季節ごとの置き場所を先に決める
デンドロビウムはノビル系と呼ばれる仲間が家庭で最も多く出回り、この系統は洋ランの中でも日光を強く求めます。室内の窓辺だけで一年を過ごさせると、茎(バルブと呼ばれるふくらんだ茎)が細く育ち、翌年の花が極端に減ります。
春の遅霜が終わったら屋外に出し、秋の終わりまで戸外で育てるのが基本です。置き場所を季節で切り替える前提で、まず自宅のどこに置けるかを確かめておきます。
十月から十一月にかけては、屋外で最低気温が五度を下回る直前まで置くのが目安です。霜が降りる前には必ず取り込み、取り込んだ後も暖房のない涼しい部屋で管理を続けます。
| 時期 | 置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 4月中旬〜6月 | 屋外の日なた | 遅霜が終わり最低気温が10度を超えたら出す |
| 7月〜8月 | 屋外の半日陰か遮光下 | 葉が黄ばんだら日が強すぎる合図 |
| 9月〜11月中旬 | 屋外の日なた | 秋の日にしっかり当ててバルブを太らせる |
| 11月下旬〜4月上旬 | 室内の明るい窓辺 | 最低気温が5度を切る前に取り込む |
寒冷地では屋外に出す時期を二〜三週間遅らせ、取り込みを十月中に前倒しします。
屋外では葉焼けと日光不足の間を探す
春と秋は直射日光に当てて構いませんが、真夏の強い西日は葉を焼きます。葉が黄色く抜けたり、茶色い斑点が広がったりしたら日が強すぎる合図で、逆に葉が濃い緑で茎が細長く伸びるなら日が足りていません。
マンションのベランダでは、手すりの外側より内側の床に近い場所のほうが風が穏やかで乾きも遅くなります。日中だけ日が当たる東向きのベランダなら遮光なしで夏を越せることが多く、西向きなら必ず遮光が要ります。
- 遮光の目安は三割
- 七月から八月は遮光ネットかよしずで日ざしを三割ほど弱めます。真っ暗にせず、葉の表に薄く影が落ちる程度の明るさを保ちます。
- 風通しを確かめる
- 鉢を地面に直置きせず、棚やすのこの上に置いて鉢底の風を通します。地面の照り返しと蒸れが夏の根腐れの主な原因です。
- 雨に当てて構わない
- ノビル系は雨ざらしでも育ちます。ただし梅雨の長雨で鉢の中が乾かないときは、軒下に移して鉢を乾かす日を作ります。
秋の寒さが花芽を作る
デンドロビウムのノビル系は、秋に十度前後の低温に当たることで花芽ができます。この時期に暖かい室内へ早く取り込むと、花芽の代わりに高芽(茎の途中に出る小さな子株)ばかりが出て花が咲きません。
十月から十一月にかけて、屋外で最低気温が五度を下回る直前まで置くのが目安です。この間に葉が少し赤みを帯びたり、下葉が黄ばんで落ち始めたりしますが、ノビル系ではこれが正常で、花芽ができている合図でもあります。
- 最低気温を毎朝見る
- 十一月に入ったら天気予報の最低気温を確かめる習慣をつけます。五度を切る予報が出た日の夕方に室内へ移します。
- 取り込み後も涼しい場所
- 暖房の効いた部屋ではなく、日中は日が入り夜は十度前後まで下がる部屋の窓辺に置きます。暖かすぎると花芽が止まります。
- 水を控えて低温に耐えさせる
- 十月以降は水やりを週一回程度に減らし、バルブを引き締めます。水が多いまま寒さに当てると茎が傷みます。
低温処理の間も日光は必要です。屋外の日なたで寒さに当てるのが正しく、日陰の寒い場所では花芽が育ちません。
冬の室内では窓ガラスから離す
冬の窓辺は昼は暖かく夜は冷えます。窓ガラスに葉が触れると夜間に凍って傷むので、窓から十センチ以上離して置きます。カーテンの内側は特に冷え込むので、夜だけ部屋の中央へ寄せる方法も有効です。
日中に日が入る南向きか東向きの窓辺が理想です。北向きの窓しかない場合は、日中だけでも明るい場所へ動かすか、つぼみが色づいてから北の窓辺へ移すと花持ちが長くなります。
| 状態 | 見た目 | 対処 |
|---|---|---|
| 適温 | 葉が張りを保ち、バルブが固い | そのまま同じ場所で管理 |
| 低温すぎ | 葉が黒ずみ、しおれたまま戻らない | 夜だけ部屋の中央か段ボールで囲う |
| 高温すぎ | 冬なのに新芽が伸びる、高芽が出る | 暖房の風が当たらない涼しい部屋へ |
花が咲かないときの原因を見分ける
春に花が咲かない原因のほとんどは、前年の秋の低温不足か、夏の日光不足のどちらかです。バルブの太さと高芽の有無を見れば、どちらだったか判断できます。
- 去年の管理を書き出す
- 取り込んだ日、肥料を止めた日、夏の遮光の有無を書き出して表と照らします。どこがずれていたかが一目で分かり、翌年の直し方が決まります。
- 株を捨てずに一年育て直す
- 咲かなかった株も、春から正しい置き場所で育て直せば翌年には戻ります。古いバルブは切らず、新芽を太らせることに専念します。
| 症状 | 考えられる原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 高芽ばかりで花がない | 秋に暖かい室内へ早く取り込んだ | 十一月まで屋外で低温に当てる |
| バルブが細く短い | 夏から秋の日光不足 | 遮光を弱め、秋は直射日光に当てる |
| つぼみが黄ばんで落ちる | 室内の乾燥と暖房の風 | 霧吹きで湿らせ、暖房の風を避ける |
| 株全体が小さく元気がない | 根詰まりか根腐れ | 花後に植え替えて根を確かめる |
一度咲かなかった株でも、翌年の置き場所を変えれば普通に咲きます。株を捨てず一年かけて立て直してください。
デンドロビウムの置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
デンドロビウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はデンドロビウムの育て方にまとめています。
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