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キャベツの病害虫の防除

キャベツの病害虫防除|アオムシとコナガを寄せつけない設計

キャベツの栽培イメージ

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キャベツの防除は、出てから叩くのではなく産卵させない設計で決まります。時期ごとの警戒対象を先に押さえます。

いつ何を警戒するか

キャベツにつく虫は年中同じではなく、時期ごとに主役が入れ替わります。誰が来るかが分かっていれば、点検する場所と掛ける資材が決まり、被害が出る前に手が打てます。まず自分の作型がどの山に当たるかを確認してください。

時期主に警戒する相手畑での見え方
4月〜6月アオムシ、コナガ、アブラムシ葉に穴、表皮を残した薄い食害、新芽に群れ
7月〜8月コナガ、ヨトウムシ、ネキリムシ苗が地際で切られる、夜のあいだに葉が消える
9月〜10月コナガ、ヨトウムシ、アオムシ巻き始めた葉のあいだへ潜り込む食害
11月以降ヨトウムシの残り、鳥外葉がついばまれ、葉脈だけが残る

アオムシの被害は目立ちますが、玉に潜り込んで手が届かなくなるのはコナガとヨトウムシです。派手さではなく、潜る虫を先に警戒します。

防虫ネットは掛け方で決まる

防虫ネットは掛けたかどうかではなく、どう掛けたかで結果が変わります。裾が浮いている、葉が布に触れている、作業のたびに外している。この三つのどれかがあれば、掛けていない畑とほとんど同じ被害が出ます。

植えた日に掛ける
産卵は苗が畑に出た当日から始まります。定植とネット掛けを一続きの作業にしてください。一日空けるだけで卵を抱えた株になります。
裾を完全に埋める
裾は土に10センチ以上埋めるか、土のうで隙間なく押さえます。モンシロチョウは持ち上がった裾から入り、入られた中は外より安全な繁殖場所になります。
目合いを選ぶ
アオムシだけなら1ミリ目、コナガまで止めるなら0.8ミリ目を選びます。細かいほど風が通らず内部が高温になるので、夏は支柱を高くして空間を稼ぎます。
葉を触れさせない
ネットに葉が接していると外から産卵管が届きます。外葉が直径60センチ以上に広がる前提で、支柱は株の想定幅より広く立てます。

ネットの中はやや高温多湿になります。真夏の定植では支柱を高くし、天面と地面のあいだに空間を取ると、蒸れによる軟腐病を避けられます。

いつネットを外すか

外す判断は日付ではなく、外葉がネットに当たるかどうかと、産卵の勢いが落ちたかどうかの二点です。モンシロチョウが飛ばなくなり、コナガの発生も止まる目安は平均気温15℃を下回るころで、地域によっては11月まで掛けたままにします。

外さずに作業する
追肥(育てている途中で足す肥料)や点検のたびに全面を外すなら、片側の裾だけを開けて作業し、その日のうちに戻します。開けたまま一日置けば、そこで産卵されます。
外すなら結球後に
玉が締まってしまえば外葉の食害は多少あっても収量に響きません。結球(葉が内側に巻いて玉になること)が完了し、気温が下がってからなら外して構いません。
外したあとは点検を増やす
外した週から葉裏の点検を週一回入れます。晩秋のヨトウムシは夜に食べて昼は土中にいるため、姿を見ないまま被害だけが増えます。

ネットの中で虫が出た場合、外から入ったのではなく苗についてきたか、掛ける前に産卵されたかのどちらかです。原因を取り違えると翌年も繰り返します。

見つけるための点検

葉裏を返す
点検は必ず葉裏です。アオムシの卵は縦長の黄色い粒、コナガの卵はさらに小さく葉脈沿いにつきます。三株に一株を週二回返すだけで、発見はかなり早まります。
糞を探す
葉の上に黒い粒があれば、その真上の葉に虫がいます。粒の大きさは幼虫の大きさに比例するので、細かい粒のうちに探せば被害は穴になりません。
白く透けた食害を見る
表皮だけを残して白く透けた食害はコナガの若齢です。この段階で潰せば穴に育ちません。穴が開いてからでは玉に潜られています。
朝夕に株元を掘る
ヨトウムシとネキリムシは日中土の中にいます。夕方か早朝に株元の土を浅く掘ると、丸まった幼虫が見つかります。

点検の記録を残すと、翌年の警戒時期が自分の畑の実測値になります。最初に卵を見た日付だけでも控えておく価値があります。

病気は水はけと風通しで減らす

病気出やすい条件予防の要点
根こぶ病酸性土、連作、多湿石灰でペーハーを6.0以上に保ち、アブラナ科を2年以上あける
軟腐病高温多湿、外葉の傷高畝で排水し、外葉を折らない。地際の枯れ葉を取り除く
べと病低温多湿、密植株間を守り、込み合った下葉を整理して風を通す
黒腐病雨の跳ね上がり、傷口敷きわらで泥はねを防ぎ、病葉の出た株は早めに抜き取る

どの病気も、いったん広がると家庭菜園では止まりません。畝を高くする、株間を守る、外葉を傷つけないの三つで発生の入口を減らします。

畑の側を作り替える

その年の防除は資材と点検で凌げますが、翌年の発生量を決めるのは畑の作り方です。輪作、残さの処理、周囲の雑草。この三つを整えると、同じ手間でも被害の水準そのものが下がります。

輪作を組む
アブラナ科は二年以上あけます。あいだにイネ科やマメ科を入れると、根こぶ病の菌密度が下がり、地力の偏りも戻ります。
残さを片づける
収穫後の外葉と根株を畑に放置すると、害虫の越冬場所になります。抜き取って畑の外で処理し、翌年の発生の元を減らします。
周囲の雑草を刈る
ナズナやイヌガラシはアブラナ科の雑草で、コナガの繁殖場所になります。畝の周囲だけでも刈っておくと、飛んでくる数が減ります。
天敵の居場所を残す
畑の隅に花を咲かせておくと寄生蜂やクモが定着します。防除の代わりにはなりませんが、発生の山を低くする働きがあります。

家庭菜園では区画が狭く、二年の輪作が組めないこともあります。その場合はプランターや別の場所を一年挟むだけでも、根こぶ病の密度が下がります。

被害を見つけたあとの手当て

防除の設計は産卵させないことですが、それでも入られたときにどこまで戻せるかは被害の場所で決まります。外葉なら取り返せ、生長点と玉の内部は取り返せません。この線引きで手の掛け方を変えます。

症状考えられる原因手当て
外葉に穴が点々と開くアオムシの若齢が葉裏にいる葉裏を返して潰す。外葉なら収量への影響は小さい
表皮を残して白く透けるコナガの若齢が広がり始めたその株ごと点検し、ネットの裾の浮きを直す
朝に苗が地際で倒れているネキリムシが夜に食い切った株元を浅く掘って捕殺し、隣株の周りも確かめる
玉の合わせ目に糞があるヨトウムシが内部へ潜った早めに収穫して切り開く。置くほど食い進む

内部に潜られた玉は薬も手も届きません。潜られる前の一週間に点検を集中させることが、結果として最も手数が少なくなります。

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