半年育てる作物だと知っておく
芽キャベツはキャベツの仲間ですが、球を巻くのは先端ではなく茎に沿って並ぶ小さな芽です。その芽が一株で五十個から八十個も太るまでには時間がかかり、植え付けから収穫開始まで四か月から五か月かかります。
そのため関東の露地では七月から八月に苗を植え、寒さが来る十一月下旬から二月にかけて少しずつ穫ります。夏に植えて冬に穫るという流れを最初に頭に入れておくと、途中の暑さ対策も虫対策も理由が分かります。
| 作型 | 植え付け | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|---|
| 早植え | 7月上旬〜中旬 | 11月下旬〜12月 | 暑さ対策が要る。下の球はゆるみやすい |
| 標準 | 7月下旬〜8月中旬 | 12月〜2月 | 関東ではこれが基本。締まった球になる |
| 遅植え | 8月下旬〜9月上旬 | 2月〜3月 | 株が大きくなり切らず収量が減る |
苗は徒長していないものを選ぶ
芽キャベツの苗は本葉が四枚から六枚、茎が太くて節と節の間が詰まったものを選びます。徒長(日照不足でひょろりと伸びること)した苗は植えたあとに倒れやすく、茎が細いまま伸びて球の付きも悪くなります。
葉の裏を返して、白い綿のようなものや小さな緑の虫が付いていないかを確かめます。売り場ですでに虫が付いている苗を持ち帰ると、畑に虫を持ち込むことになります。根が鉢底から白く回っている程度がちょうどよい苗です。
- 節の詰まりを見る
- 茎の節と節の間が指一本分より広い苗は日照不足で伸びています。ずんぐりして葉が横に張った苗を選びます。
- 葉裏を確かめる
- 葉を裏返して虫や卵、白い粉が付いていないかを見ます。一枚でも怪しければ別の苗にします。
- 根鉢の状態を見る
- 鉢底から白い根が少し見えるくらいが適期です。根が茶色く固まった苗は老化していて活着が遅れます。
- 品種の丈を確かめる
- 背が低くまとまる品種と一メートル以上伸びる品種があります。ベランダなら低い品種、畑なら収量の多い品種が向きます。
芽キャベツの苗は流通量が少なく、七月から八月にしか出回りません。見かけたら買い時です。種からまく場合は六月中旬から七月上旬にまきます。
株間は広く、土は深く作る
芽キャベツは背が高くなり、葉も大きく広がります。株間が狭いと下のほうの葉が重なって蒸れ、球が腐ります。株間は四十五センチから六十センチ、畝幅は六十センチ以上とり、一株分の場所を惜しまないようにします。
半年育てるので土は深く作ります。植え付けの二週間前に苦土石灰を入れて耕し、一週間前に完熟堆肥と元肥(前もって入れておく肥料)を混ぜ込みます。酸性の土を嫌うので石灰は省かないほうが安全です。
- 二週間前に石灰
- 一平方メートルに苦土石灰を百グラムほどまき、深さ三十センチまで耕します。石や固い塊は取り除きます。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 完熟堆肥を一平方メートルに三キロ、化成肥料をふた握り混ぜ、高さ十センチの畝を立てます。
- 株間を先に決める
- 植える位置に印を付け、四十五センチから六十センチの間隔をとります。あとから広げることはできません。
暑い時期の植え付けは夕方に行う
七月から八月の植え付けは、株にとってはかなり厳しい環境です。日中の高温の中で植えると根が乾いて活着が遅れるので、日が傾いた夕方に植え、そのまま夜の涼しさの中で根を落ち着かせます。
植え穴にはあらかじめ水を注ぎ、その水が引いてから苗を置きます。深植えはせず、根鉢の上面が地面と同じ高さになるようにします。植えたあとは株元を軽く押さえ、もう一度たっぷり水を与えます。
- 夕方に作業する
- 日が傾いてから植えます。曇りや雨上がりの日ならさらに活着がよく、翌日の水やりの負担も減ります。
- 植え穴に先に水を入れる
- 穴を掘って水をなみなみ注ぎ、引くのを待ってから苗を置きます。土と根鉢の間に水の層ができて根の乾きを防ぎます。
- 根鉢を崩さず置く
- ポットから抜いた根鉢は崩さずそのまま置きます。崩すと根が切れて、暑い時期は立ち直れません。
- 植えた直後にもう一度水
- 株元を軽く押さえてから、株ごとにジョウロ一杯の水を静かに与えます。土と根鉢を密着させるためです。
活着までは遮光と水で守る
植えてから一週間ほどは根がまだ土に伸びていないので、日中の強い日ざしで葉がしおれます。寒冷紗や不織布を支柱で浮かせて日ざしを弱めると、葉のしおれが減って活着が早まります。
この時期は毎日、朝に土を触って確かめます。表面が乾いていたら株元へ静かに与えます。株がしおれても、夕方に自然に戻るなら心配は要りません。夕方になっても垂れたままなら水が足りていません。
- 寒冷紗を浮かせる
- 支柱でトンネルを作り、寒冷紗をかけて日ざしを和らげます。葉に直接触れると熱がこもるので浮かせます。
- 朝に土を触る
- 毎朝、株元の土を指で触って乾きを確かめます。表面が乾いていたら株元へ静かに与えます。
- 一週間で遮光を外す
- 新しい葉が動き出したら活着した合図です。曇りの日を選んで寒冷紗を外し、防虫ネットに切り替えます。
- 敷きわらで地温を下げる
- 株元に敷きわらや刈草を敷くと、地面の温度が下がって乾きも遅くなります。株元に触れない程度に敷きます。
植えた直後から防虫ネットは必須です。芽キャベツはアオムシとコナガに真っ先に狙われ、小さい株のうちに葉を食われると半年の栽培が最初でつまずきます。
植え付けでつまずいたときの切り分け
しおれが戻らない、葉が黄色くなる、株が倒れる。夏の植え付けで起きる不調はほとんどが水と暑さと虫のどれかです。植え直しは八月中なら間に合うので、原因を確かめてから手を打ちます。
- 夕方も葉が垂れたまま
- 水が足りないか根鉢が崩れています。株元へたっぷり与え、遮光をもう数日続けます。翌朝も戻らなければ植え直します。
- 下の葉から黄色くなる
- 水のやりすぎで根が傷んでいます。畝が低くて水がたまっていないかを見て、株元の土を寄せて水はけを直します。
- 株が風で傾いた
- 根がまだ張っていません。仮の支柱を一本立てて茎を八の字にしばり、株元へ土を寄せて固めます。
- 葉に穴があいた
- ネットの裾に隙間があります。裾を土で押さえ直し、葉裏を見て青い虫と卵を手で取ります。
芽キャベツの育苗に使うもの
苗を自分で作るか、買うか。作るなら次のものが要ります。買うなら、ここは飛ばして定植の準備へ進んでかまいません。
- セルトレイ・ポリポット探す言葉「セルトレイ 128穴」
- 規格の目安
- 128 穴は小さい種向き、72 穴は根を張らせたいとき。ポットなら直径 9cm が標準です。
穴が小さいほど場所を取らず、大きいほど植え傷みしにくくなります。定植までの日数が長い作物ほど大きい容器を選びます。
- 育苗用の受け皿・トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿」
- 規格の目安
- セルトレイがそのまま載る大きさ。底面から吸わせられる深さがあるもの。
上から水をやると苗が倒れます。受け皿に水を張って下から吸わせると、茎が締まった苗になります。
- 園芸用ヒーターマット探す言葉「園芸 ヒーターマット 育苗」
- 規格の目安
- 20〜30W、表面温度 20〜25℃ 前後。サーモスタット付きだと安心です。
春先の種まきで発芽がそろわない原因はほぼ地温です。室温ではなく、土の温度を上げる必要があります。
- 苗を買って育てるなら、育苗資材は一式要りません。
- 暖かい時期の種まきなら、ヒーターマットは要りません。
芽キャベツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は芽キャベツの育て方にまとめています。
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