まず症状から原因を絞る
アボカドの不調は葉に出ます。葉が垂れて土が湿っているなら根腐れ、葉が黒ずんで落ちるなら寒さ、葉の表面がべたつくならカイガラムシ、葉裏が白っぽくかすれるならハダニです。病気らしい症状に見えても、実際は水や温度の管理が原因のことが大半なので、まず土の湿り気と置き場所の温度を確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 葉が垂れ、土が乾かない | 根腐れ | 水を止め、鉢から抜いて根を確かめる |
| 葉が黒ずんで落ちる | 寒さ、霜 | 室内へ移し、切らずに春を待つ |
| 葉や枝がべたつき、白い粒がつく | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉裏が白くかすれ、細かい糸 | ハダニ | 葉裏に水をかけて洗う |
| 葉に茶色い斑点、輪郭がにじむ | 炭疽病 | 病葉を取り、風通しをよくする |
| 葉先が茶色く枯れる | 乾燥、肥料過多、塩類の蓄積 | 水やりを増やし、肥料を止める |
根腐れ
アボカドの根は酸素を好み、常に湿った土では数週間で腐ります。原因は水のやりすぎ、水はけの悪い土、大きすぎる鉢、受け皿の水の放置です。葉が垂れているのに土が湿っているのが見分けの目安で、水を足すと悪化します。早めに鉢から抜き、黒くなった根を切って乾きやすい土に植え直せば回復します。
- 土の湿りと葉の垂れを合わせて見る
- 葉が垂れたときに指で土を三センチ掘ります。湿っているのに垂れているなら根腐れで、乾いているなら水不足です。
- 黒い根を切って植え直す
- 鉢から抜いて黒くぶよぶよした根を切り、赤玉土とパーライトを混ぜた乾きやすい土に一回り小さい鉢で植えます。
- 一か月は明るい日陰で養生
- 葉を三分の一減らし、直射日光を避けた場所に置きます。水は土が完全に乾いてから与えます。
根腐れは予防が第一です。水はけのよい土、鉢底石、受け皿の水を捨てる習慣の三つで、ほとんど防げます。
寒さの害
アボカドは品種によって耐寒性が違い、メキシコ系はマイナス四度前後まで、グアテマラ系は零度前後まで、西インド系は五度以下で傷みます。関東の露地では若い株は冬に葉を落として枯れることがあるので、最初の三〜四年は鉢植えで室内に取り込みます。霜に当たると葉が黒くなりますが、幹が生きていれば春に芽を出します。
| 系統 | 耐えられる目安 | 関東での扱い |
|---|---|---|
| メキシコ系(メキシコーラ等) | マイナス四度前後 | 大きく育てば軒下で越冬できることがある |
| グアテマラ系(ハス等) | 零度前後 | 鉢植えで冬は室内 |
| 西インド系 | 五度以下で傷む | 関東では室内でも難しい |
| 雑種(フェルテ、ベーコン等) | マイナス二度前後 | 鉢植えで冬は室内か囲い |
庭植えで越冬させるなら、十一月に株元を敷きわらで覆い、幹に不織布を巻き、風の当たらない南側の壁際に植えます。
カイガラムシとハダニ
室内に取り込む冬は、天敵がいないためカイガラムシとハダニが増えます。カイガラムシは枝や葉の裏に白や茶色の粒としてつき、排せつ物で葉がべたつき、すす病で黒くなります。ハダニは乾燥した室内で葉裏に増え、葉が白っぽくかすれます。どちらも早く見つけて物理的に落とすのが確実で、殺虫剤は幼虫の時期にしか効きにくいです。
- 取り込む前に葉を洗う
- 十一月に室内へ入れる前、葉の表裏と枝をホースの水で洗い流します。これだけで冬の発生がかなり減ります。
- カイガラムシは歯ブラシで落とす
- 見つけたら古い歯ブラシでこすり落とします。成虫は殻に守られ薬が効かないので、落とすのが確実です。五月から七月の幼虫には果樹用の殺虫剤が効きます。
- ハダニは霧吹きで防ぐ
- 冬の室内では朝に葉の裏へ霧吹きをします。増えてしまったら葉裏に水を強めにかけて洗い、それでも減らなければ果樹用のダニ剤を使います。
炭疽病と葉の斑点
梅雨から夏にかけて、葉に茶色い斑点が広がり、輪郭がにじむように見えるときは炭疽病が疑われます。実にも黒い斑点が出て、熟すと腐ります。雨に当たって風通しが悪い環境で広がるので、鉢を軒下に移し、混んだ枝を間引いて風を通します。病葉と落ち葉は集めて処分し、株元に残しません。
| 時期 | 症状 | 対処 |
|---|---|---|
| 6〜7月 | 葉に茶色い斑点 | 病葉を取り、鉢を軒下へ、殺菌剤を月一回 |
| 8〜9月 | 実に黒い斑点 | 傷んだ実を早めに取り、周りの実に広げない |
| 10〜11月 | 落ち葉に病斑 | 落ち葉を集めて処分、株元を清潔に |
殺菌剤は果樹に使える一般的なものを、収穫前の日数を守って使います。予防なら梅雨入り前に一度散布しておくと効果があります。
実が落ちる・葉が落ちるときの切り分け
受粉後の小さな実が六月に大量に落ちるのは正常な生理落果で、病気ではありません。親指大を超えてから落ちるなら、水切れ、肥料切れ、ならせすぎ、急な温度変化を疑います。葉が落ちるのは、環境の急変、寒さ、根腐れ、根詰まりが主で、幹が緑で弾力があるなら株は生きています。落ち方と時期を照らし合わせて原因を絞ります。
| 状態 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 六月に小さな実が大量に落ちる | 実が米粒から小指大 | 正常、対処不要 |
| 七月以降に親指大の実が落ちる | 土が乾いている、実が多すぎる | 朝の水やり、実を枝ごとに一〜二個へ |
| 屋外に出した直後に葉が落ちる | 環境の急変 | 半日陰で二〜三週間慣らす |
| 冬に葉が黒ずんで落ちる | 寒さ | 室内へ、切らずに春を待つ |
| 春に新芽が出ず葉が落ちる | 根詰まり、根腐れ | 鉢から抜いて根を確かめ、植え替え |
アボカドの収穫までのコツは作物ページに
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