気温で取り込み時期を決める
バナナは十度を下回ると生育が止まり、五度以下で葉が傷み、霜に当たると地上部が枯れます。取り込みの合図は最低気温です。天気予報で夜間の最低気温が十度を下回る日が続くようになったら室内へ移します。関東平野部では十月下旬から十一月上旬が目安です。
取り込みが遅れて一度でも霜に当たると、葉が茶色く枯れて光合成ができなくなり、翌年の生育が一か月以上遅れます。早めに動くほうが安全です。
| 最低気温 | 株の様子 | すること |
|---|---|---|
| 15度以上 | ゆっくり生育 | 屋外のまま。水は控えめにする |
| 10〜15度 | 生育が止まる | 室内の窓辺へ移す準備。肥料は止める |
| 5〜10度 | 葉が黄ばみ始める | 必ず室内へ。屋外なら株を包む |
| 5度未満 | 葉が傷む、霜で地上部が枯れる | 取り込みが間に合わなければ地上部を切って株元を守る |
室内に取り込む手順
室内で冬を越すときの目標は「育てる」ではなく「枯らさない」です。暖房の効いた明るい窓辺が理想ですが、夜に冷え込む窓際は避け、窓から一メートル以内の日の当たる床に置きます。乾燥する部屋ではハダニが出やすいので、葉に霧吹きをかける習慣をつけます。
- 取り込む前に葉を減らす
- 室内で場所を取らないよう、傷んだ葉と外側の大きな葉を二枚から三枚残して切ります。芯の新葉は絶対に切りません。
- 虫を持ち込まない
- 取り込む前日に葉の裏と株元をシャワーで洗い流します。カイガラムシがいれば歯ブラシでこすり落とします。
- 置き場所を決める
- 日中に日が入る南か東の窓の近くで、夜の冷気が直接当たらない場所に置きます。暖房の風が直接当たる場所は葉が乾いて傷みます。
- 水は月に二回から三回
- 土が乾いて三日ほどたってから、常温の水を鉢底から少し流れる程度に与えます。冷たい水道水は根を冷やすのでくみ置きします。
室内で葉が全部黄色くなっても、株元が固ければ生きています。春に暖かくなれば芯から新葉が出るので、捨てずに待ってください。
屋外で越冬させる場合の株元保護
大鉢で動かせない株や地植えの株は、地上部を諦めて株元の生長点だけを守ります。霜に当たる前に葉を落とし、幹(偽茎)を地際から五十センチから一メートルの高さで切り、切り口から水が入らないように覆います。株元には落ち葉や腐葉土を二十センチ以上盛ります。
この方法は「地上部は毎年枯れる」前提なので、実を採るのは難しくなります。関東で収穫まで狙うなら、やはり室内に入る大きさの鉢で育てるのが現実的です。地植えは葉を楽しむ株と割り切ると気が楽です。
- 幹を切る高さを決める
- 耐寒性のある品種は一メートル、それ以外は五十センチ前後で切ります。低く切るほど守りやすく、高く残すほど春の再生が早くなります。
- 切り口を覆う
- 切り口にビニール袋をかぶせて雨水が入らないようにし、幹全体を不織布か麻布で二重に巻きます。ビニールだけで巻くと蒸れて腐ります。
- 株元を盛る
- 落ち葉や腐葉土を株元に二十センチ以上盛り、その上に不織布をかけて風で飛ばないように押さえます。土を寄せるだけでも効果があります。
- 春に外す
- 四月中旬に最低気温が十度を超える日が続いたら覆いを外します。幹の中心が固く生きていれば、五月以降に新葉が出ます。
冬の間に起きやすいトラブル
冬のバナナは動かないので、変化があるときは何かが起きています。多くは水のやりすぎによる根腐れか、乾燥した室内でのハダニです。葉の様子を週に一回は確かめ、早めに手を打ちます。
| 症状 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が下から順に黄色くなる | 低温と日照不足の自然な落葉 | そのまま様子を見て、黄色くなった葉だけ切る |
| 葉の裏に細かい点、葉が白っぽくかすれる | ハダニ | 葉の裏を水で洗い流し、加湿する |
| 株元が柔らかくにおう | 根腐れか芯腐れ | 水を止め、傷んだ部分を取り除いて乾かす |
| 新葉が途中で止まり黒くなる | 芯に水がたまって冷えた | 室内では芯に水をかけない。傷んだ新葉を抜き取る |
冬の室内では風がなく葉が乾きにくいため、霧吹きは午前中に行い、夜に葉が濡れたままにならないようにします。
春の立ち上げ方
冬越しした株を外に出すのは、最低気温が十五度近くまで上がる五月の連休以降です。急に直射日光に当てると冬の間に弱った葉が焼けるので、一週間は明るい日陰で慣らします。室内で徒長(弱い光で間延びすること)した葉は焼けても仕方ないと考え、新しい葉が出ることを優先します。
- 慣らしながら外へ
- 最初の一週間は午前中だけ外に出し、午後は日陰へ。次の週から終日日なたに置きます。
- 植え替えを兼ねる
- 二年以上同じ鉢なら、外に出すタイミングで根を三分の一ほど整理して新しい土で一回り大きな鉢に植え替えます。
- 新葉が出てから肥料
- 新葉が一枚展開してから追肥を始めます。動く前に肥料を与えると、弱った根が傷んで回復が遅れます。
バナナの冬越しに使うもの
落葉樹は寒さに強く、常緑樹と柑橘は弱い。自分の木がどちらかで、要るものが変わります。
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
根の周りの土を凍らせないためです。春には土に混ざるので、片付けが要りません。
- 幹巻きテープ・こも探す言葉「幹巻テープ 樹木 防寒」
- 規格の目安
- 幅 100mm 前後の不織布テープか、わらのこも。
冬の強い日射と放射冷却の差で、幹の南面が割れることがあります。若木ほど起こりやすいです。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。
寒さに弱い木を覆います。ビニールと違って蒸れず、かけたままにできます。
- マシン油乳剤探す言葉「マシン油乳剤」
- 規格の目安
- 園芸用。使う前に、対象の作物への登録をラベルで確かめます。
落葉期は枝が見えるので、越冬している虫に届かせやすい時期です。使う作物の登録は必ず確認してください。
- 落葉樹で耐寒性のあるものは、株元を覆うだけで足ります。幹巻きは要りません。
- 鉢植えなら、軒下へ動かすだけで越せる木が多いです。
バナナの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバナナの育て方にまとめています。
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