一年の流れを表で見る
アボカドの一年は、春の植え替えと開花、初夏の摘果と剪定、夏の水やり、秋の実の肥大、冬の取り込みという流れです。関東平野部の鉢植えを基準にしており、暖地の露地なら冬の取り込みを防寒に置き換え、寒冷地は取り込みを一か月早めます。表の月は目安で、株の姿と天候を見て前後させます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 室内で管理、水は控えめ | 五度以上の明るい場所、一〜二週間に一回の水やり |
| 2月 | 室内で管理 | 暖かい日の昼に窓を開けて空気を入れ替える |
| 3月 | 春肥、植え替えの準備 | 緩効性の化成肥料を一握り、最低気温が十度を超えたら屋外へ |
| 4月 | 屋外へ出す、植え替え、開花 | 霜の心配がなくなったら屋外へ、花房がふくらむ |
| 5月 | 開花、受粉、種まき | 晴れた日に筆で受粉、食べた種をまくなら今から |
| 6月 | 摘果、剪定、追肥 | 枝ごとに一〜二個へ、花後の剪定、肥料を一握り |
| 7月 | 水やり、摘心 | 毎朝たっぷり、若い株は先端を摘む |
| 8月 | 水やり、葉焼け対策 | 朝夕の水やり、西日を避ける |
| 9月 | 秋肥、剪定の終了 | 肥料を半握り、これ以降は切らない |
| 10月 | 実の肥大、水を減らす | 三〜五日に一回に減らす |
| 11月 | 収穫、取り込みの準備 | 品種によって収穫、最低気温五度で室内へ |
| 12月 | 室内で管理 | 暖房の風を避け、葉に霧吹き |
冬から春の作業
十二月から二月は室内で休ませます。五度以上で明るい窓辺が理想で、暖房の効いた部屋は乾燥で葉が傷むうえ、冬に涼しさを感じないと花芽が整いません。水やりは一〜二週間に一回で、根腐れを防ぎます。三月に最低気温が十度を超える日が続いたら、日中だけ屋外に出して慣らし、四月の霜の心配がなくなったら完全に屋外へ移します。植え替えと春肥もこの時期です。
- 取り込み前に虫を落とす
- 室内に入れる前に葉の裏を水で洗い、カイガラムシやハダニを落とします。室内で増えると天敵がおらず一気に広がります。
- 屋外に戻すときは慣らす
- いきなり直射日光に当てると葉焼けします。最初の一週間は午前中だけ外に出し、次の一週間は明るい日陰、その後に日なたへ移します。
- 植え替えは新芽が動く前
- 三月下旬から四月上旬、芽がふくらみ始めたころに一回り大きい鉢へ植え替えます。根鉢は外側を軽くほぐすだけにします。
春から初夏の作業
四月から五月は開花の季節です。花は小さく目立ちませんが、晴れた日の午前と午後に開いている花を見て、筆で花粉を移すと実がつきやすくなります。五月は食べた後の種をまくのにもよい時期です。六月に入ると受粉した実の多くが自然に落ちるので、残った実を枝ごとに一〜二個に摘果し、花後の剪定と追肥(育ちの途中で足す肥料)を行います。
| 時期 | 株の姿 | やること |
|---|---|---|
| 4月上旬 | 枝先に花房がふくらむ | 屋外に出し、水やりを増やす |
| 4月下旬〜5月 | 小さな花が大量に咲く | 晴れた日に受粉、殺虫剤はまかない |
| 6月上旬 | 小さな実の多くが落ちる | 見守る、水切れさせない |
| 6月中旬〜下旬 | 残った実が親指大 | 摘果、花後の剪定、追肥 |
夏の作業
七月から九月は葉と枝が伸び、実が育つ時期です。鉢植えは毎朝たっぷり水を与え、猛暑日は夕方にも与えます。若い株は先端を摘心して枝を増やし、実のなる株は伸びすぎた枝先を軽く摘む程度にとどめます。八月の西日で葉が焼けるときは、午後に日陰になる場所へ移すか、鉢の周りに打ち水をします。九月上旬に秋肥を与えたら、その後は剪定も肥料も止めて花芽の形成に備えます。
- 朝の水やりを習慣にする
- 朝七時ごろまでに鉢底から流れるまで与えます。昼に与えると鉢の中の水が熱くなって根を傷めます。
- 葉焼けの兆しを見る
- 葉の一部が白っぽく抜けたり茶色い斑点が出たりしたら葉焼けです。株を半日陰に移し、焼けた葉はそのまま残します。
- 九月上旬で作業を止める
- 秋肥を与えたら、剪定と摘心は終わりにします。九月以降に伸びる枝は冬に傷みやすく、切ると花芽を失います。
秋の作業
十月は実がふくらみ続ける一方で、水を使う量が減ります。水やりを三〜五日に一回に減らし、根腐れを防ぎます。十一月に入ると品種によっては収穫の時期で、実の大きさと色で判断します。最低気温が五度を下回る予報が出たら室内へ取り込みますが、実がついている株は十度を下回らないうちに入れます。落葉は少ないですが、古い葉が黄色くなって落ちるのは正常です。
| 月 | 株の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 10月 | 実が大きくなる、成長は鈍る | 水を減らし、肥料は与えない |
| 11月上旬 | 早生の品種は収穫できる大きさ | 大きさを見て収穫、木で追熟させない |
| 11月下旬 | 最低気温が五度に近づく | 葉を洗って室内へ取り込む |
| 12月 | 室内で休眠 | 水は一〜二週間に一回、霧吹きで乾燥を補う |
作業が遅れたときの戻し方
取り込みが遅れて霜に当たり葉が黒くなったときは、すぐ室内へ入れて水を控え、春まで待ちます。幹が緑で弾力があれば春に芽を出します。剪定を秋にしてしまったなら、その年の花はあきらめて夏の枝を充実させます。夏の水切れで葉を落としたときは、九月に少量の肥料を与えて回復させ、その年は実をならせない判断も必要です。一年遅れても株が枯れることはまれで、翌年に立て直す前提で構いません。
- 霜に当たったら切らずに待つ
- 黒くなった葉や枝先はすぐ切らず、四月に新芽が出る位置を確かめてから、その上で切り戻します。冬に切ると枯れ込みが広がります。
- 秋に切ってしまったら育てる年に
- 翌春に花が咲かなくても、夏に伸びる枝を切らずに日光に当てれば、翌々年に花が戻ります。
- 水切れで落葉したら実を減らす
- 落葉した株に実を残すと株が弱ります。実を半分以下に減らし、九月に肥料を半握り与えて葉の回復を優先します。
アボカドの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
アボカドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアボカドの育て方にまとめています。
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