使い道から三つの系統を選ぶ
大麦は穂の並びで六条と二条に、皮が実から離れるかどうかで皮麦とはだか麦に分かれます。家庭菜園で扱いやすいのは、皮が簡単に取れて麦ご飯にできるはだか麦と、炒って麦茶にする六条の皮麦です。二条は粒が大きく、麦芽を作る系統ですが、皮をむく手間が要ります。
使い道が決まっていないなら、はだか麦を選びます。脱穀すれば皮がほぼ外れ、そのまま炊いたり炒ったりできます。皮麦は脱穀しても皮が残り、家庭で皮をむくのは難しいので、麦茶か種取り用と割り切ります。
| 種類 | 特徴 | 向く使い道 |
|---|---|---|
| 六条皮麦 | 穂に六列の実。粒は小さめで皮が固く残る | 炒って麦茶。皮ごと使う |
| 二条皮麦 | 穂に二列の実。粒が大きく揃う | 麦芽。家庭では皮むきが難しい |
| はだか麦 | 脱穀で皮が外れる。六条が多い | 麦ご飯、麦茶、粉にする。家庭向き |
| もち性のはだか麦 | 粘りがあり冷めても固くならない | 麦ご飯、雑穀ご飯。人気の系統 |
はだか麦は家庭菜園でいちばん扱いやすい
はだか麦は脱穀すると皮が実から離れ、玄麦のまま使えます。麦ご飯にするなら、白米に一割から二割混ぜて、水を少し多めにして炊きます。粒が固いなら一晩水に浸けるか、軽く砕いてから炊くと食べやすくなります。
もち性のはだか麦は粘りがあって冷めても固くならず、近年家庭菜園で人気です。種は雑穀や麦の種を扱う店で手に入ります。栽培の手順は皮麦と同じで、収穫の時期もほぼ同じです。
- 種の袋で系統を確かめる
- 袋に「はだか麦」「裸麦」と書いてあるものを選びます。「六条大麦」とだけあるものは皮麦のことが多いです。
- もち性なら麦ご飯向き
- 「もち麦」と書かれた種はもち性のはだか麦です。麦ご飯を主な目的にするならこれを選びます。
- 少量から試す
- 一平方メートルで実が三百グラムから五百グラム穫れます。初めての年は二平方メートルほどで様子を見ます。
六条皮麦は麦茶にする
六条皮麦は実に皮が残ったままですが、麦茶にするなら皮ごと炒るので問題ありません。脱穀した実をフライパンで焦げ茶色になるまで炒り、冷ましてから煮出します。穫れたての麦で作る麦茶は香りが強く、この系統を育てる楽しみになります。
皮麦の種は、緑肥や麦茶用として売られているものが手に入りやすいです。栽培は最も丈夫で、はだか麦より寒さと病気に強い傾向があります。麦茶が目的なら、収量より丈夫さを取ってこの系統にするのが安心です。
- 皮ごと炒る
- 脱穀した実を洗って乾かし、フライパンで弱火から中火で二十分ほど、絶えず混ぜながら焦げ茶色になるまで炒ります。
- 冷まして保存する
- 炒った麦は完全に冷ましてから密閉容器に入れます。ひと月ほどで香りが落ちるので、使う分だけ炒ります。
- 炒り加減は音と色で判断
- パチパチと音がして表面が焦げ茶色になったら火を止めます。黒くなるまで炒ると苦みが強く出るので、色を見て早めに止めます。
種の袋の表示で見分ける
店頭の袋には「六条大麦」「二条大麦」「はだか麦」「もち麦」のどれかが書かれています。「大麦」とだけあるものは皮麦のことが多いので、麦ご飯が目的なら「はだか」か「もち」の字を確かめます。緑肥用と書かれた種も食用にできますが、品種名がなく食味は当たり外れがあります。
| 袋の表示 | 系統 | 選ぶ目安 |
|---|---|---|
| 六条大麦、緑肥用大麦 | 六条皮麦 | 麦茶、敷きわら、緑肥なら迷わずこれ |
| 二条大麦、ビール麦 | 二条皮麦 | 粒の大きさを楽しむ。皮むきは覚悟する |
| はだか麦、裸麦 | はだか麦 | 麦ご飯、粉にする。家庭の主力 |
| もち麦 | もち性のはだか麦 | 麦ご飯の食感重視。種は早めに確保 |
早生と晩生、寒冷地と暖地で選び分ける
大麦は麦類の中でいちばん収穫が早く、関東なら五月下旬から六月上旬に刈れます。梅雨入り前に刈り終えられるのが大麦の強みで、早生の品種を選ぶとその余裕がさらに増します。暖地では早生、寒冷地では寒さに強い品種を選びます。
はだか麦は皮麦よりやや寒さに弱く、寒冷地では冬に枯れることがあります。寒冷地なら六条皮麦か、寒さに強いと明記されたはだか麦を選び、まき時を早めて根を張らせてから冬に入れます。
| 地域 | 向く系統 | 要点 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 六条皮麦、寒さに強いはだか麦 | 十月上旬までにまいて根を張らせる |
| 関東平野部 | どの系統でも育つ | はだか麦なら麦ご飯、皮麦なら麦茶 |
| 暖地 | 早生のはだか麦 | 梅雨前に刈り切れる早生を選ぶ |
品種選びで失敗したときの見分けと立て直し
皮が取れない、冬に枯れた、穂が出なかった。品種選びの失敗は収穫のときに分かることが多く、その年は使い道を変えて対処し、翌年に系統を変えます。
- 脱穀しても皮が取れない
- 皮麦を選んでいます。その年は麦茶にして皮ごと使い、翌年ははだか麦の種を買い直します。
- 冬に葉が枯れて株が減った
- 寒さに弱い系統を寒冷地でまいたか、まき時が遅くて根が張る前に冬に入りました。翌年は皮麦にするか、まき時を二週間早めます。
- 春に穂が出なかった
- 春まきしたか、暖冬で寒さが足りませんでした。大麦は寒さに当たらないと穂を出さないので、十月から十一月の秋まきに戻します。
大麦の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は大麦の育て方にまとめています。
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