まき時を作型で選ぶ
チコリは、秋までに太った根を掘り上げ、それを暗い場所で伏せ込んで白い芽球を出させる作物です。つまり畑での目的は葉ではなく根を太らせることにあります。ここを取り違えると、葉ばかり茂って芽球が出ません。
関東の平野部なら五月から六月にまき、十一月に根を掘り上げます。早くまきすぎると、低温に当たったあとの長日でとう立ち(花芽が伸びて根が硬くなること)が起きて、根が使えなくなります。
| 作型 | 種まき | 根の掘り上げ |
|---|---|---|
| 標準 | 5月中旬〜6月 | 11月 |
| 遅まき | 7月 | 12月。根がやや小さい |
| 早まき | 4月 | とう立ちしやすく向かない |
種まきの手順
種は小さいので、深さ一センチの溝に一センチ間隔ですじまきするか、株間三十センチの点まきにします。覆土は五ミリほどにし、手のひらで軽く押さえてから静かに水を与えます。
初夏にまくため、地温が高く発芽は早い代わりに乾きも早くなります。芽が出るまでは表面を乾かさないよう、朝夕に確かめてください。もみ殻や新聞紙で覆うと乾きが和らぎます。
溝をまっすぐ作る
板の縁を押し当てて深さ一センチの溝を作ります。溝と溝の間は三十センチから四十センチ空けます。
薄くまいて覆う
一センチ間隔で種を落とし、五ミリだけ土をかけます。厚くかけると芽が持ち上がれません。
乾かさずに待つ
発芽まで四日から七日ほどです。晴天が続くときは朝夕に土を触り、乾いていたら静かに与えます。
覆いで乾きを防ぐ
もみ殻や新聞紙を薄くかけると乾きが和らぎます。芽が見えたらすぐ取り除き、光と風に当てます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
夏の高温では発芽が乱れることがあります。まき直しができるよう、種は使い切らずに少し残しておくと安心です。
土は深く耕しておく
チコリの根は大根のように地中へまっすぐ伸びます。硬い層や石があると、そこで曲がったり枝分かれしたりして、伏せ込みのときに扱いにくくなります。まく前に深さ三十センチまで耕しておきます。
肥料は多すぎないほうがよく、葉ばかり茂ると根が太りません。元肥(植える前に土に混ぜておく肥料)は完熟堆肥を中心にし、化成肥料は控えめにします。未熟な堆肥は根が又に分かれる原因になります。
- 深さ三十センチ耕す
- 根がまっすぐ伸びるように、石や硬い層を取り除きながら耕します。ここを省くと又根が増えます。
- 堆肥は完熟のものを
- 未熟な堆肥が根に触れると、その場所で又に分かれます。よく分解したものを土全体に混ぜます。
- 肥料は控えめに
- 化成肥料は一平方メートルに軽く一握りまで。多いと葉が茂って根が太らず、芽球も緩くなります。
- 高めの畝を立てる
- 水はけが悪いと根が腐ります。雨のあとに水が残る場所なら、十五センチほど高い畝にします。
夏の管理で根を太らせる
七月から九月は根が太る大事な時期です。乾かしすぎると根が硬くなり、逆に肥料が効きすぎると葉ばかり茂ります。土が乾いたらたっぷり与える、という当たり前の管理を続けるのが結局いちばんです。
夏の間に葉が大きく育ちますが、この葉は苦みが強く、生では食べにくいものです。刈り取らず、根を太らせるために働かせます。刈ると根の太りが止まります。
- 乾いたら与える
- 表土から二センチが乾いていたら朝に与えます。少量を毎日与えると根が浅く育って太りません。
- 追肥は一度だけ
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は八月に一度、化成肥料を軽く一握り。それ以上は葉を茂らせるだけです。
- 葉は刈らない
- 夏の葉は苦くて食べにくいですが、根を太らせる働き手です。見た目が乱れても残しておきます。
根が太らないときの原因
掘り上げてみて根が細い、又に分かれている、途中で止まっているというときは、耕し方、肥料、株間のどれかに理由があります。翌年の作り方を変えれば直せるものばかりです。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 根が細い | 株間が狭い、まき遅れ | 株間三十センチを守り、六月までにまく |
| 根が又に分かれた | 未熟な堆肥や石に当たった | 完熟堆肥を使い、深く耕して石を除く |
| 葉ばかり茂った | 肥料が多すぎた | 元肥を減らし、追肥は一度にとどめる |
| 途中でとう立ちした | 早まきで低温に当たった | 五月中旬以降にまき直す |
間引いて株間を作る
根を太らせるには、一株あたりの取り分を確保する必要があります。込んだままでは細い根しかできず、伏せ込んでも小さな芽球にしかなりません。三回に分けて間引き、最終的に株間三十センチにします。
残す株は、葉が厚く左右そろっているものを選びます。背だけ高い株は徒長(込み合いや日照不足で間のびすること)していて、根は太りません。
| 時期 | 株の姿 | 間引き後の株間 |
|---|---|---|
| 双葉が開いたころ | 葉が触れ合う | 三センチ |
| 本葉三、四枚 | 隣と重なり始める | 十センチ |
| 本葉六、七枚 | 株が立ち上がる | 三十センチ |
チコリの種まきでよくある質問
チコリの種はいつまく?
チコリは、秋までに太った根を掘り上げ、それを暗い場所で伏せ込んで白い芽球を出…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
チコリの種はどうやってまく?
点まき / すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
チコリの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
チコリの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
チコリは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
チコリの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
チコリの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
チコリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチコリの育て方にまとめています。
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