症状から原因を切り分ける
チコリの困りごとは、畑での不調と伏せ込み中の不調に分かれます。畑では、とう立ちと根の形が中心。伏せ込みでは腐りと芽球の緩みが中心です。どちらの段階かで見るところが変わります。
どちらの段階でも、記録が助けになります。まいた日、株間、伏せ込んだ場所と温度を控えておけば、うまくいかなかったときに原因を絞り込めます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 夏前に花茎が伸びる | 早まきで低温に当たった | 五月中旬以降にまき直す |
| 根が又に分かれる | 未熟な堆肥、石、硬い層 | 深く耕し、完熟堆肥だけを使う |
| 伏せ込み中に根が腐る | 水の与えすぎ、温度が高い | 水を減らし、涼しい場所へ移す |
| 芽球が緩んで開く | 温度が高すぎる | 十五度から二十度の場所へ移す |
とう立ちを防ぐ
チコリは、若いうちに低温に当たったあと日が長くなると花芽を作ります。四月にまくとこの条件にはまりやすく、根が硬くなって伏せ込みに使えません。まき時を守るのが唯一の対策です。
とう立ちした株は元に戻せません。見つけたら早めに抜いて、隣の株に場所を譲るほうが得です。花は美しい青色なので、観賞用に一本残す楽しみ方もあります。
とう立ちは、まき時さえ守ればほとんど起きません。逆に言えば、四月に早くまきたい気持ちを抑えることが、この作物でいちばん効く対策になります。
- 五月中旬以降にまく
- 気温が安定してからまきます。早くまいて大きく育てても、とう立ちすれば根は使えません。
- 遅霜に当てない
- まいた直後に寒の戻りがあるときは、不織布を掛けて覆います。若い株ほど低温に反応します。
- 立った株は抜く
- 中心から茎が伸びた株は回復しません。抜いて隣の株に光と場所を回すほうが、畑全体では得になります。
又根を防ぐ
根が二股、三股に分かれると、伏せ込みのときに立てられず、芽球も小さくなります。原因は土の中の障害物です。石、硬い層、未熟な堆肥のかたまりのどれかに根が当たると、そこで分かれます。
又根になっても食べられないわけではありません。太い側だけを伏せ込めば芽球は出ます。見た目にこだわらないなら、そのまま使ってしまって構いません。
- 石を取り除く
- 耕すときに手のひらより大きい石を拾います。細かい石は問題になりませんが、大きいものは避けます。
- 堆肥は完熟のみ
- 分解しきっていない堆肥が根に触れると分かれます。よく熟したものを土全体に薄く混ぜます。
- 移植はしない
- 苗を移すと主根が切れて分かれます。チコリは直まきにして、間引きで株間を作ります。
付きやすい虫
チコリは苦みがあるためか、虫の被害は多くありません。それでも若いうちはヨトウムシやナメクジに食われることがあります。芽が食われて消えるときは、夜に見回ると犯人が見つかります。
虫の害が出るのは、たいてい六月までの若い時期です。ここを乗り切って株が大きくなれば、あとはほとんど手がかかりません。序盤だけ気を配ればよい作物です。
| 種類 | 出る時期 | 対処 |
|---|---|---|
| ヨトウムシ | 6月〜9月の夜 | 夜に見回って捕る。株元の土も掘って探す |
| ナメクジ | 梅雨どき | 夜に捕るか、誘引剤を株から離して置く |
| アブラムシ | 5月〜6月 | 水で流すか、野菜用の殺虫剤を薄めて使う |
伏せ込み中の腐りを防ぐ
伏せ込みで多い失敗が、根の腐りと芽球のぬめりです。原因はほとんどが水の与えすぎと風通しの悪さです。乾かしてはいけませんが、湿らせすぎるのはもっと悪い、と覚えておくと加減がつかめます。
伏せ込みの箱を置く場所は、においがこもらないところを選びます。腐りが出ると独特のにおいが出るので、気付いたら早く見に行けるところに置くと被害が広がりません。
- 水はごく少なく
- 土が乾いていなければ与えません。二日おきに触って確かめ、表面が乾いていたら霧吹き程度にします。
- 空気を入れ替える
- 覆いを一日一度だけ短時間外して空気を入れます。閉め切ったままだと蒸れて腐りが出ます。
- 腐った根は取り除く
- 軟らかくなった根はすぐ取り出します。放っておくと隣の根まで傷みが移り、箱ごとだめになります。
うまくいかない年の立て直し
根が細かった年は、伏せ込んでも小さな芽球しかできません。この場合、伏せ込みを工夫しても大きくはならないので、翌年の株間と肥料を見直すほうが確実です。記録を残すと次に生きます。
一年で完成させようとしないことです。畑での半年と伏せ込みの一か月に、それぞれ改善点が見つかります。二年目、三年目と続けるうちに、確実によくなっていきます。
| 場面 | その年にできること | 翌年に直すこと |
|---|---|---|
| 根が細い | 小さい芽球として食べる | 株間三十センチを守る |
| とう立ちした | 花を観賞して抜く | 五月中旬以降にまく |
| 又根になった | 太い側だけ伏せ込む | 深く耕し、完熟堆肥を使う |
| 芽球が緑がかった | 加熱して食べる | 光をしっかり遮る |
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