植え替えが必要かを判断する
デンドロビウムは二年に一回が植え替えの目安です。毎年する必要はなく、根が鉢からあふれ出ているか、水ゴケが黒く崩れて水はけが悪くなっているかで決めます。植え替え直後は一時的に成長が止まるので、必要のないときは触らないのが得策です。
花が終わった直後に植え替えると、新芽が伸びる前に新しい根が動き出すので株への負担が最も軽くなります。夏や秋に植え替えると、その年の新芽が小さくなり翌春の花が減るので、迷ったら翌春まで待ちます。
| 状態 | 見た目 | 判断 |
|---|---|---|
| 根が鉢からあふれる | 白い根が鉢の外に何本も出る | 花後に植え替える |
| 水ゴケが崩れた | 黒ずんで指でつまむとぼろぼろ | 花後に植え替える |
| 水が抜けにくい | 与えても表面にたまる | 花後に植え替える |
| どれも当てはまらない | 水ゴケが茶色で弾力がある | 今年は植え替えない |
用意するものと鉢の選び方
鉢は素焼き鉢かプラスチック鉢のどちらでも育ちますが、乾きやすい素焼き鉢のほうが失敗が少なくなります。大きさは今の鉢より一回りだけ大きいものにします。大きすぎる鉢は水ゴケが乾かず根腐れの原因になります。
水ゴケは質の良いものを選びます。長い繊維が残っている等級のものは崩れにくく、二年たっても水はけを保ちます。細かく砕けた安価なものは半年ほどで締まりすぎ、根腐れの原因になります。
- 水ゴケを前日に戻す
- 乾燥水ゴケは前日に水に浸し、使う前に手で固く絞ります。びしょびしょのまま使うと植えた後に締まらず、根が動きます。
- 鉢は一回り大きいだけ
- バルブの数に対して鉢が大きいと乾きが悪くなります。株が鉢いっぱいに見えるくらいが、デンドロビウムには丁度良い大きさです。
- はさみは火であぶる
- 根を切るはさみはライターで刃をあぶるか消毒液で拭いて、ウイルス病の伝染を防ぎます。ランは株から株へ病気が移りやすい植物です。
植え替え直後の株は根が動いていないので、日なたに置くと葉がしおれます。新根が見えるまで二〜三週間は半日陰で管理します。
植え替えの手順
古い水ゴケを丁寧に外し、腐った根を取り除いてから新しい水ゴケで植えます。ポイントは水ゴケを根の間まで詰め、鉢に入れるときは指で押し込んで固めに仕上げることです。ゆるいと株がぐらつき、新しい根が傷みます。
植え替えの作業は午前中の涼しい時間に行い、抜いた根を長く空気にさらさないようにします。乾いた根は水ゴケになじみにくく、根付くまでの時間が延びます。
- 鉢から抜き古い水ゴケを外す
- 鉢のふちを軽くたたいて抜き、古い水ゴケを指でほぐして取り除きます。根に絡んだ部分は無理に引かず、水で洗いながら外します。
- 腐った根を切る
- 茶色で中が空洞の根を根元から切ります。白くて固い根は残し、長すぎる根は鉢に収まる長さに整えます。
- 根を水ゴケで包む
- 根の間に水ゴケを入れ、外側からも包んで鉢の大きさより一回り大きい玉にします。株の芯が鉢の中央に来るよう位置を決めます。
- 鉢に押し込む
- 玉を鉢に入れ、ふちから指で押し込んで固めます。株を軽く引いても動かないくらいの固さが目安です。
- 一週間は水を与えない
- 植え替え後は半日陰で一週間ほど水を止め、切り口を乾かします。その後は通常の水やりに戻し、新根が出たら日なたへ移します。
植え替えのついでに古いラベルを付け直し、植え替えた年を書いておくと次回の判断が楽になります。
バークで植える場合の違い
水ゴケの代わりにバーク(松の樹皮を砕いたもの)で植えると、乾きが早く根腐れしにくくなります。反面、夏は水切れしやすく、水やりの回数が増えます。水やりを忘れがちな人は水ゴケ、与えすぎる傾向のある人はバークが向いています。
バークで植えた株は、二〜三年で樹皮が崩れて細かくなり水はけが落ちます。指でつまんでぼろぼろと崩れるようになったら、水ゴケと同じく植え替えの合図と考えてください。
| 用途 | 向く植え込み材 | 注意点 |
|---|---|---|
| 水やりを忘れがち | 水ゴケ | 冬の与えすぎに注意 |
| 水を与えすぎる | バーク | 夏は毎日水やりが必要 |
| 大株を軽く仕上げたい | バークと軽石の混合 | 肥料が流れやすいので置き肥を使う |
植え替え後に弱ったときの手当て
植え替え後に葉がしおれるのは、根が傷んで水を吸えないためです。水を増やしても吸えないので、葉水で補いながら新根が出るのを待ちます。一か月たっても新根が出ず、バルブがしぼむようなら植え込みがゆるい可能性があります。
- 葉水で乾燥を補う
- 鉢への水やりは控えたまま、朝夕に葉へ霧吹きをします。しおれが止まれば根が動き始めた合図です。
- 株がぐらつくなら支柱で固定
- 株が動くと新根の先が折れて伸びません。細い支柱を立ててバルブをひもで留め、動かないようにします。
植え替えで根をほとんど切った株は、その年の花は諦めて新芽を太らせることに専念します。翌年には元に戻ります。
デンドロビウムの植え替えに使うもの
植え替えは、鉢を大きくする作業ではなく、根を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が回りにくく、鉢底で根が団子になりません。
急に大きくすると、根の届かない土が長く湿ったままになり、根腐れの原因になります。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りは次の植え替えでそのまま取り出せます。
底に石を敷くと、鉢底の穴が土でふさがりません。ネット入りなら繰り返し使えます。
- 根切りばさみ探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃が厚く、土をかんでも欠けないもの。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。普通のはさみは土で切れなくなります。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を切って土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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