増やす方法は種だけ
チャービルは一年草で、根は一本の直根(まっすぐ下に伸びる根)なので株分けはできません。挿し木も根が出ません。増やす方法は種を採ってまくことと、こぼれ種で勝手に生えた株を育てることの二つです。どちらも六月の花を残すところから始まります。
種は一年で発芽率が半分ほどに落ちるので、毎年採って毎年まくのがいちばん確実です。市販の種を買い足すより、自分の場所で育った株の種のほうが、その環境に合った株が出やすくなります。
| 目的 | 向く方法 | 手間 |
|---|---|---|
| 来年も同じ場所で育てたい | こぼれ種を生かす | 花を残して放っておくだけ |
| 別の場所やプランターで育てたい | 種を採って秋にまく | 六月に採り、九月にまく |
| すぐ増やしたい | 市販の種を買う | 種は当年のものを |
| 株分け、挿し木 | できない | 直根で分けられない |
種取り株は二株残して咲かせる
五月下旬に中心から茎が伸びてきたら、種取りにする株を二株ほど決め、それ以外は葉を採り切ります。種取り株は肥料を止め、水だけ与えて放っておきます。六月に白い小さな花が傘のように咲き、そのあとに細長い種ができます。
種取り株を多く残すと、周りの株が日陰になり、こぼれ種で翌年生えすぎます。二株で一年分の種は十分に採れます。花が咲いた株は葉が硬くなるので、収穫用の株とは分けて考えます。
- 茎が伸びた株から二株選ぶ
- 五月下旬、茎の伸びが早く、葉の香りがよかった株を二株選びます。虫の付いていない株にします。
- 肥料を止めて水だけ
- 種取り株には液体肥料を与えません。水は表面が乾いたら与え、花が咲いたらさらに控えめにします。
- 花に虫が来るのを待つ
- 白い花にはハナアブなどが来て受粉します。室内なら指で花を軽くなでて受粉を助けます。
茶色く乾いたら花茎ごと採る
花のあと、細長い緑の種が茶色く変わって乾いてきたら採りどきです。種は熟すと自然に落ちるので、六割から七割が茶色くなったころに花茎ごと切り取り、紙袋に入れて追熟させます。雨に当てると種が傷むので、晴れの日に採ります。
採った種は袋の中で一週間乾かし、振って落とします。細かいごみを取り除き、封筒に入れて冷暗所に置きます。冷蔵庫の野菜室でも構いません。
- 六割が茶色くなったら切る
- 種の六割から七割が茶色く乾いたら、晴れた日の午前中に花茎ごと切ります。全部を待つと先に熟した種が落ちます。
- 紙袋に入れて一週間乾かす
- 花茎を逆さにして紙袋に入れ、風通しのよい日陰に一週間つるします。ビニール袋はかびます。
- 振って落とし、ごみを取る
- 袋を振って種を落とし、花がらや茎のかけらを取り除きます。ざるで軽くふるうと楽です。
- 封筒で冷暗所に保管
- 紙の封筒に入れて日付を書き、冷暗所か冷蔵庫の野菜室に置きます。秋にまき切ります。
種は一年で発芽率が半分に落ちます。翌年以降に持ち越す種は倍の量をまき、それでも出なければ新しい種に替えます。
こぼれ種は日陰の縁に生える
種取り株をそのまま枯らしておくと、種が落ちて秋に勝手に芽が出ます。夏の間は土の中で休み、九月下旬に涼しくなると発芽します。プランターの縁や、株の北側の日陰に多く出るので、夏にその場所を掘り返さないようにします。
生えた株は移植できないので、そのまま育てます。込みすぎたところは間引き(込みすぎた株を抜くこと)で十五センチ間隔に調整し、間引いた株は食べます。翌年もこぼれ種を残せば、同じ場所で毎年つながります。
- 夏はその場所を掘り返さない
- 種取り株があった場所とその周りは、七月から九月まで耕しません。種は土の表面近くで秋を待っています。
- 九月下旬に芽を探す
- 涼しくなったら株のあった場所を見ます。ニンジンに似た細い葉の芽が出ていればチャービルです。
- 十五センチ間隔に間引く
- 本葉四枚から五枚で十五センチ間隔にします。抜くより地際で切ると隣の根を傷めません。
- 移植せずそのまま育てる
- 生えた場所で育てます。場所を変えたいなら、その株は食べて、別の場所には採った種をまきます。
採った種は秋にまく
六月に採った種は、九月下旬から十月にまくのがいちばん確実です。その年に採った種は発芽率が高く、涼しい気候で揃って出ます。プランターにまくなら、条間十五センチで一センチ間隔のすじまきにし、覆土(かぶせる土)は二ミリから三ミリにします。
春まきにも使えますが、五月の一か月しか採れません。翌年の春まきに回す分は、封筒のまま冷蔵庫の野菜室で保管し、まく量を倍にします。
| まく時期 | 使う種 | まき方 |
|---|---|---|
| 9月下旬〜10月 | その年に採った種 | すじまき、覆土二ミリから三ミリ |
| 3月〜4月 | 前年の種を倍量 | 同じ。五月に採り切る前提 |
| 11月〜2月(室内) | その年の種 | プランターに薄まき、窓辺に |
種取りでつまずいたときの切り分け
種ができない、採った種が発芽しない、こぼれ種が出ない。種取りの失敗は受粉、乾かし方、保管、まく時期で説明が付きます。どこで止まったかを確かめてから、次の年の手順を変えます。
- 花は咲いたのに種がない
- 受粉していません。室内なら指で花をなでて受粉を助け、屋外なら虫が来る日なたに種取り株を置きます。
- 採った種が発芽しない
- 未熟なうちに採ったか、保管中に湿りました。次は六割が茶色くなるまで待ち、紙袋で乾かして紙の封筒で保管します。
- こぼれ種が出ない
- 夏に掘り返したか、乾きすぎました。次は種取り株の場所を九月まで触らず、九月に軽く水を与えて発芽を促します。
- こぼれ種が出すぎた
- 間引いて十五センチ間隔にし、間引き菜として食べます。翌年は種取り株を一株に減らします。
チャービルの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
チャービルの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチャービルの育て方にまとめています。
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