症状から原因を絞る
バナナは日本では大きな病気が少なく、困りごとの多くは虫と水と温度です。葉の色や手触りを見て、まず虫か生理障害かを切り分けます。葉の裏を確かめる習慣があれば、ほとんどは早い段階で見つかります。
| 症状 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 葉が白くかすれ、裏に細かい点 | ハダニ | 白い紙の上で葉を叩き、動く点があるか見る |
| 葉柄や葉裏に白や茶の粒が付く | カイガラムシ | 爪で押すとはがれ、下にべたつきがある |
| 新葉が巻いたまま開かず黒ずむ | 低温か芯の水たまり | 芯に水がたまっていないか触って確かめる |
| 葉に黒い斑点が広がる | 葉の斑点病(黒星病の類) | 湿った時期に古い葉から広がるか見る |
| 株全体が急にしおれる | 根腐れ | 鉢を抜いて根が黒く崩れていないか見る |
葉の斑点病は日本の家庭栽培では軽症で済むことが多く、古い葉を切って風通しをよくすれば広がりません。薬剤はまず使わずに済みます。
ハダニは乾燥した室内で出る
ハダニは秋の取り込み後、暖房で乾いた室内で一気に増えます。葉の裏で汁を吸い、葉全体が白っぽくかすれて光合成ができなくなります。水に弱いので、見つけたら葉の裏を中心にシャワーで洗い流すのが一番確実です。
ハダニは増えると葉の間に細い糸を張ります。糸が見えるほどになると洗い流すだけでは間に合わないので、その前に見つけることが大事です。週に一回、葉の裏を白い紙に叩いて確かめる習慣が効きます。
- 葉裏を洗う
- 風呂場で葉の裏に水を強めに当てて洗い流します。三日おきに三回繰り返すと卵からかえった分も落とせます。
- 湿度を上げる
- 毎日葉に霧吹きをかけ、鉢の周りに水を張った受け皿を置きます。加湿器があれば近くで使います。
- 薬剤を使うなら
- 洗っても減らないときは、園芸用のハダニに効く殺ダニ剤を葉の裏まで丁寧にかけます。同じ薬を続けると効かなくなるので二種類を交互に使います。
カイガラムシは見つけ次第こすり落とす
カイガラムシは殻をかぶっているため薬が効きにくく、物理的に落とすのが基本です。葉柄の付け根や葉の裏の葉脈沿いに付き、排せつ物で葉がべたついて黒いすす病を招きます。冬の室内で増えるので、取り込み前に必ず点検します。
- 歯ブラシでこすり落とす
- 古い歯ブラシで殻ごとこすり落とし、落ちた虫は集めて捨てます。葉が傷つかないよう、葉脈に沿って軽い力でこすります。
- 幼虫の時期に薬剤
- 五月から七月に殻のない幼虫が歩き回る時期だけ、園芸用の殺虫剤が効きます。成虫には薬をかけても意味がありません。
- すす病の葉を拭く
- 黒くなった葉は濡れた布で拭き取ります。光合成を回復させ、見た目も戻ります。拭いても取れないほど古い葉は切り取って構いません。
カイガラムシは一度きれいにしても、翌年また同じ株に出ることが多い虫です。取り込みのたびに葉柄の付け根を点検する習慣が、いちばんの予防になります。
根腐れと芯腐れは水のやりすぎ
バナナは水が好きですが、気温が低い時期に同じ調子で与えると根が窒息して腐ります。また冬の室内で芯に水がたまると、新葉が黒く溶ける芯腐れが起きます。どちらも「寒い時期は乾かし気味」を守れば防げます。
水のやりすぎは、鉢皿にたまった水を捨て忘れることでも起きます。鉢底が常に水に浸かっていると、夏でも根が傷みます。鉢皿を使うなら、水やりのあと十分ほどたって皿の水を捨てる習慣をつけてください。
- 根腐れを確かめる
- 鉢から抜いて根を見ます。白い根が残っていれば回復します。黒く崩れる根を切り、新しい乾いた土に植え替えて二週間は水を控えます。
- 芯腐れの手当て
- 黒く溶けた新葉を引き抜き、芯の水を拭き取ります。株元が固ければ脇から新芽が出ることがあるので、乾かして待ちます。
- 再発を防ぐ
- 気温が十五度を切ったら水は土が乾いてから。室内では葉に霧吹きをしても芯には水を入れないようにします。
植え替えで根を切った直後は、二週間ほど水を控えて切り口を乾かします。すぐにたっぷり与えると、切り口から腐りが入ります。
手当てしても戻らないときの見分け
手を打っても回復しないときは、株そのものが生きているかを判断します。バナナは地上部が全部枯れても、株元の生長点が固ければ春に再生します。逆に株元が腐っていれば、上が青くてもいずれ倒れます。
| 状態 | 見分け方 | 判断 |
|---|---|---|
| 葉が全部枯れたが株元は固い | 株元を押しても凹まない | 生きている。春まで乾かし気味に保つ |
| 株元が柔らかくにおう | 指で押すと水が出る | 親株は諦める。子株が固ければ切り離して育てる |
| 子株が残っている | 細い剣のような葉が出ている | 親株を切り、子株を主役に切り替える |
| 根がすべて黒い | 白い根が一本もない | 回復は難しい。新しい苗を用意する |
株を諦めるときも、鉢の土は再利用しないでください。腐った根の菌が残っていることがあり、新しい苗に移ります。
バナナの収穫までのコツは作物ページに
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