一年苗と大株苗のどちらを買うか
アスパラガスの苗は、種から一年育てた小さな根株と、二年育てた大株とが出回ります。値段は倍ほど違いますが、初めて穫れるまでの年数も違います。早く食べたいなら大株、じっくり太らせたいなら一年苗という選び方になります。
どちらを選んでも、植えた年と翌年は穫らずに茎葉を茂らせ、根に養分をためるのが基本です。ここで我慢できるかどうかで、三年目以降に出てくる芽の太さがはっきり変わります。

| タイプ | 植え付けの適期 | 初収穫の目安 |
|---|---|---|
| 種まきから育てる | 3月にまき翌春に定植 | 植え付けから3年目の春 |
| 一年生の根株 | 3月中旬〜4月中旬 | 植え付けから2〜3年目の春 |
| 二年生の大株 | 3月中旬〜4月中旬 | 翌春に少しだけ、本格は翌々年 |
根株は乾いてしなびたものを避け、根が白くみずみずしく、芽の数が三つ以上あるものを選びます。
深さ三十センチまで耕してから植える
アスパラガスの根は深さ一メートル以上に張ります。表面だけ耕した畑に植えると、数年で伸び悩んで芽が細くなります。植える前の一回しか深く耕す機会がないので、ここに手間をかける価値があります。
酸性の強い土を嫌うので、植え付けの二週間前に苦土石灰をまいて中和しておきます。水がたまる場所は根が腐るため、粘土質の畑なら高めの畝を立てて排水を確保します。
- 石灰をまいて耕す
- 植え付けの二週間前に、一平方メートルあたり百五十グラムほどの苦土石灰をまき、深さ三十センチまで掘り返して混ぜます。
- 溝を掘る
- 幅四十センチ、深さ三十センチの溝を掘ります。掘り上げた土は溝のわきに置いて、あとで戻せるようにしておきます。
- 元肥を底に入れる
- 溝の底に完熟堆肥をたっぷりと、緩効性の肥料を混ぜた元肥(植える前に土に混ぜる肥料)を入れ、土と混ぜて十センチほど埋め戻します。
- 畝を落ち着かせる
- 水をかけて一週間ほど置き、土が沈んでから植えます。ふかふかのまま植えると、あとで株が沈んで深植えになります。
根を広げて浅めに置くのがこつ
根株はタコの足のような形をしています。これを団子のまま置くと、根が絡んだところから傷みやすくなります。芽の出る側を上に向け、根を放射状に広げて置くのが正しい植え方です。
覆土は五センチから十センチが目安です。深すぎると芽が地上に出るまでに力を使い果たし、浅すぎると株が持ち上がって倒れます。株間は四十センチから五十センチとり、十年先の株の大きさを見て決めます。
- 根を扇に広げる
- 溝の底に土を小山に盛り、その上に根株をのせて根を四方へ広げます。折れた根や黒く傷んだ根はここで切り取ります。
- 五センチ覆土する
- まずは芽が隠れる程度に土をかけます。残りの土は芽が伸びてくるのに合わせて少しずつ足していきます。
- 株間を四十センチとる
- 一株が幅一メートル近くに広がります。詰めて植えると数年後に日が当たらず、芽が細くなって寿命も縮みます。
- 水をたっぷり与える
- 植えたあとに根と土をなじませるため、株元がへこむくらい水を注ぎます。以後は自然の雨にまかせて構いません。
一年目と二年目は穫らずに茂らせる
植えた年に出てくる芽は細く、食べても数本にしかなりません。ここで穫ってしまうと根に養分が戻らず、翌年さらに細くなります。出てきた芽はすべて伸ばして、線のように細かい葉を茂らせます。
背丈が一メートルを超えて風で倒れそうになったら、株の周りに支柱を四本立てて、ひもで囲うように支えます。倒れて茎が折れると、そこから病気が入って株が弱ります。
| 年数 | その年にやること | 穫ってよいか |
|---|---|---|
| 1年目 | 芽をすべて伸ばして茂らせる | 穫らない |
| 2年目 | 太い芽を残し倒伏を防ぐ | 太い芽を二、三本だけ |
| 3年目 | 春に二週間ほど穫って打ち切る | 少しだけ穫る |
| 4年目以降 | 六月上旬まで穫り、以後は茂らせる | 本格的に穫る |
プランターなら深さ三十センチ以上
ベランダでも育てられますが、根が深く張るので浅い容器では続きません。深さ三十センチ以上、直径も三十センチ以上の大きめの鉢を一株に一つ用意します。土は野菜用の培養土に堆肥を足したものが手軽です。
鉢は土の量が少ないぶん、夏に乾きやすく肥料も流れやすくなります。畑よりこまめに水をやり、追肥(育ちの途中で足す肥料)の回数を増やして補います。
| 容器 | 植えられる株数 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 直径30センチの丸鉢 | 1株 | 数年は穫れる。三年で植え替えたい |
| 深さ30センチの角形 | 1株 | 根が広がる余地があり長持ちする |
| 深さ20センチ以下 | 不向き | 夏に根が焼けて数年で弱る |
植え付けでつまずいたときの切り分け
植えたのに芽が出てこない、出たけれど細いといった相談は、たいてい深さと排水のどちらかに原因があります。掘り返して確かめる前に、いつ植えたか、水のたまる場所ではないかを思い出してみます。
- 六月まで待つ
- 植え付けから芽が出るまで一か月以上かかることがあります。六月に入っても動かないなら、そっと掘って根の状態を確かめます。
- 根が黒ければ排水
- 根が黒く柔らかくなっていたら、水がたまって腐った状態です。畝を高くして植え直すか、別の場所に移します。
- 芽が細ければ肥料
- 根は白いのに芽が鉛筆より細いなら、養分不足か深植えです。覆土が十センチを超えていないか掘って確かめます。
- 一年待って判断する
- 植えた年の細さは正常です。二年目も細いままなら、日当たりと排水を見直して植え直しを考えます。
アスパラガスの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
アスパラガスの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアスパラガスの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。