刈り時は穂の色と実の固さで決める
大麦は穂が出てから三十五日から四十五日で実が固まります。穂全体が黄色く変わり、茎も上のほうまで黄色くなり、実を爪で押しても凹まず、かんでカリッと割れたら刈り時です。関東なら五月下旬から六月上旬が目安で、麦類でいちばん早く刈れます。
梅雨入り前に刈り終えるのが大麦の強みです。梅雨入りの予報が出たら、穂に青みが残っていても実が固ければ刈ります。干している間に追熟します。待ちすぎると穂が雨に濡れてかびが出ます。
| 穂の見た目 | 判断 | 作業 |
|---|---|---|
| 穂が緑で実が柔らかい、押すと乳が出る | 早い | 一週間から二週間待つ |
| 穂が黄色く、実が固くて凹まない | 刈り時 | 二日晴れが続く日の午前に刈る |
| 穂が茶色く、首が折れて垂れる | 遅い | すぐ刈る。下にシートを敷く |
株元で刈って束ねる
刈り取りは鎌で、地際から十センチほどのところを切ります。株ごと刈って束ねると干しやすく、茎は敷きわらに使えます。朝露が乾いた午前中に刈ると、穂が湿っておらず実もこぼれにくくなります。
刈った株は根元を揃えて十本から二十本ずつ紐で束ね、風通しのよい軒下に穂を下にして吊るします。大麦ののぎ(穂の先の細い毛)は固く、肌に刺さるので、刈るときは長袖と手袋を着けます。
- 株元を鎌で切る
- 左手で数株をまとめて持ち、右手の鎌で地際十センチを引くように切ります。穂を下に向けないように持ちます。
- 束ねて吊るす
- 根元を揃えて十本から二十本ずつ紐で束ね、穂を下にして軒下に吊るします。束が太いと中が乾きません。
- こぼれた実は拾う
- 刈っている間にこぼれた実は、シートを敷いておいて集めます。熟れた実なので種にも使えます。
大麦は穂の首が折れて垂れると実がこぼれやすくなります。穂が垂れ始めたら、天気を待たずに刈ります。
一週間から二週間干して実を固める
干す期間は晴れが続けば一週間、梅雨に入っていれば二週間が目安です。穂を握って実が指に付かず、実をかんでカリッと音がすれば乾いています。乾きが足りないまま脱穀すると、保存中にかびます。
干している間はスズメが来るので、軒下でもネットをかけるか、屋内の風通しのよい場所に移します。晴れた日には外に出して日に当て、夜と雨の日は取り込みます。
- 穂を握って確かめる
- 束を握って実がぱらぱら落ち、指に湿り気が残らなければ乾いています。しっとりするならもう一週間干します。
- かんで音を聞く
- 実を数粒かんでみて、カリッと割れれば合格です。歯にくっつくならまだ乾いていません。
- かびた穂を除く
- 干している間に穂を見て、ピンク色に変わった穂を取り除きます。かびの毒は乾いても残るので、食べずに畑の外へ捨てます。
脱穀はたたいて落とし、のぎを取る
乾いた束をシートの上に置き、穂を棒でたたくか、束のまま洗面器の縁や板に打ちつけて実を落とします。大麦はのぎが長く固いので、落ちた実に混じったのぎを取る手間が要ります。厚手の袋に入れて足で踏むと、のぎが折れて取れやすくなります。
落ちた実には穂の軸やのぎが混じります。ふるいにかけて大きなごみを除き、風のある日に高いところから少しずつ落として、軽いごみを風で飛ばします。はだか麦なら、この段階で皮も一緒に外れます。
- 束を板に打ちつける
- 束の根元を持ち、穂を板や洗面器の縁に打ちつけます。数回で大半が落ち、残りは棒で軽くたたきます。
- 袋に入れて踏む
- 実を厚手の袋に入れて足で踏み、のぎを折ります。はだか麦なら皮もここで外れます。踏んだあと袋を振って、粉になったのぎを底に落とします。
- ふるいと風で選別
- 目の粗いふるいで軸を除き、風のある日に高さ五十センチから少しずつ落として、のぎと皮を飛ばします。
はだか麦は麦ご飯、皮麦は麦茶にする
はだか麦は選別した実をそのまま使えます。白米に一割から二割混ぜ、水を一割ほど多めにして炊きます。粒が固いなら一晩水に浸けるか、すり鉢で軽く砕いてから炊くと食べやすくなります。もち性のはだか麦は浸けなくても柔らかく炊けます。
皮麦は皮が実に残るので、皮ごと炒って麦茶にします。洗って乾かした実をフライパンで弱火から中火で二十分ほど、絶えず混ぜながら焦げ茶色になるまで炒ります。冷ましてから密閉容器に入れ、煮出して飲みます。
- はだか麦は炊く
- 白米に一割から二割混ぜ、水を一割多めにして普通に炊きます。固ければ一晩浸けてから炊きます。
- 皮麦は炒る
- 洗って乾かした実をフライパンで二十分ほど炒り、焦げ茶色になったら火を止めて冷まします。
- 密閉して冷暗所
- 乾いた実を密閉容器に入れ、冷暗所に置きます。一年以上持ち、翌年の種にもなります。夏は冷蔵庫に入れると虫が付きません。
収穫でつまずいたときの戻し方
雨が続いて刈れない、干している間にかびた、皮が取れない。大麦の収穫は梅雨前に終わるはずですが、遅れると小麦と同じ悩みが出ます。湿ったあとにできることと、皮の問題を分けて考えます。
- 雨が続いて刈れない
- 半日でも晴れたら刈って軒下に運びます。濡れたまま刈った束は、扇風機で風を当てて一晩で表面を乾かします。
- 干している間にかびた
- 束をほどいて、かびた穂を取り除きます。残りは薄く広げて風を当て、乾いてから脱穀します。かびた穂は食べません。
- 脱穀しても皮が取れない
- 皮麦です。家庭で皮をむくのは難しいので、その年は麦茶にします。翌年ははだか麦の種にします。
大麦の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
大麦の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大麦の育て方にまとめています。
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