症状から原因を見分ける
大麦のトラブルは湿気に関わるものが大半です。冬の根傷み、春の病気、収穫期の赤かび病はどれも水はけと雨が原因で、対処は水を逃がすことと早めに刈ることに集約されます。まず株の姿を見て切り分けます。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 冬に葉が黄色くなり株が枯れる | 湿気による根傷み | 畝間の水を逃がす。翌年は高畝に |
| 葉が赤紫になり生育が悪い | 酸性の土 | 追肥(育ちの途中で足す肥料)で補い、翌年は石灰を増やす |
| 葉に黄色い縞が入って株が縮む | 縞萎縮病(土の中のウイルス) | 治らない。抜いて、その畑では数年作らない |
| 葉に茶色や黄色の粉がふく | さび病、うどんこ病 | 下葉を取り除く。収穫前なら放置でよい |
| 穂の一部がピンクや赤茶色にかびる | 赤かび病 | その穂を取り除き、食用にしない |
| 穂の実が抜けて軸だけ残る | スズメ | ネットをかける |
湿気による根傷みは畝の高さで防ぐ
大麦は麦類でいちばん湿気に弱く、畝間に水がたまる畑では冬の間に根が傷んで株が枯れます。葉が黄色くなって株元を引くと簡単に抜けるなら、根が腐っています。この時点で対処しても回復しないので、予防がすべてです。
まく前に畝を十五センチ以上に高くし、畝の向きを傾斜に沿わせて水が流れるようにします。粘土質の畑なら堆肥を多めに混ぜて土をふかふかにし、水はけを良くします。プランターなら鉢底石を厚めに入れます。
- 雨の翌日に畝間を見る
- 水が残っていたら、畝の端を切って逃がします。畝間にくわで溝を掘るだけでも流れます。
- 枯れた株は抜く
- 黄色くなって根が腐った株は、残しても病気の元になります。抜いて処分し、残った株に追肥(育ちの途中で足す肥料)をして穂の数を補います。
- 翌年は畝を高くする
- 枯れが出た畑では、翌年は畝を五センチ高くし、堆肥を二倍にして水はけを直します。粘土質なら川砂を混ぜるのも効きます。
赤かび病は早めの収穫で防ぐ
赤かび病は穂の実がピンクや赤茶色に変わるかびの病気で、開花期から収穫期に雨が続くと出ます。かびの毒が実に残るので、色の変わった穂は食べません。大麦は梅雨入り前に刈れるので小麦より発生が少ないですが、収穫が遅れると同じように出ます。
防ぐには、穂が黄色くなったら雨の合間に早めに刈り、雨に当てずに干すことです。倒れて穂が地面に着いた株はとくに出やすいので、倒伏を防ぐことも対策になります。脱穀のあとも実を広げて、色の変わった実を拾い出します。
- 穂が黄色くなったらすぐ刈る
- 実が固まっていれば、全部が黄色くなるのを待たずに晴れ間に刈ります。干している間に追熟します。
- 色の変わった穂は除く
- 刈るときにピンクや赤茶色の穂を見つけたら、束に入れずに畑の外へ捨てます。脱穀後も色の変わった実を拾い出します。
- 軒下で風を当てて干す
- 梅雨に入ってしまったら軒下に吊るして扇風機で風を当てます。湿ったまま置くとかびが広がります。
赤かび病の実は炒っても毒が消えません。麦茶にする場合も、色の変わった実は必ず取り除きます。
縞萎縮病は土に残るので畑を変える
縞萎縮病は土の中のウイルスが原因で、春先に葉に黄色い縞が入り、株が縮んで穂が出なくなります。治す方法はなく、出た株を抜いても土にウイルスが残るので、その畑では数年大麦を作れません。
家庭菜園ではまれですが、毎年同じ場所で麦を作っていると出やすくなります。出たら翌年は別の場所に移し、その畑では豆類や葉物を作ります。病気に強い品種を選ぶのも対策です。
- 三月に葉の縞を見る
- 春先に葉に黄色い縞が入り、周りより明らかに小さい株を探します。見つけたら抜いて処分します。
- その畑では数年作らない
- 出た畑では三年から四年は大麦と小麦を作らず、別の場所に移します。ライ麦もかかることがあるので避けます。
鳥害は麦類でいちばん早く来る
大麦は五月に実が入り、周りにまだ餌が少ない時期なのでスズメが集中します。穂が出たら支柱を立て、実が膨らんだらネットを張ります。株数が少ない畑では一週間で穂が空になることがあるので、被害を見てからでは間に合いません。
カラスは穂を丸ごと引き抜くことがあり、目の粗いネットでは防げません。カラスが来る畑では、目合い二センチ以下のネットで畝全体を覆います。
- 穂が出たら支柱
- 畝の両端と中間に、穂より三十センチ高い支柱を立てます。ネットを渡す準備をしておきます。
- 実が膨らんだらネット
- 防鳥ネットを支柱の上に渡し、裾を地面まで下ろして石で押さえます。裾が浮くと下から入られます。
- 食われた穂を見たら
- 実が抜けた穂を見つけたら、その日のうちにネットの隙間を探して直します。一度味を覚えると毎日来ます。
実が入らないときの切り分け
穂は出たのに実が膨らまない、穂が小さい、実が軽い。原因は根傷み、まき時の遅れ、肥料不足、酸性の土の四つが多く、翌年の畑の準備を変えることで防げます。
- 穂が小さく数が少ない
- 遅まきか、二月の追肥が遅れて分げつが少なかったからです。翌年は十一月中旬までにまき、二月上旬に追肥します。
- 葉が赤紫で実が入らない
- 酸性の土で養分が吸えていません。翌年は石灰を一平方メートルに二百グラムに増やします。
- 実が軽く白い
- 根傷みか、赤かび病か、収穫が早すぎたかです。畝間の水を逃がし、色の変わった実は除き、実が固まるまで待ちます。
大麦の収穫までのコツは作物ページに
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