収穫の時期を見極める
アボカドは木の上では熟さず、採ってから追熟させて食べます。逆に言えば、実が十分に育つまで木につけておけるので、収穫を急ぐ必要はありません。収穫の目安は、品種ごとの大きさに達し、果皮のつやが消えて少しくすんだ色になり、果柄(実と枝をつなぐ軸)が黄色っぽく変わったころです。関東の家庭では十一月から翌三月ごろまでが目安です。
| 見た目 | 熟し具合 | 扱い |
|---|---|---|
| 小さくつやがあり、果柄が緑 | 未熟 | 採らない、採っても追熟せずしぼむ |
| 品種の大きさに達し、つやが消える | 収穫できる | 一個試しに採って追熟を確かめる |
| 果柄が黄色く、実が少し重く感じる | 収穫の適期 | 順次収穫する |
| 木の上で果皮が黒ずみ、しわが寄る | 採り遅れ | 早めに採り、傷んだ部分を除いて使う |
最初の一個を試し採りして室温に置き、一〜二週間で柔らかくなれば、残りも収穫できる状態です。しぼんで柔らかくならないなら、まだ二〜三週間待ちます。
収穫の手順
収穫は実の上の果柄をはさみで切ります。手でもぎると果柄のつけ根がちぎれて、そこから腐りやすくなります。果柄は一センチほど残して切り、実どうしがぶつからないように一段に並べて運びます。果皮に傷がつくとそこから黒ずむので、ていねいに扱います。
- 果柄を一センチ残して切る
- 実の上一センチのところで果柄をはさみで切ります。つけ根まで切ると穴があき、追熟中にそこからかびます。
- 落とさず手で受ける
- 高い枝の実は片手で実を支えてから切ります。落とすと見た目に傷がなくても内部が傷み、追熟で黒くなります。
- 一段に並べて運ぶ
- かごや浅い箱に重ねずに並べます。重ねると下の実が押されて傷み、追熟の途中でそこから黒ずみます。新聞紙を敷くと転がりも防げます。
追熟のさせ方
採った実は二十度前後の室温に置きます。一〜二週間で果皮が黒っぽく変わり、手で軽く握ってわずかに弾力を感じたら食べごろです。リンゴやバナナと一緒に紙袋に入れると、それらが出すエチレンで追熟が早まります。冷蔵庫に入れると追熟が止まるので、柔らかくなってから入れます。品種によっては熟しても緑色のままのものがあるので、色より弾力で判断します。
一度にたくさん採れたときは、追熟の進み具合をずらすと便利です。すぐ食べる分は紙袋でリンゴと一緒にし、後で食べる分は涼しい部屋にそのまま置いて、時間差で食べごろを迎えるようにします。
| 状態 | 目安 | 扱い |
|---|---|---|
| 採ったばかり、固い | 追熟前 | 室温に置く、紙袋にリンゴと入れると早い |
| 果皮の色が変わり始める | 追熟の途中 | 毎日握って弾力を確かめる |
| 握るとわずかにへこむ | 食べごろ | その日か翌日に食べる、冷蔵で二〜三日は持つ |
| 指の跡が残るほど柔らかい | 熟しすぎ | 中が黒ずんでいることがある、早めに使う |
追熟が進まないまましぼんでくるのは、収穫が早すぎたためです。その実は食べられないので、次の実は二〜三週間待ってから採ります。
保存の方法
固い実は室温で二週間ほど持ち、食べごろになったら冷蔵庫の野菜室で二〜三日保存できます。切った実は空気に触れると黒ずむので、種を残した側にレモン汁をかけてラップで密着させ、冷蔵で翌日までに使います。長く保存するなら、つぶしてレモン汁を混ぜてから冷凍します。冷凍した果肉はディップやスムージーに向きますが、生のような食感には戻りません。
- 食べごろの実は冷蔵へ
- 柔らかくなった実は野菜室に入れて追熟を止めます。二〜三日以内に食べます。冷やしすぎると果肉が黒ずむので、冷蔵庫の奥には置きません。
- 切った実はレモン汁とラップ
- 切り口にレモン汁をかけ、空気が入らないようラップを密着させます。翌日までに使います。
- 余ったらつぶして冷凍
- 果肉をつぶしてレモン汁を混ぜ、平らにして袋で冷凍します。一か月ほどで使い切ります。
収穫で失敗したときの見直し
追熟しても柔らかくならずしぼんだ、柔らかくなったが中が黒く筋が多かった、収穫を待ちすぎて木の上で傷んだ、というのがよくある失敗です。それぞれ、収穫が早すぎた、熟しすぎか収穫時の打ち身、採り遅れが原因で、試し採りの記録をつけることで翌年から見極めが安定します。木ごとに適期がずれるので、同じ株で毎年記録すると精度が上がります。
| 失敗 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 追熟してもしぼむだけ | 収穫が早い | 試し採りで柔らかくなることを確かめてから本収穫 |
| 柔らかいが中が黒く筋が多い | 熟しすぎ、落として打ち身 | 弾力が出たらすぐ食べる、収穫は手で受ける |
| 木の上でしわが寄って傷んだ | 採り遅れ | つやが消えたころに試し採りを始める |
| 味が薄く水っぽい | 実の数が多すぎた、日照不足 | 六月に摘果し、日当たりのよい場所に置く |
家庭で採れたアボカドは店のものより小ぶりなことが多いですが、木で十分に育てた実は脂肪分が多く濃い味になります。大きさより収穫時期を優先します。
アボカドの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
アボカドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアボカドの育て方にまとめています。
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