普通のバラの管理をそのまま持ち込まない
普通のバラは肥料をよく吸い、年間を通した施肥の設計と、黒星病やうどんこ病への警戒が欠かせません。その日々の管理はバラのページにあります。モッコウバラは原種に近い強健な性質で、肥料は少なくてよく、薬剤もほぼ要りません。バラ用の施肥計画をそのまま使うと、肥料過多で咲かなくなるのがこの作物の典型的な失敗です。
日々の管理で気をつけるのは実質2つだけです。鉢植えの水切れと、肥料をやりすぎないことです。あとは花後の剪定と秋の誘引さえ時期を守れば、毎年春に房咲きが戻ってきます。
| 項目 | 普通のバラ | モッコウバラ |
|---|---|---|
| 肥料 | 寒肥、芽出し肥、お礼肥、秋肥と年数回 | 2月と花後の2回、少量 |
| 薬剤 | 黒星病・うどんこ病の予防散布 | 原則不要。出たら摘葉で対応 |
| 水やり(地植え) | 乾いたら | 根付けば雨まかせ |
| 花がら切り | 繰り返し咲かせるため必須 | 花後の剪定でまとめて |
鉢植えの水やり
鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底の穴から流れ出るまでたっぷり与えます。モッコウバラは多湿を嫌うので、表土が湿っているうちに重ねてやらないことも大事です。葉の量が多く、夏は1日で鉢が乾くので、朝に乾き具合を見る習慣をつけます。真夏の水切れは葉を落とし、鉢植えが弱る一番の原因です。
- 春と秋は表土が乾いたら
- 鉢の表面が白っぽく乾き、鉢を持ち上げて軽くなったら与えます。2〜3日に1回が目安ですが、天気と鉢の大きさで変わるので土を見て決めます。
- 夏は朝か夕方に毎日
- 気温の低い朝か夕方に、鉢底から流れるまで与えます。西日の当たる場所では昼過ぎにしおれることがあるので、夕方にもう一度様子を見ます。
- 冬は控えめに
- 休眠中は水を吸う量が減るので、表土が乾いて2〜3日たってから、暖かい日の午前中に与えます。やりすぎると根が傷みます。
- 葉水でハダニを防ぐ
- 乾燥が続く夏は、水やりのついでに葉の裏まで水をかけます。ハダニが出にくくなり、葉のほこりも落ちます。
地植えの水やり
地植えのモッコウバラは、根付いた後は基本的に水やりが要りません。雨だけで育ち、真夏に高温と乾燥が10日以上続いたときや、株に元気がないときに、土の乾きを確かめてからたっぷり与える程度です。植え付けた年の最初の夏だけは、雨が1週間降らなければ水をやって根付きを助けます。
- 植えた年の夏は週1回を目安に
- 根がまだ浅いので、雨が降らない週はバケツ1杯ほどを株元にゆっくり与えます。株元に腐葉土を敷くと乾きが遅くなります。
- 2年目以降は干ばつのときだけ
- 葉が昼にしおれて朝も戻らないときが合図です。それ以外は水をやらないほうが根が深く張り、丈夫に育ちます。
肥料は年2回、少量で
モッコウバラは一般のバラより肥料分が少なくても開花し、多肥を嫌います。肥料をやりすぎると枝葉ばかりが茂り、花芽がつきにくくなります。与えるのは芽が動き始める2月と、花後の剪定を終えた5〜6月の2回で、緩効性の固形肥料を株元にひとつまみから、鉢なら規定量の半分ほどで足ります。
- 2月の芽出し肥
- 芽が動く前に、緩効性肥料を株元から少し離して置きます。鉢植えは鉢の縁に沿って、規定量の半分を目安にします。
- 花後のお礼肥
- 5〜6月の剪定後に同じ量を与え、夏に伸びる枝を助けます。ここで与えた養分が翌年の花芽になります。
- 夏以降は与えない
- 7月以降に肥料を与えると、秋に花芽がつくべき枝が葉ばかり茂らせます。秋肥も寒肥も、モッコウバラには要りません。
- 液体肥料は使うなら薄く
- 鉢植えで株の勢いが弱いときだけ、液体肥料を規定の倍に薄めて春に数回与えます。元気な株には要りません。
花がら切りと開花中の手入れ
一季咲きなので、普通のバラのように花がらを切って次の花を促す必要はありません。開花中は水を切らさないようにし、咲き終わった房は見た目が気になれば摘む程度にします。花が全部終わったら、花がら切りではなく花後の剪定として枝ごと切り戻します。
- 開花中は水を切らさない
- 花が一斉に咲く4〜5月は水を多く使います。鉢植えは乾きが早くなるので、朝に土を確かめ、必要なら夕方にも与えます。
- 咲き終わりは剪定の合図
- 房の大半が散ったら、花がらを個別に摘まずに、咲いた枝を半分に切り戻す花後の剪定に入ります。遅くとも7月までに終えます。
年間の管理の目安
東京の鉢植えを例に、水やりと肥料を中心とした1年の目安をまとめます。普通のバラより作業が少ないぶん、剪定と施肥の時期を間違えないことがすべてです。
| 時期 | 水やり | 肥料とその他 |
|---|---|---|
| 12〜1月 | 乾いて2〜3日後の午前中 | 何もしない。枝は切らない |
| 2〜3月 | 表土が乾いたら | 芽出し肥を少量。植え替えの最終時期 |
| 4〜5月 | 開花中は切らさない | 開花。肥料は与えない |
| 5〜6月 | 表土が乾いたら | 花後の剪定とお礼肥 |
| 7〜8月 | 朝夕に毎日、葉水も | 肥料なし。7月までに枝の整理を終える |
| 9〜11月 | 表土が乾いたら | 誘引。切らない。11月から植え替え可 |
よくある質問
いつ?
12〜1月: 乾いて2〜3日後の午前中。2〜3月: 表土が乾いたら。4〜5月: 開花中は切らさない。5〜6月: 表土が乾いたら。
量の目安は?
根がまだ浅いので、雨が降らない週はバケツ1杯ほどを株元にゆっくり与えます。
モッコウバラの育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
モッコウバラの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はモッコウバラの育て方にまとめています。
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