秋まきが主力、春と夏はおまけ
チンゲンサイは春から秋までまけますが、いちばん作りやすいのは秋まきです。九月にまくと気温が下がる中で育ち、虫が減り、株が締まって甘くなります。春まきはとう立ち(花芽が伸びて株が固くなること)しやすく、夏まきは虫と暑さで葉が傷みます。
関東の露地なら九月上旬から十月上旬にまき、十月中旬から十一月に収穫します。まく日を一週間ずつずらすと、収穫も分散して食べ切れます。

| まき時 | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 5月 | 低温でとう立ちしやすい。トンネル向き |
| 5月〜8月 | 6月〜9月 | 虫と暑さで難しい。ネット必須 |
| 9月上旬〜10月上旬 | 10月中旬〜11月 | いちばん失敗が少ない |
すじまきで一センチ間隔に流す
深さ一センチほどの溝に、一センチ間隔で流すようにまく「すじまき」が基本です。条間(溝と溝の間)は二十センチにします。厚くまくと間引きが大変になり、薄いと欠株ができるので、一センチ間隔を意識します。
覆土(かぶせる土)は五ミリほどにし、手のひらで軽く押さえて種と土を密着させます。まいたあとはたっぷり水を与え、発芽まで表面を乾かさないようにします。二十度前後なら三日から四日で発芽します。
- まき溝を作る
- 板の縁や支柱を土に押しつけて、深さ一センチのまっすぐな溝を作ります。条間は二十センチにします。
- 一センチ間隔で流す
- 種を親指と人差し指でつまみ、溝に沿ってすり合わせながら落とします。固まった場所は指でならします。
- 薄く覆土して押さえる
- 溝の両側の土を指でつまんで寄せ、五ミリほどかぶせます。手のひらで軽く押さえ、たっぷり水を与えます。
- まいた日に防虫ネット
- 発芽直後から虫が来るので、まいた日にネットをかけます。裾を土で押さえて隙間をなくします。
ポットにまいて苗を作り、本葉三枚で植える方法もあります。虫の多い時期や、畝が空くのを待つときに便利です。
土は石灰で中和し、元肥はふつうに
チンゲンサイは酸性の土を嫌うので、まく二週間前に苦土石灰をまいて耕します。一週間前に完熟堆肥と元肥(前もって入れる肥料)を混ぜ込み、幅六十センチの畝を立てます。生育が速いので、元肥がしっかり入っていれば追肥は一回で足ります。
前作がアブラナ科(小松菜、大根、キャベツなど)だった畝は避けます。同じ仲間を続けて作ると根こぶ病が出やすくなります。畝ごとに前作を記録しておくと、輪作の計画が立てやすくなります。
- 二週間前に石灰
- 苦土石灰を一平方メートルに百グラムほどまき、二十センチの深さまで耕します。石や固い土の塊はこのときに取り除きます。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 一平方メートルあたり完熟堆肥を二キロ、化成肥料をひと握りほど混ぜ込み、幅六十センチの畝を立てます。
- 表面を平らにならす
- レーキで表面を平らにし、大きな塊が残っていないかを確かめてからまき溝を作ります。
二回の間引きで株間十五センチにする
発芽が揃ったら二回に分けて間引き(込みすぎた株を抜くこと)をし、最終的に株間を十五センチにします。チンゲンサイは葉の付け根が横に広がる野菜なので、株間が狭いと株元が締まらず、細長い株になります。
間引きでは抜く株ではなく残す株を先に決めます。双葉が左右対称で、葉の色が濃く、茎が太くまっすぐなものを残します。間引き菜は柔らかく、炒め物や味噌汁に使えます。
| 回数 | 時期 | 残す株間 |
|---|---|---|
| 1回目 | 発芽が揃ったころ(本葉1枚) | 4センチ |
| 2回目 | 本葉3〜4枚 | 15センチ |
間引きは残す株を先に決める
残す株を決めたら、その根元を指で押さえながら隣の株を真上にそっと引き抜きます。押さえずに引くと、残す株の根まで浮いて弱ります。間引いたあとは株元に土を寄せて、残した株がぐらつかないようにします。
間引いた株は畑に置かず持ち帰ります。置いたままにすると虫を呼び、腐って病気の元になります。柔らかい間引き菜は炒め物や味噌汁に向くので、その日のうちに使い切ります。
- 残す株を選ぶ
- 双葉が左右対称で葉の色が濃く、茎が太くまっすぐな株を残します。ひょろりと伸びた株は抜きます。
- 根元を押さえて抜く
- 残す株の根元を指で押さえ、抜く株を真上にそっと引きます。土が固ければ地際で切ります。
- 株元に土を寄せる
- 間引いたあとの穴を埋めるように条間の土を株元へ寄せ、残した株を安定させます。寄せた土が付け根を締め、風で倒れるのも防ぎます。
- 間引き菜は持ち帰る
- 柔らかい間引き菜は炒め物や味噌汁に向きます。畑に置くと虫を呼ぶので、その日のうちに使います。
種まきでつまずいたときの切り分け
発芽しない、発芽が揃わない、芽が切られて消える。種まき直後の悩みは水と虫がほとんどです。まき直しは十分間に合うので、原因を確かめてからまき直します。
- 一週間たっても芽が出ない
- 乾いたか、覆土が厚すぎです。土を掘って種を確かめ、腐っていれば水を控えめにしてまき直します。
- 芽が一か所に固まった
- 種が水で流れました。固まった場所を早めに間引き、欠けた場所には追いまきします。次回はジョウロの口を低くして与えます。
- 芽が根元から切られる
- 夜に活動する虫(ネキリムシ)です。株元の土を掘って見つけ、取り除きます。防虫ネットは効きません。
- 双葉に小さな穴
- 小さな黒い虫(キスジノミハムシ)です。まいた日から防虫ネットをかけて防ぎます。葉が大きくなれば目立たなくなります。
種まきの手順
チンゲンサイは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
チンゲンサイの種まきでよくある質問
チンゲンサイの種はいつまく?
地域と地温に合わせる。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
チンゲンサイの種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
チンゲンサイの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
チンゲンサイの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
チンゲンサイは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
チンゲンサイの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
チンゲンサイの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
チンゲンサイの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチンゲンサイの育て方にまとめています。
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