結球の前に外葉を20枚作る
キャベツが玉になるのは、外葉が十分に増えて光を受ける面積が確保されたあとです。目安は外葉17〜20枚で、この枚数に届かないうちは中心の葉が立ち上がりません。結球(葉が内側に巻いて玉になること)しないという相談のほとんどは、葉数が足りないまま季節が進んだ結果です。
葉数は日数ではなく生育量で決まるので、活着が遅れた株、株間が狭い株、肥料を切らした株はそのぶん結球が遅れます。逆に言えば、定植から一カ月の外葉づくりが玉の大きさの上限を決めています。
| 株の見た目 | 外葉の枚数 | いまやること |
|---|---|---|
| 葉が横へ開き、株が平たく広がる | 本葉5〜10枚 | 葉数を増やす時期。追肥と除草で外葉を作る |
| 中心の若い葉が内向きに立ち上がる | 17〜20枚 | 結球の開始。二回目の追肥はここまでに済ませる |
| 上から見て中心が閉じ、玉が持ち上がる | 20枚以上 | 肥大の時期。肥料は足さず、乾かさないことだけ |
外葉は下から順に数えます。黄変して垂れた葉も光を受けていた期間は働いていたので、枚数の目安としては数に入れて構いません。左の見た目が先で、枚数は答え合わせに使います。
追肥は二回、葉を見て決める
- 株元ではなく葉先の下へ
- 株元から10〜15センチ離した位置、広げた外葉の先が落ちるあたりにまきます。吸収する細い根はそこにあり、株元に置いても効きません。
- まいたら土と混ぜる
- 表土を軽く削って肥料を混ぜ、株元へ土を寄せます。露出したままでは窒素が空気へ抜け、雨で流れます。土寄せ(株元へ土を寄せること)は倒伏防止も兼ねます。
- 三回目はしない
- 結球が始まってからの追肥(育てている途中で足す肥料)は内側の葉だけを急に伸ばし、裂球を招きます。栽培期間の長い晩生種を除き、二回で止めるのが安全です。
| 回数 | 時期の目安 | 株の状態 | 量の目安 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 定植の約3週間後 | 本葉10枚前後 | 1平方メートルあたり30〜50グラム |
| 2回目 | 定植の約6週間後 | 中心の葉が立ち始めた頃 | 1平方メートルあたり30〜50グラム |
葉色が黄緑に寄ってきたら肥料切れの合図です。反対に、葉が濃く厚く波打つときは効きすぎなので、次の追肥を一回飛ばします。
水は結球期にだけ効く
露地では基本的に雨に任せて構いませんが、玉が太る時期の乾燥だけは別です。この時期に水が足りないと葉の展開が止まり、そのまま小玉で固まって、あとから水をやっても取り返せません。晴天が一週間以上続いたら畝全体に染みる量を与えます。
- 与えるなら朝に一度
- 日中の高温時に与えると根が傷みます。朝のうちに、土の深さ20センチまで届く量を一度に与えます。
- 少量を毎日やらない
- 表面だけ湿る水やりは根を浅くし、乾湿の差に弱い株にします。乾いたら一度にたっぷり、が結球期の原則です。
- 敷きわらで差を減らす
- 株の周りに敷きわらや刈草を敷くと、地温と水分の上下が小さくなります。夏まきの初期と、春の乾く時期に効果が出ます。
プランターは事情が違います。土の量が少ないぶん乾きが速いので、結球期は毎日、鉢底から流れるまで与えてください。
結球しないときに疑う順番
- 外葉を数える
- まず葉数を数えます。15枚に届いていなければ単純に生育不足なので、追肥と潅水で葉を増やす方が近道です。待っても巻きません。
- 株間を測る
- 隣の株と葉が重なっていれば場所不足です。今年は一株おきに間引いて光を入れるしかありませんが、次からは40〜45センチを守ります。
- 気温を確かめる
- 結球には涼しさが要ります。日中25℃を超える日が続くあいだは葉が立ち上がりません。夏まきが遅れた年でも、寒くなってから巻き始めることがあります。
- 芯を見る
- 中心の生長点が虫や霜で潰れた株は、いくら待っても巻きません。芯が黒く陥没している株は抜き、隣の株に場所を回した方が収量になります。
四つとも当てはまらず、葉数が足りているのに巻かないなら品種違いを疑います。非結球性のキャベツやケール類は、そもそも玉になりません。
外葉を守ることが玉を守ること
外葉は玉の材料であり工場でもあります。アオムシに外葉を食われた株は、失った面積のぶんだけ玉が小さくなります。玉を包む内側の葉よりも、外へ大きく広がった葉を優先して守ってください。
- 下葉をむやみに取らない
- 黄変して垂れた葉以外は残します。見た目が悪くても、光を受けている葉は玉の中身を作り続けています。
- 畝の歩き方を決める
- 外葉を踏んで折ると、そこから軟腐病が入ります。作業は畝に沿って、外葉が張り出す外側だけを通ります。
- 枯れた葉だけ取り除く
- 地面に貼りついた枯れ葉はナメクジと病気の温床です。乾いた日に取って畑の外へ出します。株元に光と風を入れるのが目的です。
玉が巻き始めたあとの外葉の食害は、多少なら気にしなくて構いません。守る価値が高いのは、結球が始まる前の一カ月の外葉です。
遅れた株を立て直す
結球開始が遅れた株でも、気温が下がり切る前なら間に合います。追肥を一回足し、周囲の雑草を抜いて光を入れ、乾いていれば潅水します。ただし平均気温が10℃を下回ると生育がほぼ止まるので、そこから先は置いても太りません。
- 不織布で数℃稼ぐ
- 秋に遅れた株は、べたがけの不織布で気温を数℃持ち上げられます。霜よけにもなり、外葉が傷まないぶん結球が進みます。
- 巻かない株は葉物として使う
- 冬に入って巻かないと判断したら、外葉ごと切って炒め物に使います。畑に置いて凍らせるより無駄がありません。
- 来年の日取りを引き直す
- 収穫したい日から、早生種は60〜70日、中生種は70〜80日、晩生種は80〜100日をさかのぼって定植日を決め直します。育苗日数はさらにその前に必要です。
キャベツの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
キャベツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキャベツの育て方にまとめています。
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