症状から原因を切り分ける
デンドロビウムの葉やバルブに出る異変は、虫、病気、置き場所の三つに大別できます。まず葉の表裏とバルブの根元をよく見て、虫の姿があるか、斑点の形はどうか、置き場所を変えた直後かを確かめてから対処します。
症状が一枚の葉だけに出ているなら、葉を切り取って様子を見るだけで済むことが多いです。複数の葉やバルブに広がっているときは、置き場所と水やりを見直したうえで虫や病気の対処に進みます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の対処 |
|---|---|---|
| 葉や茎に白い綿や茶色い殻が付く | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉の裏がかすれて白っぽい | ハダニ | 葉裏に葉水をかけて洗い流す |
| 葉に黄色と緑のまだら模様 | ウイルス病 | 治らないので株を隔離する |
| 葉に黒い斑点が広がる | 黒斑病や炭そ病 | 病葉を切り、風通しを良くする |
| 葉が黄色く抜けて茶色くなる | 葉焼け | 遮光する。焼けた部分は戻らない |
| バルブが根元から黒く腐る | 根腐れや軟腐病 | 腐った部分を切り、水を止める |
カイガラムシは見つけ次第こすり落とす
葉の付け根やバルブの間に、白い綿状か茶色い小さな殻のような虫が付きます。殻に守られているため薬が効きにくく、物理的に落とすのが最も確実です。放置すると株が弱り、排せつ物にすす病が出て葉が黒くなります。
殻に守られた成虫は薬が効きにくく、こすり落とした後に園芸用の殺虫剤をかける順番が確実です。一度で全部は落とせないので、二週間おきに三回ほど確かめます。
- 古い歯ブラシでこする
- 水で湿らせた歯ブラシで、虫の付いた場所をこすり落とします。葉の付け根の奥まで確かめ、見えにくい部分も丁寧に落とします。
- 幼虫の時期に薬を使う
- 五月から七月は殻のない幼虫が歩き回る時期で、この時期なら園芸用の殺虫剤が効きます。成虫には効きにくいので時期を選びます。
- 風通しを良くする
- カイガラムシは風通しの悪い場所で増えます。株同士を離し、枯れたバルブを取り除いて風が通るようにします。
落とした虫は鉢の中に落とさないよう、下に新聞紙を敷いて作業します。落ちた虫が鉢の中で再び登ってくることがあります。
ウイルス病は治らないので広げない
葉に黄色と緑のまだら模様や、輪のような斑が出て、年々株が小さくなるならウイルス病の疑いがあります。治す方法はなく、はさみや手を介して他の株へ移ります。疑わしい株は他のランから離し、道具は株ごとに消毒します。
新しく買った株を仲間に加えるときは、一か月ほど離れた場所で管理して葉の様子を見てから並べます。買ったばかりの株にウイルス病が潜んでいることがあり、隔離期間が最も安上がりな予防です。
- 疑わしい株を隔離する
- 他のランと接触しない場所へ移します。花を咲かせて楽しむことはできますが、株分けや高芽での増殖はしません。
- はさみを株ごとに消毒する
- 植え替えや花がら摘みのはさみは、株を変えるたびに刃を火であぶるか消毒液で拭きます。これが最も効く予防策です。
葉焼けと病気の斑点を見分ける
葉焼けは日の当たる面だけが黄色く抜けて茶色くなり、広がりません。病気の斑点は日陰側にも出て、日ごとに大きくなります。どちらか迷ったら一週間観察し、広がるかどうかで判断します。
春に屋外へ出した直後の葉焼けは特に多く、日陰から日なたへ一度に移した株ほど強く出ます。焼けた葉は元に戻りませんが、株が枯れることはまれで、新しい葉が出れば見た目は回復します。
| 見た目 | 葉焼け | 病気 |
|---|---|---|
| 出る場所 | 日が当たる面の中央付近 | 葉の縁や日陰側にも出る |
| 広がり方 | 翌日以降は広がらない | 日ごとに大きくなる |
| 対処 | 遮光して新しい葉を待つ | 病葉を切り取り薬を検討 |
病気の斑点が出た葉は、健全な部分も含めて葉ごと切り取ります。斑点だけを切り取ると切り口から広がります。
つぼみが落ちるときの原因
冬から春につぼみが黄ばんで落ちるのは、暖房の乾いた風、急な温度変化、水切れのどれかです。つぼみが見えてからは置き場所を動かさず、暖房の風が直接当たらない場所で霧吹きをすると防げます。
つぼみが落ちるもうひとつの原因に、室内の暖かさで花芽が高芽に変わる現象があります。つぼみが開かずに緑色の葉のようなものが出てきたら高芽で、その年は諦めて秋の低温処理をやり直します。
- つぼみが見えたら動かさない
- つぼみは環境の変化に弱く、鉢の向きを変えるだけでも落ちることがあります。花が開くまで同じ場所、同じ向きで管理します。
- 暖房の風を避けて葉水
- エアコンの風が当たる場所は避け、朝に霧吹きで株全体を湿らせます。乾燥がつぼみ落ちの最大の原因です。
つぼみに水がかかると腐ることがあります。霧吹きは葉とバルブに向け、つぼみには直接かけないようにします。
デンドロビウムの長く咲かせるコツは作物ページに
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