一年の流れは秋まき、冬越し、春の収穫
関東平野の露地では、九月下旬から十月に種をまき、十一月に少し採り、冬は不織布で守りながら小さな株で越し、三月から五月に本格的に収穫します。六月にとう立ち(花茎が伸びて葉が硬くなること)して終わるので、一年草として毎年まき直します。
春まきは三月から四月にまき、五月に採って六月に終わる短い作型です。室内の窓辺なら冬でもまけますが、光が足りないと間延びします。まず自分の場所がどの作型かを決めてから表を読みます。
| 作型 | 種まき | 収穫 | 向く場所 |
|---|---|---|---|
| 秋まき | 9月下旬〜10月 | 11月、翌3月〜5月 | 露地、ベランダ。いちばん長く採れる |
| 春まき | 3月〜4月 | 5月〜6月上旬 | 苗が手に入る春に始めるなら |
| 室内冬まき | 11月〜2月 | まいて二か月後から | 明るい窓辺のプランター |
月別のやることカレンダー
秋まきを基準にした月別の作業です。暖地では秋まきが十月下旬まで可能で、冬も不織布なしで越せます。寒冷地では九月中旬までにまき、十二月から二月は室内かトンネルで守るか、春まきに切り替えます。
自分の場所での適期は記録で分かります。まいた日、初めて採った日、とう立ちが始まった日を毎年残しておくと、翌年のまき時と採り切る計画がそのまま立ちます。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 1月〜2月 | 不織布で保温、乾いたら水 | 小さな株で冬を越す |
| 3月 | 不織布を外す、液体肥料を再開、春まき | 気温の上昇に合わせて動かす |
| 4月 | 外葉から収穫、午後の日ざしを避け始める | 柔らかい葉のうちに採る |
| 5月 | 収穫の盛り、とう立ちの気配を見る | 採り切る計画を立てる |
| 6月 | とう立ち、種取り株を残す、片付け | 翌年の種を確保 |
| 7月〜8月 | 作業なし。こぼれ種は日陰で待つ | 夏は育たない |
| 9月 | 土づくり、下旬から種まき | 気温が二十五度を下回ってからまく |
| 10月 | 種まき、間引き一回目 | 本葉二枚で五センチに |
| 11月 | 間引き二回目、少し収穫 | 株間十五センチに。採りすぎない |
| 12月 | 不織布をかける、水は控えめ | 霜と乾いた風から守る |
九月と十月はまき時を外さない
チャービルは気温が二十五度を超えると発芽しません。九月上旬はまだ暑いので、最高気温が二十五度を下回るころを目安にまきます。関東なら九月下旬から十月上旬で、これより遅れると冬までに株が育たず、春の収穫が減ります。
まいてから発芽まで七日から十四日、そこから本葉二枚で一回目の間引きです。十月中に一回目、十一月に二回目の間引きを終え、株間十五センチにして冬を迎えます。
- 最高気温二十五度を目安にまく
- 天気予報で最高気温が二十五度を下回る日が続いたらまきます。早まると発芽せず、遅れると冬までに育ちません。
- 十月に一回目の間引き
- 本葉二枚で五センチ間隔にします。抜くより地際で切ると隣の根を動かしません。間引き菜はサラダに使えます。
- 十一月に二回目の間引き
- 本葉四枚から五枚で十五センチ間隔にします。間引き菜は柔らかく、そのまま使えます。
十月中旬を過ぎてまくなら、不織布のトンネルで発芽と初期の生育を助けます。それでも十一月以降のまきつけは春の収穫が遅れます。
十二月から二月は守るだけ
チャービルは霜に当たっても株が小さければ枯れませんが、乾いた北風で葉が傷みます。十二月に不織布を直接かけるか、トンネルにして守ります。水は乾いたら日中に少しだけで、凍る夕方には与えません。追肥(育ちの途中で足す肥料)は止めます。
この時期は葉がほとんど伸びません。採らずに株を守り、三月の再開に備えます。プランターなら軒下や玄関の明るい場所に移すだけで十分です。
- 十二月に不織布をかける
- 初霜の前に不織布をべた掛けするか、支柱でトンネルにします。裾を土で押さえて風で飛ばないようにします。
- 水は日中に少しだけ
- 表面が乾いたら、暖かい日の午前中に少量与えます。夕方に与えると夜に凍って根を傷めます。
- 採らずに待つ
- 冬の間は葉を採りません。小さな株のまま春を待ち、三月に新葉が動いたら再開します。
三月から五月は採り切る計画で動く
三月に気温が上がると急に葉が増えます。不織布を外し、液体肥料を月一回に再開して、四月から外葉を摘み始めます。五月は収穫の盛りで、週に一回は採れます。五月下旬に中心の茎が伸び始めたら、六月上旬までに採り切るつもりで動きます。
四月以降は午後の日ざしが強くなるので、プランターは東向きか半日陰へ移し、地植えは遮光ネットを用意します。日ざしを避けるだけで、とう立ちが一週間から二週間遅れます。
| 時期 | 株の姿 | すること |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 新葉が動き出す | 不織布を外し、液体肥料を再開 |
| 4月 | 本葉が増えて株が広がる | 外葉から摘み始める。半日陰へ |
| 5月 | 葉が込む、盛り | 週一回の収穫。遮光ネット |
| 5月下旬〜6月 | 中心から茎が伸びる | 採り切る。種取り株を残す |
時期を外したときの立て直し
まき時を逃した、冬に枯らした、春に採り切れなかった。時期を外しても、次の作型に切り替えれば一年を無駄にせずに済みます。今の月と株の姿から、どの作型に乗り換えるかを決めます。
- 十一月になってまだまいていない
- 露地は諦め、室内の窓辺のプランターにまきます。二か月後から採れ、三月に屋外へ出せます。
- 冬に株が枯れた
- 三月上旬に春まきに切り替えます。五月の一か月が収穫で、六月に終わることを前提に量を決めます。
- 五月に採り切れずとう立ちした
- 残った株は種取りに回し、六月に種を採って秋まきに使います。葉はバターに練り込んで保存します。
- 夏に苗をもらった
- 半日陰の涼しい場所で水だけ与えて持たせます。九月下旬に涼しくなれば動き出し、秋の株として育てられます。
チャービルの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
チャービルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチャービルの育て方にまとめています。
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