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にんじんの土づくり

にんじんの土づくりと又根対策|耕す深さと堆肥の入れ方

にんじんの栽培イメージ

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又根と岐根は種をまく前に決まります。深さ30センチを石と塊のない状態に整えるのが要点です。

又根と岐根が起きる仕組み

にんじんの根が二股に割れたり、ひげ根だらけになったりするのは、真下へ伸びる主根の先端が途中で何かに当たって傷んだからです。先端が止まると、代わりに脇の根が太って二本三本に分かれます。病気ではなく、土の中の物理的な事故です。

当たる相手はほぼ三つ。石や瓦礫、分解しきっていない堆肥やわらの塊、そして耕し残した硬い層です。ここに肥料の未熟な有機物が加わると、根の先が肥料焼けしてやはり分岐します。まいたあとでは一切手が出せないので、土づくりが唯一の対策になります。

原因の三つは、掘る前に畑の状態から見当がつきます。自分の畑がどれに当たるかを次の表で決めてから、土づくりのどこに手をかけるかを選びます。

畑の状態出やすい根の形先にやること
石や瓦礫が混じる先が二股に割れる30センチまでふるって石を取り除く
前作の堆肥やわらが残るひげ根だらけになる堆肥は2か月前までに入れ終える
下に硬い層がある短いところで止まって太る深く耕し直すか、高い畝にする
土が浅い、プランター先が曲がる深型の容器にするか短根の品種にする

抜いた根が又根だったら、その場所の土を30センチ掘って原因を確かめておくと、次作で同じ形の失敗を繰り返しません。

深さ30センチを整える

五寸系の品種は根が15〜20センチ伸びます。その先端が余裕をもって伸びられるよう、耕す深さは30センチを目標にします。表面だけ細かくして下が硬いままだと、ちょうど根が太り始める深さで先端が止まります。

まず深く起こす
スコップを垂直に差し込んで30センチの深さで土をひっくり返します。硬い層を割るのが目的なので、この段階では塊のままで構いません。
石と根を拾う
起こした土をふるうつもりで、親指大以上の石、前作の根、ビニール片を取り除きます。石一つが又根一本になると思って拾います。
塊を細かく砕く
くわの背やレーキで土の塊を砕き、表層20センチを粒のそろった状態にします。粘土質なら少し乾いた日を選ぶと崩れやすいです。
畝を立てて落ち着かせる
畝を立てたら1週間ほど置き、雨で自然に締めます。ふかふかのまますぐまくと、後から土が沈んで根が曲がります。

冬にまく畑なら、寒い時期に一度粗く起こして凍らせておくと塊が自然に崩れ、春の砕土が格段に楽になります。

堆肥と石灰は早めに入れる

にんじんに未熟な堆肥は禁物です。土の中で分解が続くと、その塊に根の先が当たったり、発生するガスやアンモニアで根が傷んだりして、そのまま岐根になります。牛ふん堆肥を使うなら完熟品を選び、播種の3週間以上前に入れて土になじませます。

酸性土を嫌うので、ペーハーは5.5〜6.5を目安にします。石灰は堆肥と同時に入れず、2週間ほど前に別途すき込むのが安全です。もともと石灰を毎作入れている畑では、入れすぎのほうが問題になることもあります。

資材1平方メートルあたり入れる時期
完熟堆肥2キロ前後播種の3週間以上前
苦土石灰100〜150グラム播種の2週間前
元肥(化成)100グラム前後播種の1週間前

未熟な有機物を避けるという意味では、前作のわらや刈草を直前にすき込むのも同じ理由で危険です。入れるなら一作前に済ませます。

元肥は控えめ、効かせるのは後半

元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を多くしても根は太りません。むしろ初期に窒素が効きすぎると葉ばかり茂って根の肥大が遅れ、肥料の粒に当たった先端が分岐します。にんじんの肥大が本格化するのは播種から70〜80日ごろなので、追肥(育てている途中で足す肥料)で後半を支える設計にします。

元肥は全面に均一に
畝の一部にまとめて入れず、耕す前に全面へ散らしてよく混ぜます。局所的に濃い場所があると、そこを通った根だけが変形します。
肥料は種の真下に置かない
すじの直下に肥料の帯が来ると根の先が確実に当たります。すき込みで均一化するか、条間に置いてずらします。
追肥で二回に分ける
2回目の間引き後と最終間引き後の二回に分けて、条間へ化成を軽く施して土寄せ(株元へ土を寄せること)と同時に混ぜます。後半に効かせるほうが根は太ります。

葉ばかり茂って根が細いという結果が出たら、次作は元肥を三割減らします。にんじんでは肥料不足より効かせすぎの失敗が多いです。

畝の形と条数の決め方

水はけの悪い畑では畝を高くします。にんじんは過湿で根が腐りやすく、逆に乾きすぎると裂根の引き金になるため、水が抜けつつ保水もある畝が理想です。粘土質なら高畝、砂質なら平畝寄りに調整します。

条件畝幅畝の高さ条数
標準の畑60〜70センチ10〜15センチ2条(条間20センチ)
水はけが悪い60センチ20〜25センチ2条
砂質で乾きやすい70センチ5〜10センチ2〜3条

条間を20センチ確保すると、あとで条間に追肥を置いて土寄せする作業が楽になります。詰めすぎると土寄せの土が取れません。

石が多い畑とプランターの逃げ道

どうしても石を取り切れない畑、深く耕せない借りた畑では、根が短い品種に切り替えるのが現実的です。三寸系や丸みのある品種なら必要な土の深さが浅く、又根の危険も減ります。無理に五寸系を作って全部が分岐するより収穫は多くなります。

三寸系を選ぶ
根長が10センチ前後の品種なら、整えるべき深さは20センチほどで済みます。生育日数も短めなので、まき遅れのリカバリにも使えます。
プランターは深さで選ぶ
五寸系なら深さ30センチ以上、三寸系でも25センチは欲しいところ。浅い容器では底に当たって必ず先が曲がります。
用土は細かくふるう
培養土に粗い軽石や未分解のバークが混じっていると、それが又根の原因になります。気になるときは目の粗いふるいにかけてから詰めます。
客土という手もある
石だらけの畑では、畝の位置だけ掘り下げて石を除いた土や購入土を入れ、そこにまく方法があります。掘り上げた石は畝の外へ出しておきます。手間はかかりますが、一度作れば毎年その場所を使えます。

又根が出たときの原因の切り分け

掘り上げた根の形は、次の作の設計図になります。割れ方と、形が変わり始めた深さを見れば、石なのか、未熟な有機物なのか、硬い層なのかまで絞り込めます。

根の見た目起きたこと次作で直すこと
浅い所で二股に割れる表層に石か肥料の塊があったまく前にふるって取り除く
深い所で急に止まる硬い層に先が当たった30センチまで耕し直す
ひげ根が多く毛だらけ未熟な有機物に触れた堆肥は2か月以上前に入れる
先が茶色く傷んでいる肥料が直接当たった元肥は全層へ薄く混ぜ込む

確かめるときは1本を丁寧に掘り上げ、どの深さで形が変わったかを見ます。引き抜くだけでは原因まで分かりません。

にんじんの土づくりに使うもの

土づくりは「何を入れるか」より「いつ入れるか」で結果が変わります。石灰と肥料は同時にまかず、1 週間は空けます。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 土壌酸度計探す言葉「土壌酸度計」
    規格の目安
    土に挿して読む針式か、デジタル式。pH 4〜9 を 0.2 刻みで読めれば十分です。

    石灰の量は本来 pH を測ってから決めるものです。測らずに毎年まき続けると、アルカリ側へ寄って別の障害が出ます。

  • 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 バーク」
    規格の目安
    牛ふん堆肥は肥料分もあり、バーク堆肥は土をふかふかにする働きが中心です。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。

    入れてすぐ効くものではなく、微生物が分解して初めて土が変わります。植え付けの 2〜3 週間前までに入れます。

  • 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
    規格の目安
    粒状。マグネシウム(苦土)も一緒に補えます。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。

    まいたら耕して 1 週間ほど置きます。元肥と同時に入れると、窒素がアンモニアとして抜けてしまいます。必要な量は土質で変わるので、pH を測ってから決めます。

    出典: 農林水産省「土壌改良資材量のもとめ方」(施肥基準)

  • くわ(平ぐわ)探す言葉「平ぐわ 家庭菜園」
    規格の目安
    刃幅 18cm 前後。柄の長さは身長の 6 割くらいが振りやすい目安です。

    畝立てと土寄せの両方に使います。1 本あるかどうかで、土づくりにかかる時間がまるで変わります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 微生物資材や活力剤は、堆肥を入れているなら急ぎません。
  • 小さな区画なら、耕運機より三角ホーとくわのほうが小回りが利きます。

にんじんの収穫までのコツは作物ページに

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