まき時は十月下旬から十一月中旬、早すぎても遅すぎても倒れる
大麦は関東の露地なら十月下旬から十一月中旬がまき時です。早くまきすぎると冬までに伸びすぎて霜で傷み、春に倒れやすくなります。遅すぎると根が張る前に冬に入って株が小さく、穂の数が減ります。寒冷地は十月上旬から中旬、暖地は十一月いっぱいまでまけます。
冬の寒さに当たってから春に穂を出す性質があるので、春にまくと穂が出ません。収穫は五月下旬から六月上旬で、麦類でいちばん早く、梅雨入り前に刈り終えられます。
| 時期 | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 10月上旬〜中旬 | 5月下旬 | 寒冷地向き。関東では伸びすぎて霜で傷む |
| 10月下旬〜11月中旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 関東ではいちばん失敗が少ない |
| 11月下旬〜12月上旬 | 6月上旬〜中旬 | 株が小さく穂が減る。暖地なら可 |
石灰をまいて酸性を直し、高畝にする
大麦は麦類でいちばん酸性の土を嫌います。まく二週間前に一平方メートルあたり苦土石灰を百五十グラムから二百グラムまいて耕し、酸度を中性近くに直します。ライ麦なら石灰なしで育ちますが、大麦で石灰を省くと生育が悪くなります。
湿気にも弱く、水はけの悪い畑では根が傷んで冬に枯れます。低い場所なら高さ十五センチの畝を立て、畝の向きを傾斜に沿わせて水を逃がします。堆肥は一平方メートルに一キロ、化成肥料はひと握りの半分を元肥(前もって入れる肥料)として一週間前に混ぜます。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルに百五十グラムから二百グラムまき、二十センチの深さまで耕します。前作で石灰を入れていても大麦には足します。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 堆肥一キロと化成肥料ひと握りの半分を混ぜ、幅六十センチ、高さ十センチから十五センチの畝を立てます。
- 水はけを確かめる
- 雨のあとに畝間に水が残るなら、畝を高くするか、畝の端を切って水を逃がします。湿った畑では大麦は冬を越せません。
すじまきで二センチ間隔、覆土は二センチ
深さ二センチから三センチの溝に二センチ間隔ですじまきし、覆土(かぶせる土)は二センチほどにします。条間(溝と溝の間)は三十センチが目安です。一平方メートルあたりの種の量は十グラム前後で、厚くまいても間引きは要りません。
まいたあとは足で軽く踏んで種と土を密着させます。踏むと発芽が揃い、鳥にも掘られにくくなります。秋は雨があるので水やりは基本不要ですが、二週間晴れが続いて表面が白く乾いたら朝に条間へ与えます。
- 深さ二センチの溝を作る
- 支柱や板の縁を土に押しつけて溝を作ります。条間は三十センチにします。畝の上に二条か三条取ります。
- 二センチ間隔で流す
- 種を指でつまんで、溝に沿ってすり合わせながら落とします。固まったところは指でならします。
- 二センチ覆土して踏む
- 溝の両側の土を寄せてかぶせ、足で軽く踏みます。踏んだあと、乾いていればたっぷり水を与えます。
- 鳥よけの不織布
- スズメやハトが種を掘るので、発芽まで不織布をべた掛けします。芽が出そろったら外します。
大麦は種に皮が付いたままなので、発芽に一週間から十日かかります。はだか麦は皮がないぶん少し早く出ます。
発芽から冬までは麦踏みだけ
地温が十度以上なら一週間から十日で発芽します。冬の間は草丈十センチから二十センチのまま、株元で分げつ(株元から茎が枝分かれすること)を増やして過ごします。霜が降りても枯れませんが、はだか麦は皮麦より寒さに弱いので、氷点下五度を下回る地域では注意します。
冬の間にすることは、霜柱で根が浮いたときの麦踏み(芽を足で踏むこと)だけです。十二月から二月に二回から三回、晴れた日に条に沿って踏みます。踏むと根が張り、分げつが増えて倒れにくくなります。
- 発芽を確かめる
- まいて二週間たっても芽が出ないなら、溝を掘って種を見ます。固いままなら待ち、腐っていればまき直します。
- 十二月から麦踏み
- 本葉が三枚以上になり、霜柱が立つころから、晴れた日の午前に条に沿って踏みます。二週間から三週間おきに二回から三回です。
- 三月からは踏まない
- 三月に入って茎が立ち上がってきたら、踏むと穂の元を傷めます。麦踏みは二月までで止めます。
種まきでつまずいたときの原因と立て直し
芽が出ない、発芽がまばら、冬に枯れた。大麦の失敗は湿気と酸性に集中しています。十一月中ならまき直しが間に合うので、二週間で芽が出なければ迷わず溝を掘って種の状態を確かめ、原因を見極めてから手を打ちます。
- 二週間たっても芽が出ない
- 乾きか、種が古いかです。溝を掘って種を見て、固いままなら水をやって待ち、しなびていれば新しい種でまき直します。
- 発芽がまばら
- 鳥が種を掘ったか、覆土が浅くて乾きました。欠けたところに追いまきし、踏んで土を締めます。
- 冬に葉が黄色く枯れた
- 湿気で根が傷んだか、霜柱で根が浮いています。畝間の水を逃がし、麦踏みをして根を土に押しつけます。
- 生育が悪く葉が赤紫になる
- 酸性の土で養分が吸えていません。今年は追肥で補い、翌年は石灰を二百グラムに増やします。
種まきの手順
大麦は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
大麦の種まきでよくある質問
大麦の種はいつまく?
大麦は関東の露地なら十月下旬から十一月中旬がまき時です。早くまきすぎると冬ま…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
大麦の種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
大麦の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
大麦の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
大麦は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
大麦の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
大麦の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
大麦の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大麦の育て方にまとめています。
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