剪定の時期を決める
アボカドの剪定は、花が終わった五月から六月と、新しい枝が伸び終わる九月上旬までが安全です。花芽は前年の夏から秋の枝先にできるので、秋から冬に切ると翌春の花を落とします。冬は寒さで切り口が傷みやすく、これも避けます。まず株の年齢と目的で、どの時期にどのくらい切るかを決めます。
鉢植えでは高さ二メートル、庭植えでも三メートルまでに抑えると、受粉や収穫、冬の防寒がしやすくなります。放任すると五メートルを超えて手が届かなくなるので、毎年少しずつ切ることを前提に、若いうちから低い樹形を作ります。
| 時期 | 切ってよいか | 作業 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 軽く | 枯れ枝と冬に傷んだ枝先だけ取る |
| 5〜6月 | 適期 | 花後に主な剪定、高さを詰める |
| 7〜8月 | 軽く | 伸びすぎた枝先を摘む |
| 9〜11月 | 避ける | 花芽を落とすので切らない |
| 12〜2月 | 避ける | 寒さで切り口が傷む |
若い株の摘心で枝を作る
種から育てた株も接ぎ木苗も、若いうちは先端の芽だけがぐんぐん伸びて枝分かれしません。高さ三十〜五十センチで先端を摘心(先の芽を摘んで枝分かれを促すこと)すると、そのすぐ下から二〜三本の枝が出ます。これを二〜三回繰り返して、低いところから枝の広がる樹形を作ります。摘心は五月から八月の伸びている時期に行います。
- 高さ三十〜五十センチで先を摘む
- 幹がまっすぐ伸びて三十センチを超えたら、先端の柔らかい部分を指かはさみで五センチほど切ります。切る位置のすぐ下に葉があることを確かめます。
- 出てきた枝を三本に絞る
- 摘心後に出る芽のうち、方向の違う三本を残し、ほかは欠き取ります。三方向に広がる骨格ができます。
- 側枝も三十センチで止める
- 残した枝が三十センチ伸びたら、それぞれ同じように先を摘みます。二年目の夏までにこれを繰り返すと、こんもりした形になります。
摘心すると一時的に背が止まりますが、枝数が増えるぶん葉が増えて株全体は充実します。背を伸ばしたい気持ちを抑えて早めに摘むのがこつです。
実をならせる株の剪定
花が咲く大きさになった株は、五月から六月の花後に高さを詰めます。鉢植えで管理できる高さは二メートルまでが目安で、それ以上伸びた幹は葉のある位置で切り戻します。混み合った枝、内側に向かう枝、枯れ枝を取り、風と光が中まで届くようにします。一度に切る量は全体の三分の一までにとどめ、太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。
切った枝は挿し木には向きませんが、葉つきの枝先を水に挿しておくと数週間は室内で楽しめます。太い枝は乾かしてから処分します。
- 高さを詰める
- 二メートルを超えた幹を、葉のついた枝の上で切ります。葉のない位置で切ると、そこから下が枯れ込むことがあります。
- 混んだ枝を間引く
- 同じ方向に重なる枝、幹に向かって伸びる枝、細くて弱い枝をつけ根から切ります。葉が重なって影を作らないのが目安です。
- 切り口を保護する
- 親指より太い枝を切ったら、切り口に癒合剤を塗ります。アボカドは切り口から乾燥して枯れ込みやすい木です。
枝を横に開く誘引
アボカドの枝は上向きに立ちやすく、立った枝には花がつきにくい傾向があります。若い枝のうちにひもで軽く下に引いて、地面と四十五度くらいの角度に開くと、枝が充実して花芽がつきやすくなります。誘引(枝を目的の方向へ結んで導くこと)は六月から八月の柔らかい枝に行い、一か月ほどで形が固まったらひもを外します。
| 枝の姿 | 花のつきやすさ | 扱い |
|---|---|---|
| 真上に立つ太い枝 | つきにくい | 先を切るか、ひもで横に開く |
| 四十五度に開いた枝 | つきやすい | そのまま残し、先端を切らない |
| 垂れ下がった枝 | つくが実が地面につく | 軽く持ち上げて支柱に結ぶ |
| 内側に向かう細い枝 | つかない | つけ根から切る |
切りすぎたときと伸びすぎたときの直し方
秋や冬に切って翌春の花がなくなったときは、その年は株を育てる年と割り切り、夏に伸びる枝を切らずに充実させます。逆に何年も切らずに三メートルを超えたときは、一度に低くせず、二〜三年かけて毎年花後に三分の一ずつ詰めます。一度に幹を半分にすると、切り口の下から細い枝が大量に出て、花がつかない株になります。
| 失敗 | 起こること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 秋に切って花芽を落とした | 翌春の花がない | 夏の枝を切らずに育て、翌々年の花を待つ |
| 一度に幹を半分にした | 細い枝が大量に出て花がつかない | 細い枝を三本に間引き、翌年から通常の剪定 |
| 葉のない位置で切った | 切り口の下が枯れ込む | 枯れた部分を葉のある位置まで切り直す |
| 摘心せず一本棒に伸びた | 下に葉がなく倒れやすい | 五月に高さ半分の葉のある位置で切り戻す |
アボカドは切り戻すと切り口のすぐ下からよく芽を出します。葉のある位置で切ってさえいれば、多少の失敗は一〜二年で戻せます。
アボカドの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
アボカドの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアボカドの育て方にまとめています。
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