まきどきは植え付けの三十日前
カリフラワーの苗は、種をまいてから本葉四枚から五枚の植え頃まで、夏ならおよそ二十五日から三十日、春なら三十日から四十日かかります。関東の秋どりなら七月下旬から八月上旬にまき、八月下旬から九月上旬に植えます。植え付けの適期が二週間ほどと狭いので、まく日をずらさないことが大切です。
春どりの作型もありますが、まくのは一月下旬から二月で、苗のうちは加温が必要です。花蕾が緩みやすい作型でもあるので、種から育てるのが初めてなら、夏まきの秋どりから始めます。
| 作型 | 種まき | 植え付け | 育苗中の温度の課題 |
|---|---|---|---|
| 秋どり(中間地) | 7月下旬〜8月上旬 | 8月下旬〜9月上旬 | 暑さよけが中心 |
| 秋どり(寒冷地) | 7月中旬 | 8月中旬 | 昼の暑さよけ |
| 冬どり(暖地) | 8月上旬〜中旬 | 9月中旬 | 暑さよけと乾燥対策 |
| 春どり(中間地) | 1月下旬〜2月中旬 | 3月中旬〜下旬 | 加温と夜の保温が必須 |
セルトレイかポットにまき、本葉で鉢上げ
カリフラワーはウリ科と違って根の植え替えに強く、小さなトレイにまいて後からポットに移す方法でも苗が傷みません。真夏は土がすぐ乾くので、置き場所を一か所にまとめて水やりの目が届くようにします。
種は一ミリほどの小さな粒です。深くまくと芽が地上まで届かず、浅すぎると乾いて発芽がそろわないので、土は五ミリほどの薄さでかけ、乾かさないように管理します。
- 容器と用土
- 七十二穴ほどのセルトレイか、九センチのポットに市販の種まき用土を詰めます。畑の土は根こぶ病の菌を持ち込むおそれがあるので使いません。
- まく粒数と深さ
- セルトレイなら一穴に二粒、ポットなら三粒から四粒を、深さ五ミリほどのくぼみに置きます。土を薄くかけ、手で軽く押さえます。
- まいた直後に虫よけ
- 夏まきでは、まいたその日から防虫ネットか寒冷紗でトレイごと覆います。発芽直後の双葉は、小さな青虫や甲虫に一晩で食べ尽くされることがあります。
温度管理は夏は冷やし、春は温める
カリフラワーの発芽に向く地温は二十度から二十五度で、この範囲なら三日から五日で芽が出ます。三十度を超えると発芽がそろわず、出た芽も弱ります。夏まきは直射日光の当たらない明るい日陰にトレイを置き、どうしても暑い日は、まいてから芽が出るまでの数日だけ冷房の効いた室内の明るい場所に置く方法もあります。
芽が出てからの苗は、昼二十度から二十五度、夜十度から十五度がよく育つ範囲です。春まきの苗は夜五度まで枯れはしませんが、十度を下回る夜が続くと株が小さいまま花蕾ができるので、夜は十度以上を保ちます。
夏まきで多い失敗は、夜も暑いまま夕方に水をたっぷり与えて徒長(茎だけ細長く伸びて倒れやすくなること)させることです。春まきでは、一月から二月の外気では発芽しないので、育苗用のヒーターマットか、湯を入れたペットボトルと発泡スチロール箱で温め、芽が出たら昼は南向きの窓辺に置きます。
- 夏は日陰で発芽させる
- まいたトレイは軒下や木陰など、直射日光は当たらないが明るい場所に置きます。土の表面に手を当てて熱いと感じたら、もっと涼しい場所に移します。
- 芽が出たら日に当てる
- 芽が出そろったらその日のうちに寒冷紗の下の日なたに移します。日陰に置いたままにすると、二日ほどで胚軸が伸びて倒れる苗になります。
- 春まきは夜十度を守る
- 春まきの苗は、最低気温が十度を下回る夜は室内か保温箱に入れます。夜五度でも枯れはしませんが、寒さに当て続けると花蕾が早く付きます。
| 時期 | 昼の目安 | 夜の目安 | 家庭でのやり方 |
|---|---|---|---|
| 夏まき・発芽まで | 30℃以下 | 25℃以下 | 明るい日陰。暑い日は冷房の効いた室内 |
| 夏まき・発芽後 | 25〜30℃ | なりゆき | 寒冷紗の下で日に当て、水は朝に |
| 春まき・発芽まで | 20〜25℃ | 15℃以上 | ヒーターマットか湯入りの保温箱 |
| 春まき・発芽後 | 15〜25℃ | 10℃以上 | 昼は窓辺、夜は室内か保温箱 |
発芽後の水やりと鉢上げ
夏の苗は乾きと蒸れの両方に弱く、水やりの時間と量で出来が大きく変わります。水は朝に与え、夕方には葉がしおれていないかを見て、しおれていたときだけ少し足します。本葉が出たら一本に絞り、トレイなら根が回ったころにポットへ移します。
- 水は朝に与える
- 朝のうちに底から流れるまでたっぷり与えます。夕方に与えると夜の間ずっと湿って暖かく、徒長と立ち枯れの原因になります。夕方にしおれていたときだけ株元に少量を足します。
- 本葉一枚で一本に
- 本葉が一枚開いたら、茎の太い一本を残し、残りははさみで地際から切ります。混んだまま育てると、どの苗も細く伸びてしまいます。
- 本葉二枚で鉢上げ
- セルトレイにまいた苗は、本葉二枚になり白い根が穴の中に回ったころ、九センチのポットに植え替えます。根鉢を崩さず、双葉の下まで土に埋めます。
- 肥料は鉢上げ後に
- 鉢上げに培養土を使えば、植え付けまで肥料は足ります。本葉三枚を過ぎて葉色が淡くなったら、薄めた液体肥料を週に一度与えます。
植え頃は本葉四枚から五枚、日差しに慣らす
植え頃は本葉四枚から五枚、茎が鉛筆ほどの太さで、葉が濃い緑の苗です。本葉が七枚を超えるまでポットに置くと老化苗になり、植えた後に葉が増えないまま小さな花蕾ができやすくなります。
寒冷紗の下で育てた夏の苗は、強い日差しに慣れていません。植え付けの三日から五日前から寒冷紗を外す時間を少しずつ延ばし、直射日光に当てて葉を固くしてから植えます。春まきの苗は、植える一週間前から昼に外へ出し、外の寒さに慣らします。
- 日差しと外気に慣らす
- 夏の苗は植える三日から五日前から、朝夕の日差しに当てる時間を延ばします。春の苗は一週間前から昼に外へ出し、最後の数日は夜も外に置きます。
- 植え時を見極める
- 本葉四枚から五枚、まいてから三十日前後が目安です。夏は夕方の涼しい時間に、春は最低気温が五度を下回らなくなってから植えます。
| 苗の姿 | 見立て | すること |
|---|---|---|
| 本葉4〜5枚、茎が太く葉色が濃い | 植え頃 | 日差しに慣らして植える |
| 本葉3枚で茎が細い | まだ早い | 日に当てて一週間待つ |
| 本葉7枚以上、下葉が黄ばむ | 老化苗 | すぐ植え、追肥で立て直す |
育苗でつまずいたときの原因と立て直し
カリフラワーの育苗の失敗は、夏まきでは暑さと虫、春まきでは寒さから来るものがほとんどです。苗の姿から原因を見て判断し、温度と置き場所を先に直します。秋どりは八月上旬までなら、まき直しても植え付けの適期に間に合います。
| 症状 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 夏にまいて芽が出ない | 地温が三十度を超えた | 冷房の効いた室内で発芽させ直す |
| 茎が細長く伸びて倒れる | 日陰に置きすぎ、夕方の水やり | 日なたに移し、水やりを朝に変える |
| 双葉や本葉に穴があく | 小さな青虫や甲虫の食害 | 防虫ネットの裾を閉じ、虫を探して取る |
| 春まきで葉が紫がかる | 夜の低温と肥料切れ | 夜は十度以上に保ち、薄い液肥を与える |
| 小さな株なのに花蕾が見える | 低温に当てすぎたか老化苗 | その株はあきらめ、新しい苗に替える |
根元がくびれて倒れる苗が一株でも出たら、立ち枯れの菌が広がり始めた合図です。倒れた苗は土ごと取り除き、残りは水を控えて風通しの良い場所に移します。
種まきの手順
カリフラワーは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
カリフラワーの種まきでよくある質問
カリフラワーの種はいつまく?
秋どり(中間地): 7月下旬〜8月上旬。秋どり(寒冷地): 7月中旬。冬どり(暖地): 8月上旬〜中旬。春どり(中間地): 1月下旬〜2月中旬。
カリフラワーの種はどうやってまく?
七十二穴ほどのセルトレイか、九センチのポットに市販の種まき用土を詰めます。
カリフラワーの種まき後の水やりは?
真夏は土がすぐ乾くので、置き場所を一か所にまとめて水やりの目が届くようにします。
カリフラワーの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
カリフラワーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はカリフラワーの育て方にまとめています。
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