目的で育て方を選ぶ
アボカドは、食べ終わった種をまいて観葉植物として楽しむ育て方と、接ぎ木苗を買って実をならせる育て方で、必要な年数も管理もまったく違います。種からの株は実がなるまで十年前後かかり、ならないこともあります。実を採りたいなら最初から接ぎ木苗を選び、葉を楽しむなら種で十分です。
| 目的 | 選ぶ苗 | 実がなるまで |
|---|---|---|
| 葉を楽しむ観葉植物 | 食べた後の種 | 十年前後、ならないこともある |
| ベランダで実を採る | 接ぎ木の一〜二年生苗、耐寒性の品種 | 三〜五年 |
| 暖地の庭で実を採る | 接ぎ木苗を二品種 | 四〜六年 |
接ぎ木苗は品種名の札がついています。ベーコンやフェルテ、メキシコーラなど寒さに強いとされる品種を選ぶと関東でも育てやすくなります。
種から育てる手順
食べた後の種は洗って果肉を落とし、乾かさずにすぐまきます。とがったほうが上、平らなほうが下で、上半分を土から出して植えるのが目安です。発芽には二十度以上の温度が必要で、五月から八月にまくと一〜二か月で割れて芽が出ます。水耕栽培の要領で種の下半分を水につけて発根させてから土に移す方法もあり、根の出る様子が見えるので子どもと育てるのに向いています。
- 種を洗って皮をむく
- 果肉を落として茶色い薄皮をむきます。皮を残すとかびやすく、発芽も遅れます。乾かすと発芽率が落ちるのでその日のうちにまきます。
- 上半分を出して植える
- 四〜五号鉢に赤玉土と腐葉土を七対三で入れ、種のとがった側を上にして半分だけ埋めます。全部埋めると腐りやすくなります。
- 暖かい場所で乾かさない
- 土の表面が乾いたら水を与え、二十度以上の明るい室内に置きます。発芽まで一〜二か月かかるので、あきらめずに待ちます。
- 芽が三十センチで摘心する
- 芽が三十センチほど伸びたら先端を摘心(先の芽を摘んで枝分かれを促すこと)します。放っておくと一本の棒のように伸びます。
接ぎ木苗の植え付け
接ぎ木苗の植え付けは、寒さが終わった四月から六月が適期です。関東平野部の露地は冬にマイナス三度以下になる日があり、若い株は枯れるおそれがあるので、最初の三〜四年は鉢植えで育てて冬は屋内か軒下に取り込みます。庭に植えるのは、幹が親指より太くなり、冬の寒さに慣れてからです。
アボカドの根は酸素を好み、過湿にとても弱いです。水はけの悪い土に植えると根腐れで枯れるのがもっとも多い失敗です。鉢は深さのある八〜十号鉢を選び、用土は赤玉土六に腐葉土三、軽石やパーライト一を混ぜて水はけを確保します。
- 根鉢を崩さず据える
- アボカドの根は傷に弱く、根鉢を崩すと活着が遅れます。ポットから抜いたらそのまま鉢の中央に置き、接ぎ木部分が土の上に出る高さにします。
- 隙間に土を入れて水を通す
- 周りに用土を入れ、割りばしで軽くついて隙間をなくします。鉢底から流れ出るまで水を与え、一週間は直射日光を避けた明るい場所に置きます。
- 支柱で幹を固定する
- 接ぎ木部分は風で折れやすいので、支柱を立てて幹を二か所で結びます。ひもは幹が太るのを見越してゆるめにかけます。
置き場所と鉢の大きさ
春から秋は屋外の日当たりのよい場所に置きます。日照が足りないと枝が間延びし、葉が薄く垂れます。真夏の西日で葉焼けすることがあるので、鉢の周りに打ち水をするか午後に日陰になる場所が理想です。冬は最低気温が五度を下回る前に明るい室内へ移します。
| 鉢の大きさ | 株の目安 | 植え替えの間隔 |
|---|---|---|
| 五〜六号鉢 | 種から芽が出た一年目 | 翌春に八号へ |
| 八号鉢 | 接ぎ木苗の一〜二年目、高さ一メートルまで | 二年ごと |
| 十号鉢 | 高さ一・五メートル前後、実をならせ始める | 二〜三年ごと |
| 十二号鉢以上 | 高さ二メートル、毎年収穫する株 | 根を切り詰めて同じ鉢に戻す |
鉢底から根が出ていたら根詰まりの合図です。春の植え替えは根鉢の外側だけ軽くほぐし、太い根は切らないようにします。
植え付け後に元気がないときの手当て
植え付け後に葉先が茶色く枯れ込む、葉が垂れる、下葉が黄色くなって落ちる、といった変化はよくあります。原因は水のやりすぎ、乾燥、日照の急な変化、根の傷のどれかです。まず鉢の土を指で三センチ掘り、湿っているか乾いているかで分けると、対処を間違えにくくなります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉先が茶色く枯れる | 乾燥、肥料の与えすぎ | 水やりの間隔を短くし、肥料を止める |
| 葉が垂れて土が湿っている | 水のやりすぎによる根腐れ | 水を止め、鉢を風通しのよい場所に移す |
| 下葉が黄色くなって落ちる | 根鉢を崩した、急な環境の変化 | 半日陰に置いて二〜三週間様子を見る |
| 葉が白っぽく焼ける | 強い直射日光 | 午後に日陰になる場所へ移す |
アボカドは植え付け直後にいったん葉を落とし、その後に新しい葉を出すことがあります。幹が緑色で弾力があるなら枯れていないので、水を控えめにして待ちます。
アボカドの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
アボカドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアボカドの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。