一年の作業を月で追う
チコリの一年は、五月から十一月までの畑での根作りと、十一月以降の伏せ込みに分かれます。畑では根を太らせることだけを考え、伏せ込みからが本番だと考えると流れがつかみやすくなります。
| 月 | 株の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 4月 | 作付けの準備 | 深く耕して堆肥を入れる |
| 5月〜6月 | 発芽して本葉が増える | 種まき。一回目と二回目の間引き |
| 7月 | 株が立ち上がる | 最後の間引きで株間三十センチにする |
| 8月 | 葉が大きく茂る | 追肥を一度。乾いたら水を与える |
| 9月 | 根が太り始める | 水やりと草取りだけにする |
| 10月 | 根が太る | そのまま置く。肥料は足さない |
| 11月 | 外葉が倒れる | 根を掘り上げて伏せ込む |
| 12月 | 芽球が育つ | 暗く保ち、乾かさない。収穫が始まる |
| 1月〜2月 | 順に芽球ができる | 伏せ込みをずらして収穫を続ける |
春から初夏にすること
四月は土作りの月です。深さ三十センチまで耕し、石や硬い層を取り除きます。ここで手を抜くと、秋に掘り上げた根が又に分かれ、伏せ込みで扱いにくくなります。
五月中旬から六月に種をまきます。四月にまくと、とう立ちして根が使えません。少し遅いくらいがちょうどよいと覚えておくと失敗しません。
種をまく前に、秋の伏せ込み場所も考えておくと段取りがよくなります。暗くて十五度から二十度になる場所が家にあるかどうかで、育てる株数を決められます。
- 深く耕す
- 四月のうちに三十センチまで耕し、石を取り除きます。完熟堆肥を混ぜ、化成肥料は控えめにします。
- 五月中旬以降にまく
- 早まきはとう立ちの元です。気温が安定してからまくほうが、結果として太い根になります。
- 発芽まで乾かさない
- 初夏は土が乾きやすい時期です。芽が出るまでは朝夕に土を触って確かめ、乾いていれば静かに与えます。
夏にすること
七月に最後の間引きをして株間三十センチを作り、八月に一度だけ追肥をします。あとは乾いたら水を与え、草を抜くだけです。手をかけすぎないほうがよく育つ時期でもあります。
夏は雑草との勝負になります。株間三十センチを空けるぶん、地面が見える面積が広く、草が伸びやすくなるためです。敷き草を敷いておくと、この手間が大きく減ります。
- 株間を三十センチに
- 本葉六、七枚のころに最後の間引きをします。惜しんで残すと、どの株も細い根になります。
- 八月に一度追肥
- 追肥(育ちの途中で足す肥料)は化成肥料を一平方メートルに軽く一握り。葉の色が濃いなら見送ります。
- 敷き草を敷く
- 株元にわらやもみ殻を敷き、乾きと地温の上がりすぎを防ぎます。草も出にくくなります。
秋の掘り上げ
十一月、外葉が黄色くなって倒れ始めたら掘り上げます。一度に全部掘って伏せ込むと収穫が集中するので、二、三回に分けて伏せ込むと、冬の間ずっと穫り続けられます。
掘り上げた日と根の太さを記録しておくと、翌年の作り方の見直しに使えます。細かった年は株間か肥料に理由があるので、次の年に一つだけ変えて試すと原因がつかめます。
| 時期 | 掘る量 | 収穫の見込み |
|---|---|---|
| 11月上旬 | 三分の一 | 12月上旬から穫れる |
| 11月下旬 | 三分の一 | 12月下旬から穫れる |
| 12月中旬 | 残り | 1月から2月に穫れる |
すぐ伏せ込まない根は、湿らせた砂に埋めて冷暗所に置きます。凍らせず、乾かさないのが保管のこつです。
冬の伏せ込みと収穫
十二月から二月は、伏せ込んだ根から芽球を穫る時期です。暗さと温度を保ち、乾かさないようにするだけで、三、四週間ごとに収穫が来ます。伏せ込む時期をずらすのがこつです。
収穫が続くように、伏せ込みは三回に分けます。一度に全部を伏せ込むと、同じ週に食べきれないほど穫れてしまい、あとの一か月は何も無いということになりがちです。
- 光を完全に遮る
- 布や板で覆い、確かめるとき以外は光を入れません。光が入ると緑がかって苦くなります。
- 湿り気を保つ
- 二日おきに土の湿り気を確かめ、乾いていたら霧吹きか少量の水を与えます。与えすぎると腐ります。
- 三週目から見る
- 三週間を過ぎたら二日おきに大きさを確かめます。十センチを超えて締まっていれば穫りどきです。
地域で時期がずれるときの読み替え
表は関東の平野部が基準です。寒冷地は種まきを早め、根の掘り上げも早めます。暖地は伏せ込みの温度が上がりすぎないよう、置き場所に気を配ってください。
暖地では、冬でも室内が二十度を超えることがあります。その場合は玄関や北側の部屋など、家の中で涼しい場所を探すと、芽球が緩まずに締まって育ちます。
| 地域 | 種まき | 注意 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 5月上旬〜5月下旬 | 10月中に掘り上げる。凍らせない |
| 関東平野部 | 5月中旬〜6月 | 11月に掘り上げて伏せ込む |
| 暖地 | 6月 | 伏せ込み場所が二十度を超えないようにする |
チコリの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
チコリの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はチコリの育て方にまとめています。
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