か迷います。迷ったら摘まずに残し、伸びた姿を見て確かめてください。粒の付いた芽は開くと茶色い穂になるので、一度見ておけば翌年から間違えません。
| 姿 | 呼び方 | 扱い |
|---|---|---|
| 綿毛をかぶり渦が固く巻く | 食用になる芽 | 三分の一を残して摘む |
| 頭に細かい粒が詰まる | 胞子を作る芽 | 摘まずに残す |
| 渦がほどけ葉が開いた | 伸びすぎ | 残して葉にする |
摘み取り方の手順
ゼンマイの芽は下のほうを持って横に倒すと、ぽきりと自然な位置で折れます。刃物で根元ぎりぎりを切ると、隣で控えている小さな芽まで傷めることがあるので、手で折るほうが株にやさしい方法です。
- 折れる位置を探す
- 芽の下から指を滑らせ、力を入れると簡単に折れる場所を探します。硬くて折れない下部は、どのみち食べても硬いので残します。
- 横に倒して折る
- 上に引き抜くと根株ごと動いてしまいます。地面と平行に倒すように力をかけると、株を揺らさずに折り取れます。
- 綿毛をその場で落とす
- 芽の表面の綿毛は指でこすると取れます。家に持ち帰る前に落としておくと、あく抜きのときに湯が汚れません。
- 採った本数を数える
- 一株から何本採ったかを覚えておきます。翌年の芽の太さが変われば、採る量が多すぎたか適切だったかの判断材料になります。
残す本数の目安を決める
ゼンマイは多年草で、同じ株から毎年穫ります。全部摘むと葉が出ず、その年の蓄えが作れないため、翌春はほとんど芽が出ません。株の大きさごとに残す本数を先に決めておくと、つい採りすぎることがなくなります。
収穫できる期間は二週間ほどと短く、その間に一株から採るのは一度きりが基本です。二度、三度と出てくる芽まで摘むと、株は葉を作れないまま夏を迎えます。採り残すことを惜しまないでください。
| 株の大きさ | 出た芽の数 | 採ってよい本数 |
|---|---|---|
| 植えて三年未満 | 二〜五本 | 採らない |
| 中くらい | 六〜十本 | 二〜三本 |
| 大きく育った株 | 十本以上 | 三分の一まで |
同じ株から二度目、三度目に出てくる芽は、株が蓄えを取り崩して出したものです。ここに手を付けると株が急に弱るので摘みません。
あく抜きは必ず行う
ゼンマイは生のままでは食べられません。重曹か木灰を使って必ずあくを抜いてから調理します。あく抜きが足りないと苦みと渋みが残り、口当たりも悪くなります。手順自体は難しくありません。
- 綿毛を取り除く
- 残っている綿毛を指でこすり落とし、水でさっと洗います。綿毛が残ると仕上がりの口当たりが悪くなります。
- 重曹をふる
- ゼンマイを容器に並べ、大さじ一杯ほどの重曹を全体に軽くふりかけます。多く入れすぎると煮崩れて形が残りません。
- 熱湯を回しかける
- 沸かした湯をひたひたに注ぎ、落とし蓋か皿をのせて浮かないようにします。そのまま一晩、八時間ほど置きます。
- 水にさらして確かめる
- 翌朝、水を替えながら数時間さらします。一本かじってみて渋みが残るなら、さらに半日水を替えて続けます。
保存の仕方を用途で選ぶ
あくを抜いたゼンマイは日もちしません。すぐ食べない分は冷凍するか、天日で干して乾物にします。乾物にすると年を越して使え、煮物にしたときの歯ごたえも生とは別の持ち味になります。
冷凍するときは、あくを抜いて水気をよく切り、一回に使う分ずつ小分けにします。凍ったまま煮物に入れられるので便利ですが、解凍してから炒めると水が出て味が薄まります。
| 用途 | 保存の方法 | もちの目安 |
|---|---|---|
| 二、三日で食べる | あく抜き後、水に浸けて冷蔵 | 三日 |
| ひと月ほど置く | 水気を切って小分け冷凍 | 一か月 |
| 年を越して使う | 茹でて揉みながら天日干し | 一年 |
硬い、苦いときの手当て
食べてみて硬いときは採る時期が遅かった合図です。渦がほどけかけた芽は繊維が育ってしまっているので、翌年はもう数日早く様子を見てください。苦みが強いときはあく抜きの時間が足りていません。
- 水を替えて追加でさらす
- 苦みが残るときは、水を替えながらさらに半日さらします。ぬるま湯を使うと早く抜けますが、傷みやすいので冷蔵庫に入れます。
- 硬い株は煮物に回す
- 繊維が硬いものは、油で炒めてから出汁で長めに煮ると食べやすくなります。和え物には向きません。
- 翌年の摘みどきを前倒す
- 採った日と硬さを記録しておき、翌年は三日から五日早く見に行きます。渦が固いうちに摘むだけで柔らかさが変わります。
ゼンマイの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ゼンマイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼンマイの育て方にまとめています。
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